東電幹部に対する強制起訴 検察審査会の問題点 原発を止めるのは私たちの運動こそ重要なこと
- 2016/03/05
- 23:20
東京電力の幹部に対し、福島における原発事故の刑事責任を問う裁判が始まりました。 検察が不起訴処分にしたことに対して、検察審査会が二度に渡って起訴相当という決議をした結果、強制起訴となったものです。 検察審査会制度は戦後、創設されましたが、それが強制起訴制度になったのは裁判員制度の導入と同時期です(2009年5月21日)。 さて、今回の強制起訴に対しては国民の中にも大きな期待があるようです。 今回、問題...
検察審査会制度を問い直す 織田信夫先生論考
- 2016/01/19
- 11:52
昨今、検察審査会制度における強制起訴制度にも大きなほころびが露呈するようになりました。 あいつぐ無罪判決です。起訴するかどうかに「民意」など非常におかしなものなのです。 仙台弁護士会の織田信夫先生より、『検察審査会制度を問い直す -新たな検察監視・不服審査機関創設の提言-』(法政理論第46巻第3号(2014年4月)をお送り頂きました。ありがとうございました。 検察審査会制度ができた経緯、そもそもの憲法上...
強制起訴による相次ぐ無罪判決 検察審査会制度(強制起訴)は裁判員制度とならぶ愚衆制度
- 2014/03/28
- 13:18
準強姦罪で起訴された被告に対し、鹿児島地裁は2014年3月27日無罪判決を出しました。この事件は検察審査会の議決による強制起訴されたものです。 被告人の行為は被告人の主張を前提としたとしても、被告人の行為は社会的には当然に非難されるべきものですが、とはいえ準強姦罪となるかどうかでいえば、それは「疑わしきは罰せず」の大原則どおりの判決でなければなりません。有罪立証の合理生に疑いがあれば無罪は当然の帰結な...
検察審査会と指定弁護士
- 2010/10/11
- 23:39
検察審査会において、強制起訴の決議が4件となりました。このような強制起訴が議決された場合、検察官ではなく、裁判所が指定した弁護士が代わって公判を担うことになります。 さて、この「指定弁護士」の苦労話が語られることがあります。 検察、警察が協力してくれない。 捜査費が思うようにならない。 費用(報酬)が少ない。 検察官の判断が起訴猶予事案であり、それを起訴すべきだというのであれば、本来、有罪証拠が...
強制起訴 大出良知氏の暴論
- 2010/10/09
- 10:29
朝日新聞2010年10月9日付耕論「強制起訴」の中で、3氏が論じています。 佐藤喜博氏(弁護士) 大出良知氏(東洋経済大現代法学部長) 立花隆氏(評論家・ジャーナリスト) この中で大出良知氏は、次のように述べています。『「推定有罪」の現状覆す好機』と題して(朝日新聞の記者がつけたものかもしれませんが。以下、要旨)、 民主主義国家における刑事裁判は、国民の負託をうけた裁判官や国民から選ばれた裁判員が公開...
民主党小沢元幹事長、強制起訴へ
- 2010/10/05
- 17:58
検察審査会が小沢民主党元幹事長の起訴決議をし、強制起訴になりました。 この決議については、マスコミや各党の論調は、「市民目線」を強調する傾向があります。 しかし、どこが「市民目線」なのでしょうか。たかだかクジで選ばれたにすぎない人たちの判断が全国民の意思であるかのように主張するのは、すり替えも甚だしいというべきでしょう。 しかも、有罪か無罪かは、もともと証拠の有無で判断するのではなく、「市民目線...
検察審査会の問題
- 2010/07/23
- 19:31
産経新聞2010年7月22日配信記事によると、検察審査会は、その議決にあたって、横峰良郎参議院議員の行為にも言及したそうです。 横峰議員は、告訴、告発の対象にもなっていないにもかかわらず、関与に言及したというのですから、検察審査会の職責とは相容れず、越境も過ぎると言わざるを得ません。 もっとも、産経新聞は、その議決について、「国民から”断罪”された形」と述べていますが、元々、検察審査会などは、クジで選ば...
検察審査会不起訴不当事件で無罪確定
- 2010/05/07
- 11:51
検察審査会不起訴不当事件で起訴した事件で無罪が確定したそうです。 (産経ニュース2010年5月6日配信) 地検のコメントは、「判決を検討した結果、原判決を覆す証拠がないため控訴しない」そうですが、元々、地検は有罪の証拠はないから嫌疑不十分として不起訴にしたわけですから、当然の結末です。 しかし、本当にそれでよいのでしょうか。検察審査会という法の審査でないような感情論(市民感情?)で起訴し、無罪になった...
検察審査会の恐ろしさ
- 2010/04/29
- 18:01
小沢一郎民主党幹事長に対する政治資金規制法違反の件について検察庁は不起訴処分(嫌疑不十分)としましたが、検察審査会は、起訴相当決議をしました。 この全文が紹介されていました。こちら。 非常にお粗末な内容です。決議要旨とはいえ、これだけの分量で済む話でしょうか。理由というよりは結論しか記載されていないのと同じです。 しかも、その理由たるや疑わしいという推論の域を出ないもので、何故、これで認定しうる...