ユーチューブで闘病を配信することと誹謗中傷について 侮辱罪の厳罰化に危惧
- 2023/09/27
- 01:28

私は、このユーチューバーの存在は知りませんでしたが、朝日新聞で初めて知りました。「がん闘病ユーチューブ、いわれなき「詐病」中傷 投稿者の特定「耐えるしかない社会、変えたい」」(朝日新聞2023年9月21日) この記事を読んでものすごく違和感がありました。 詐病じゃないかと言われ、それが誹謗中傷だというのですが、ユーチューブで発信する以上、色々と批評されるのは当然の前提ではないでしょうか。 はっきりいっ...
暴力団抗争事件が裁判員裁判 「大人の社会見学」
- 2023/06/22
- 13:48

暴力団抗争事件であれば、理由付けはともかく裁判員裁判の適用から外す、このような運用が実際に行われていました。 それが高裁の判断で裁判員裁判になったというのは異例なんでしょう。「暴力団抗争、裁判員が審理へ 福岡高裁が除外取り消し」(産経新聞2023年6月20日) そこでは具体的な裁判員への危険がないということが述べられています。裁判員法3条1項はこのように規定しています。地方裁判所は、前条第1項各号に掲...
東京電力の幹部に無罪判決 強制起訴制度で解決する問題ではない
- 2023/02/25
- 23:15

少々、古くなりましたが、東京電力の旧幹部3人に無罪判決が出されました。 指定弁護士は上告するそうです。「東電旧経営陣無罪で上告 強制起訴事件、指定弁護士」(日経新聞2023年1月24日) もともと東京地検が嫌疑不十分で不起訴処分にしたものを検察審査会が起訴相当として強制起訴になったものです。 最初から無罪判決というのはその可能性が高かった事案です。 東京地検が政治的に放免してしまう、手心を加えるというこ...
調査方法をいじくることで欲しい結論を導く方法 国家による世論誘導 批判したりしなかったりではダメ
- 2022/08/29
- 01:21

岡口基一判事のボ2ネタを読んでいてつくづく思いました。 調査方法によって欲しい結論を得て、それによって制度を作ってしまうということ。「結論ありきで、それを狙った選択肢にする、アンケート調査」(ボ2ネタ) 直接のきっかけとなったのは法務省が選択的夫婦別姓についての調査で、自民党内保守派に配慮して選択肢を意図的なものにしてしまったこと。「「保守派との関係でもたない」 夫婦別姓の調査めぐり政府内で対立...
中学生が「私がやったことで間違いない」と言うのだろうか。自白調書の作り方
- 2021/11/27
- 01:27

愛知県で起きた中学3年生による事件は、とてもショックなものでした。何が当事者間にあったのかはわかりません。今後、解明されていくでしょう。 私が違和感があったのは警察発表とその報道です。「中3男子刺され死亡 殺人未遂容疑で同学年逮捕」(共同通信2021年11月24日)「県警は、殺人未遂の疑いで、刺したとみられる男子生徒を現行犯逮捕した。「私がやったことで間違いない」と容疑を認めているという。」 この「私がや...
この弁護士たちは裁判員制度を誤解していないか 裁判員は単純に国民の義務、公共の役割を果たすための制度に過ぎない
- 2021/10/06
- 09:23

裁判員の条件は有権者であるということであり、その中で一定の制限があるだけの制度です。法曹資格を有した者や国会議員などは除外されています。 有権者ですから18歳選挙権となった今、18歳になれば裁判員になる立場になったということです。 ただこれまでは何となく20歳を付則で維持していたいにすぎません。 それがいつの間にやら少年法改正時に付則が廃止され、18歳となっていたということでした。 確かに私も全...
出頭率は低下の一途の裁判員制度 行きたくない人は行かなくていいという運用が定着
- 2020/05/28
- 08:13

そういえばという感じでしたが、裁判員制度が11周年となりました。あまり報道も大きくなかったのは、コロナの関連で裁判員裁判が延期となっていたためとも思われます。正直、私も失念していました。 最高裁が公表する2月末までの裁判員の出頭率です。https://www.saibanin.courts.go.jp/topics/detail/09_12_05-10jissi_jyoukyou.html 実際の出頭率とは、選任前に候補者として選出した数に実際、どれだけの候補者が出頭したの...
「志願」制がもたらす組織の変質 裁判員制度と自衛隊
- 2019/05/29
- 02:21

裁判員制度の中核は、国民(20歳以上の有権者)に対して裁判員になることを義務としたところにあります。 不特定多数の中から、抽選によって選ばれた者ということで「公平」(バランス)を確保しているわけです。要は、やりたくないという人も対象としているということです。 ところが、実際には出頭率は呼出に対して2割強です。 2013年、遺体のカラー写真を見た裁判員がその後にPTSDを発症、国家賠償請求訴訟を起こされた時...
裁判員裁判で法廷が変わった、見て聞いてわかる? 自白事件でも証人を呼べとは迷惑な話
- 2019/05/25
- 02:06

裁判員裁判が始まって10年。法廷の様子ががらりと変わりました。 見て聞いてわかるがキャッチフレーズです。 従来の裁判は、法廷傍聴をしていても当事者しかわからないと批判されてきました。 最高裁が公表した報告書「裁判員制度10年の総括報告書」では、従来の調書ではなく、証人が法廷で証言することで見て聞いてわかる裁判になってきたと評価しています。「【裁判員制度10年】書面より生の証言 「見て、聞いて、分か...
憲法改悪と刑事司法 -裁判員制度の現状を問う-
- 2019/05/24
- 03:10
裁判員制度が10年 出頭率の低下で制度の根幹が崩壊している
- 2019/05/20
- 01:39

裁判員制度が実施されてから10年を迎えます。 制度の根幹は何と言っても国民を義務的に刑事裁判に関与させることです。ところが現実は出頭率は低下の一途です。今では2割強です。 ところで、裁判所もマスコミも出頭率という言葉を使わずに「出席率」など言葉の言い換えをしています。 裁判員法にははっきりと「出頭」という言葉が使われており、法に違反する表現です。国が義務として命じているわけですから「出頭」が正しい...
札幌地裁の裁判員制度の宣伝 参加して良かったが9割のカラクリ
- 2019/03/27
- 12:07

札幌地裁では、裁判員制度の10周年を迎えるにあたって、何とか出頭してね、というための宣伝をこの3月まで行っています。http://www.courts.go.jp/sapporo/about/l3/sapporo_saibanin10th.html このページも3月末をもって閉鎖されるのでしょうか。 裁判所のエレベーターのところにもこのような宣伝が貼り付けてあります。 札幌市営地下鉄にも広告を出しているそうですが、どこにあるのか探してね、とあります。予算がなくて、...
憲法改悪と刑事司法 -裁判員制度の現状を問う-
- 2019/02/28
- 11:12

裁判員制度が実施されてから10年がたとうとしています。そのため私たちは、この裁判員制度の現状を問うため足立昌勝さんをお招きして集会を行います。是非、ご参加ください。ブログランキングに登録しています。 クリックをお願いいたします。にほんブログ村人気ブログランキング...
青沼陽一郎氏の裁判員制度の批評こそ支離滅裂
- 2019/02/04
- 16:42

裁判員制度が始まって10年がたとうとしていますが、青沼陽一郎氏の裁判員制度批評があまりに支離滅裂です。「集中連載 10年で崩壊した!裁判員制度に「正義」はあるか/上 割れる「殺人事件」判決の支離滅裂」(サンデー毎日2019年2月3日) 青沼氏の主張は、結局のところ、1人1人殺しても死刑にならないのはおかしい、こんなひどい事例なのにということをメインに、裁判員制度の導入の理由が「そもそも裁判員制度は、オウム...
10年を迎える裁判員制度 「裁判員制度の施行状況等に関する検討会」
- 2019/01/30
- 00:51
裁判員制度が実施されたのが2009年5月21日ですが、あと5か月で満10年となります。 私自身は裁判員制度には反対であり、この10年近くがたつ中でその弊害が一層、顕著になったと評価しています。 政府(法務省)では、「裁判員制度の施行状況等に関する検討会」の第1回会合が1月16日に開催されました。「裁判員制度の施行状況等に関する検討会 第1回会合(平成31年1月16日)」 委員ですが、いつもの刑事法学者はいません...
裁判員出頭率 2018年6月末速報より
- 2018/09/04
- 15:23

裁判員裁判の出頭率ですが、遅くなりましたが、6月末の時点での速報が掲載されています。http://www.saibanin.courts.go.jp/vcms_lf/h30_6_saibaninsokuhou.pdf 2018年(6月末) 当局の公表する出頭率 67.0%(3月末63.6%) これは事前に辞退などで幅広く、出頭義務を免除し、実際に出頭を義務づけられた人を対象にした数字です。 辞退率 67.6%(3月末69.6%) 実際の出頭率 22.2%(3月末19.6%) これは無作為に抽出し...
取調べ映像の持つ危険性を無視! 裁判員に判断させよとは、裁判員裁判にそこまでのめり込めるのは何故?
- 2018/08/13
- 00:14

先般、東京高裁で出された判決は、その結論はともかく、取り調べ映像がもたらす印象によって有罪認定することに警笛を鳴らすものでした。「自白取調の映像の恐ろしさ 東京高裁で破棄 で、何故、有罪になるの?」 ところが、これに対して異を唱えている方がいます。渡辺修甲南大学法科大学院教授(刑事訴訟法)です。 北海道新聞2018年8月4日に渡辺先生のコメントが掲載されています。 取り調べの録音・録画(可視化)映像で...
自白取調の映像の恐ろしさ 東京高裁で破棄 で、何故、有罪になるの?
- 2018/08/11
- 18:31

2005年に栃木で起きた小学1年生の女児に対する殺人事件ですが、東京高裁の判決は、取調映像を偏重した一審の裁判員裁判の判決を違法として破棄しました。 しかし、その上で状況証拠から有罪を認定できるとして、原審と同じ無期懲役の判決を下しています。 一審の裁判員裁判における取調映像の利用は本当にひどいものでした。「自白偏重によるえん罪の危険がより強まった一部可視化。宇都宮地裁の裁判員裁判の無期懲役の判決に...
裁判員辞退率66% 2017年の統計が今、報道されている 3月末の速報では69.6%に上昇している
- 2018/05/23
- 22:52

2017年の裁判員裁判での辞退率が66%、これが先日、報じられています。「辞退率66%...過去最高 裁判員制度9年」(FNN2018年5月22日)「最高裁によると、裁判員候補者は、有権者から無作為に選ばれ、2017年の1年間で、8万4,176人に呼び出し状が送られたが、辞退した人の割合は66%にのぼり、過去最高となった。」 しかし、先日もこの話題については書きましたが、何故、今のこの時期に報道になるのかよくわかりません。「史上...
史上最長約200日の「裁判員裁判」 裁判員裁判の問題が凝縮 2月末の速報で出頭率18.9%
- 2018/05/07
- 11:33

最長期間となる裁判員裁判が始まりました。207日だそうです。 この裁判員裁判の問題点については、弁護士ドットコムに掲載されました。https://www.bengo4.com/c_1009/n_7840/ 是非、ご覧ください。 裁判員裁判自体は、既に惰性だけで運用され、超低空飛行が続いています。 最高裁長官はこのようにコメントしています。「裁判員裁判について最高裁長官「より国民の理解へ」」(テレビ朝日2018年5月3日)「最高裁判所・大谷直...
裁判員制度の破綻が見えた 裁判員制度を前提にした適正な判断は不可能
- 2018/02/17
- 19:48

話は古くなりますが、京都で起きた青酸カリを使った殺人事件で審理では、被告となった女性が支離滅裂な発言が続き認知症が強く疑われる中で、判断能力に問題に対する再鑑定申請も却下して死刑判決が下されました(京都地裁2017年11月7日)。 心神喪失ということになれば刑事裁判手続は打ち切られなければならないのですが、この点は全く曖昧なままに死刑判決に至っています。 これが適正な手続を無視したものであれば重大な問...
大谷直人最高裁長官 裁判員制度の審理に問題あり まずはさっさと検証してください
- 2018/01/12
- 10:02

第19代最高裁長官に就任した大谷直人氏ですが、裁判員制度への思い入れは強いそうです。「大谷直人さん=第19代最高裁長官に就任した」(毎日新聞2018年1月12日)「司法制度改革が動き出した2002年以降、最高裁で刑事局長や人事局長など司法行政の中枢を担ってきた。」 典型的な司法官僚です。 裁判員制度については審理内容に問題があったことを認めています。「最高裁長官就任 大谷氏「より信頼される裁判所に」」(...
大阪高裁の再審開始決定 わずか12年前の裁判への決定 思い込み捜査の怖さと自白の偏重
- 2017/12/28
- 23:07
2003年、滋賀県東近江市の湖東記念病院で男性患者(当時72歳)の人工呼吸器を外して死亡させたとして元看護助手の西山美香さんが殺人罪で懲役12年の有罪判決を受けましたが、2017年12月20日、大阪高裁で再審を認める決定がありました。 この大阪高裁の決定は自然死の可能性を否定できないという疑わしきは罰せずという刑事訴訟に忠実な決定と言えます。 最初から事件が存在していなかったにも関わらず、捜査機関による故意に人...
人を裁くことの難しさを学んでもらうのであれば裁判所はえん罪事件について自省を込めて語るべき
- 2017/12/28
- 02:53

裁判員裁判が始まってから日本各地で中学生や高校生、はたまた小学生が裁判官(裁判員)役になって模擬裁判が行われることが多くなりました。 弁護士会が主催することもありますが、多くは裁判所の主催です。「中学生が人を裁く難しさ学ぶ 岡山地裁で裁判員裁判の模擬体験」(山陽新聞2017年12月27日)「中学生に裁判員裁判を模擬体験してもらう「冬休みジュニア法廷」が27日、岡山市北区南方の岡山地裁で開かれ、岡山県内の...
菊地直子さん無罪が確定 時間が立証を阻んだのではない
- 2017/12/27
- 13:04

菊地直子さんに対する最高裁の判決が出ました。上告棄却で無罪が確定です。「オウム真理教 元信者の菊地直子さん 無罪確定へ 最高裁」(NHK2017年12月27日)「平成7年に起きたオウム真理教による東京都庁の郵便物爆破事件で殺人未遂のほう助の罪に問われた菊地直子元信者の裁判で、最高裁判所は、検察の上告を退ける決定を出し、2審の無罪判決が確定することになりました。」無罪は当然だ 当然の結果でしょう。「オウム真理教...
不貞の妻を殴るのはやむを得ないという弁護士の解説 女性差別感が満載ではないか 不倫暴行死裁判員裁判判決
- 2017/11/22
- 00:25

先般、当ブログでも紹介した不倫暴行死に対する執行猶予判決事件ですが、この判決はやはりどうにも解せない判決でした。「裁判員裁判の怪 不倫した妻を殴ることは理解できる?」 こちらでも転載して紹介して頂きました。「裁判員制度はいらないインコのウェブ大運動」 そこではこのようなご指摘も受けました。「どうも「女性差別の匂いがする判決」なんだよね。不倫も浮気も法律では「不貞行為」。夫(男)が他の女と情を通じ...
裁判員裁判の怪 不倫した妻を殴ることは理解できる?
- 2017/11/15
- 09:44

裁判員裁判では時折、疑問符の付くような判決が出てくることがありますが、これもその1つではないでしょうか。「不倫に激高、妻を死亡させた夫に判決」(MBSニュース2017年11月13日)「13日の判決で大阪地裁は「抵抗しなかった被害者に対し、暴行を繰り返したことは厳しい非難を免れない」とした一方で、「被告人が激しい怒りを覚えたのは理解ができ、重大な傷害を負わせる意図はなかった」として、本間被告に対し懲役3年執行...
なくせ!裁判員制度北海道の会で勉強会を開催します
- 2017/06/21
- 10:10
なくせ!裁判員制度北海道の会では、下記の要領で勉強会を行います。 是非、ご参加下さい。テーマ 共謀罪の法的問題点と最高裁判所の行方場所 クリスチャンセンター(札幌市北区北7条西6丁目)日時 7月7日(金)午後6時15分参加費 300円ブログランキングに登録しています。 クリックをお願いいたします。にほんブログ村人気ブログランキング...
裁判員「辞退」に歯止めを掛ける手段はない 原点は失敗を認めること 北海道新聞の社説の問題点
- 2017/05/25
- 12:37

裁判員に対する国民の忌避感が年々、増加しており、当初、考えてられていたような広く国民が「参加」して司法に関わるということについては、全く実現の可能性すらなくなりました。「裁判員候補者辞退の理由が不景気だから? 岐路に立つ裁判員制度の原因分析はもっと現実を直視しよう」 もともと国民の理解(信頼)を得るためという目的自体が胡散臭いものです。 信頼を得るためであれば、司法権として行政府や立法府に対して...
裁判員の辞退が増加しているのは審理日数が長いから? その2
- 2017/05/21
- 11:18

裁判員への辞退率が上がっているということについての続編です。「裁判員候補者辞退の理由が不景気だから? 岐路に立つ裁判員制度の原因分析はもっと現実を直視しよう」 NHKは雇用情勢の変化が影響かという見出しでしたが、他の新聞は審理日数を問題にしているものが多いようです。「裁判員制度 制度施行8年 裁判員、増え続ける辞退 長期審理敬遠か」(毎日新聞2017年5月21日)「裁判員の辞退者増「審理長期化が影響」 制...
裁判員候補者辞退の理由が不景気だから? 岐路に立つ裁判員制度の原因分析はもっと現実を直視しよう
- 2017/05/21
- 09:52

裁判員候補者の辞退率、不出頭率は年々、増加傾向にあり、2017年3月末の速報値では、次のようになっており、1月末の速報値よりもさらに悪化しています。 1月末の速報値「裁判員候補者の出頭率が低下の一途 2016年度は23.7%」 2016年度で比較するならば 出頭率 23.7% → 20.33% 事前に出頭義務を免除された以外の候補者の出頭率 64.8% → 59.0% 辞退が認められた辞退率 64.7% → 66.6% 2017年3月速報値http://ww...
未だに裁判員の判断を重視せよというマスコミ報道 雨宮敬博准教授の見解は誤り
- 2017/04/30
- 03:18

交際女性を殺害し、遺体を切断した事件で、宮崎地裁(裁判員裁判)は、無期懲役の判決(求刑25年)を下しました。しかし、福岡高裁宮崎支部は、無期懲役の判決を破棄、懲役25年の判決を言い渡しました(2017年4月27日)。 無期懲役は明らかに重い判決ですが、高裁が重すぎるとして破棄したのは、むしろ当然の結果といえるでしょう。 これに対する批判的な記事がこれです。「遺体切断 判例重視に当惑 関係者「裁判員制度いら...
犯罪被害者、遺族や代理人弁護士が「裁判員の判断」を強調する意味
- 2017/03/18
- 13:21
先般、大阪高裁では、裁判員裁判の死刑判決を破棄し、無期懲役とした判決が立て続けに2件ありました。「裁判員裁判の死刑判決が高裁で破棄される 守られるべきは先例ではなく基準 勝手に作られる裁判員制度の意味」 遺族やその代理人弁護士にとって死刑判決が破棄されることに対して、感情的に受け入れられないのは、理解できなくもありません(代理人弁護士が感情論に陥っているのは、法曹としてはどうかと思います。)。 ...
裁判員候補者の出頭率が低下の一途 2016年度は23.7%
- 2017/03/15
- 01:27

最高裁のホームページに裁判員制度に関する2017年1月末の速報が掲載されています。 そこに掲載されている裁判員候補者の出頭率が前年度に比べてもさらに低下しています。 その数字は何と23.7%です。前年度の24.5%からさらに下がりました。 2017年1月末の速報値は、さらに低下し、20.9%です。 この時期は数値としては低くなるようですが、それにしても20.9%とは5人に1人しか出頭しないという状況です。http://www.saibanin...
裁判員裁判の死刑判決が高裁で破棄される 守られるべきは先例ではなく基準 勝手に作られる裁判員制度の意味
- 2017/03/13
- 08:35
先般、裁判員裁判が下した死刑判決が2件、高裁で破棄されました。「ミナミ2人刺殺 二審は無期判決 裁判員裁判の死刑破棄」(東京新聞2017年3月9日)「大阪の繁華街・ミナミで2012年、通行人2人を無差別に刺殺したとして殺人と銃刀法違反の罪に問われた無職I被告(41)の控訴審判決で、大阪高裁は9日、裁判員裁判で審理された一審大阪地裁の死刑判決を破棄、無期懲役を言い渡した。 中川博之裁判長は被告の完全責任能力を...
「憲法と裁判員制度を考える」 集会を開催しました
- 2016/11/06
- 02:38
北海道裁判員制度を考える会では11月5日、日体大の清水雅彦先生をお招きし、集会を開催しました。 雪まじりの雨という悪天候の中、30名もの人たちに集まって頂きました。 ありがとうございました。 清水先生には、「憲法改悪の動向と緊急事態条項など自民党改憲案の問題点」と題して講演して頂きました。 自民党憲法改正草案を元に、本来の意味で憲法の意義から遡っての解説であり、憲法は国家を縛るためのものであるという...
11・5講演会 憲法裁判員制度を考える
- 2016/09/21
- 14:38

北海道裁判員制度を考える会主催で「11・5講演会 憲法裁判員制度を考える」を開催します。日 時 11月5日(土)午後1時30分(厳守)~4時30分 会 場 札幌市北区の北区民センターの講義室(地下鉄南北線「北24条下車」徒歩7分)資料代 1000円 (学生500円) 是非、ご参加ください。ブログランキングに登録しています。 クリックをお願いいたします。にほんブログ村人気ブログランキングへ...
裁判員に対する声掛け事件 マスコミ、刑事法学者が裁判員制度に賛成する論拠が破綻したことを意味する
- 2016/09/17
- 23:34

裁判員に対する声掛けを行った工藤会組員が起訴され、その裁判が始まりました。 罪状認否では、1人は否認し、1人は認めています。 裁判員に対する声掛けは、基本的には接触自体が禁止されています。裁判員法73条 何人も、被告事件に関し、当該被告事件の裁判員又は補充裁判員に接触してはならない。2 何人も、裁判員又は補充裁判員が職務上知り得た秘密を知る目的で、裁判員又は補充裁判員の職にあった者に接触してはな...
国政モニターからの裁判員制度に対する疑問 疑問に正面から答えない法務省
- 2016/08/30
- 11:09

国政モニターの方からの裁判員制度の疑問とそれに対する法務省の回答です。 裁判員制度について(回答:法務省)平成28年8月29日掲載 法務省の回答は、見事にお役所回答です。 これが回答の根幹部分です。「約7年にわたる裁判員制度の運用により、広く国民が裁判の過程に参加し、その感覚が裁判内容に反映されることによって、司法への国民の理解や支持が深まり、司法がより強固な国民的基盤を得ることになるという制度に期待...