弁護士 猪野 亨のブログ

　多くの道民が反対する中、寿都町の片岡春雄町長、神恵内村の高橋昌幸村長は、核ごみ文献調査に応募しました。
　本当に最低だと思います。

　カネが欲しかっただけ
　応募の動機はこれしか考えられませんが、それを否定するなど見苦しいにもほどがあります。
「「村は1000億円だって売れない」 核ごみ調査受け入れで北海道神恵内村の高橋村長」（東京新聞2020年10月9日）
「20億円と言われてますけど、こんなこと失礼かもしれませんが、そんなに重要視してませんよ。いただけるものならいただきますけど。貧乏な村ですけど、20億、30億で村を売るのかという方もいますけど、そんな金で村を売れますか。100億だって売れないじゃないですか。1000億だって売れない。ぜひそういうところを理解していただきたい。」

　カネが欲しいだけなんだから、堂々と言えばいいでしょう。あなたは村だけでなく北海道を売り渡そうとしているんです。認めたらどうですか。
　「オレは、カネが欲しいんだ、北海道を売り渡して何が悪いんだ、悔しかったら止めてみろや！」




　ここにきて鈴木直道知事を見直しました。
「鈴木知事「対話続ける」　首相との会談では触れず　核のごみ文献調査」（北海道新聞2020年10月9日）
「「今後もあらゆるレベルで（町との）対話を続けたい」と述べた上で、同町が次段階の概要調査に移行しようとする場合は、法律に基づき反対して手続きを止める考えを改めて示した。」

　知事選挙のときは、当然のことながら自民党推薦候補でもあり、泊再稼働については黙りを通しました。反対、賛成を言えないなんて候補としては恥ずべきことだし、有権者欺しでしかありません。
「北海道知事選挙　自民系候補の鈴木直道氏の原発、カジノへのファジーな発言は有権者欺し　知事の資格なし」

　自民党道議会議員らは小躍りして喜んでいます。
「道内政党　評価割れる　核ごみ調査　自民歓迎、公明否定的」（北海道新聞2020年10月10日）
「自民党道連の田中芳憲政調会長は、片岡春雄・寿都町長と高橋昌幸・神恵内村長について「勇気ある英断をした」と評価。鈴木直道知事が核のごみを「受け入れ難い」とする道条例を根拠に、両町村に慎重な対応を求めていることに対しては「自治権に関わる。知事は冷静に議論できる環境をつくるべきだ」と述べた。」

　もともと鈴木知事も当初は、この自民党議員らの顔色をみながら「慎重」な言い回しをしていましたが、実際に寿都町長が前のめりになっていく状況の中で、明確に反対を表明しました。自民党のようなカネだけの発想しかない人たちの顔色を見ていたら、見ている方の顔色が悪くなってしまいます。
「北海道１区　船橋利実氏（自民党）の広報ビラ　改憲、憲法の文字は全くなし　今までの自民党によって福祉が破壊されたことの反省なしで孫をダシに使う」



　このような状況下で鈴木知事が反対を表明したことは素晴らしいにつきます。特にまだ年齢も若く、年輩の自民党道議らからは疎んじられているのではないかとさえ思えてしまうのですが（先の知事選挙の「しこり」は収まったのでしょうか）、よくぞ表明してくれました。
　鈴木直道知事が明確に反対を示したことは、自民党推薦知事であることを考えれば、その表明は英断です。素晴らしいと思います。菅総理に面談しながら、この問題を言えなかったのは残念ですが、今後に期待します。
　もちろん一度は可動したことある泊原発と、新たに受け入れる核ごみとでは、賛否の位置づけは異なりますが、それでも鈴木知事の決断は素晴らしいです。

　核ごみの押し付けに反対しましょう。



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