司法試験合格者数1450人 いよいよ1500人を割り込む 増員政策の転換こそ求められている
- 2021/01/20
- 22:55

本日、司法試験合格発表がありました。 1450人「令和2年司法試験の合格発表について」(法務省) 合格率は39.2%でほぼ4割です。合格率は上昇の一途です。 2017(H29)年 25.9%(合格者1543/受験者5967) 2018(H30)年 29.1%(合格者1525/受験者5238) 2019(R01)年 33.6%(合格者1502/受験者4466) 受験者数の大幅な減少(3703人)により1500人を合格させるとなると40.5%となり、4割を超えることになっていました。...
弁護士による人権活動は大手事務所が取って代わる? 大量増員による弁護士資格のビジネス化
- 2020/09/20
- 00:10

これまで弁護士たちは、数々の人権活動を行ってきました。私もそうした先人たちが築き上げた成果をもとに活動しています。 裁判所もまだまだ保守的な中で手弁当で活動されてきた先人たちは尊敬してきました。 こんな私からみると、このツイート(匿名弁護士)には違和感がありました。弁護団を組んで社会的に有意義な判例を無償で獲得していく時代から、新興系が正規の値段をとって事務所内で弁護団を組んで有意義な判例を獲得...
司法試験合格者の水準 再び受験者の平均点を下回る合格者が出るようになった
- 2019/09/30
- 11:29
今年の司法試験合格者数は1502人、受験者数が減少の一途のため、合格率は上がる一方です。 当然のことながら合格水準は下がります。一定の水準に達したから合格させたというのではなく、上から1500人を合格させているからです。 以前も同様に上から何名を合格させるという方法がとられていましたが、以前と今般の状況の違いは受験者数が格段に違うということです。 司法試験は資格試験であると同時にそれだけで資格を得られる...
司法試験の希望者が激減している理由を知っていますか? と言う磯山友幸氏は何にも知らないんですね。
- 2018/09/20
- 12:36
経済ジャーナリストの磯山友幸氏の論考です。「司法試験の希望者が激減している理由を知っていますか? 既得権益層から不満噴出の結果がコレ」 読んで驚いたのが、経済ジャーナリストという割には、何の取材もないまま表層的な情報を集めて書いただけじゃないのかなというもので、悲しいくらい支離滅裂な論調です。「ところが、法曹人口が増えたことで、弁護士業界から批判が噴出。「合格者が増えて質が低下した」「資格を取っ...
2018年度司法試験の合否の判定は厳正に行われるべき、弁護士会の会長声明一覧
- 2018/08/03
- 22:22

2018年度の司法試験は終了し、今や採点が行われいています。そして合否の判定会議となるわけですが、これまで司法試験は人数を増加させることが最優先されてきました。要は、合格者数を確保するために合格水準を下げてきたのではないかという問題があります。 今年は、昨年に比べても268人も受験者が減少しています。合格者数は増やそうというのに受験者が減少しているのです。 2018年8月9日時点 弁護士会からは厳...
会員による弁護士人口と法曹養成に関するアンケート依頼
- 2017/09/26
- 12:28
日弁連内の有志による「弁護士人口と法曹養成に関するアンケートがFAXされてきました。主体は、法曹人口問題全国会議です。 アンケートに(再)となっていますが、前回、同じアンケートが送られてきており、あまり回答が集まらなかったのか再度の依頼です。 私は回答していません。 内容としては、所得がどうなっているのか、弁護士人口についてどのように考えるのか、司法試験合格者数はどのくらいが適当か、法科大学院制度...
司法試験合格者数が1543人 これでは合格者数ありき 法曹制度が危機的
- 2017/09/12
- 19:33
今年の司法試験の合格発表がありました。 1543人の合格者数となりましたが、昨年度より40人、減っただけです。 受験者数は、昨年度の6899人から5967人と大幅に減少しているにも関わらず、今年の合格者数が40人減に止まったことは、明らかに司法試験の選抜機能を無視した結果と言えます。 そのため、合格率は、昨年度の22.9%から25.8%と大幅にアップしました。 政府の法曹養成制度改革推進会議は、2015年6月30日、法曹人口の...
専門職養成の現状と将来を考えるシンポジウム(仙台弁護士会)
- 2017/05/21
- 00:06
5月20日に仙台弁護士会主催で、「専門職養成の現状と将来を考えるシンポジウム」が開催されましたので、参加してきました。http://senben.org/archives/6825 非常に素晴らしいシンポジウムでした。 それぞれの抱えている共通の課題や法曹養成独自の課題などが浮き彫りになりました。特に質の維持は極めて大きな課題となっています。いずれも大量増員を原因としています。 国会議員(自民党、公明党、民進党)からのメッセージ...
法曹人口問題全国会議の世話人を降りました。
- 2016/06/13
- 10:30
法曹人口問題全国会議は、2011年6月5日に発足した団体で、法曹人口問題に取り組む全国の弁護士が集まってできたものです。 ホームページ 私も当初から関わっていました。ということもあり、「世話人」ということにもなっていました。 もっとも、組織としては総会があるわけではなく、従って選出されたという者でもありませんので、「世話人」たる地位が何か意味があるわけではありません。 先般、この世話人を降りてくれとい...
鈴木一派の決議案と日弁連執行部の決議案の違いはあるの? 違うという説明は歪曲にしか聞こえない
- 2016/02/02
- 15:11
日弁連では3月11日に臨時総会が開催されます。 さて、その決議案ですが、招集請求者たちの決議案と日弁連執行部の決議案がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。 招集請求者案は次のとおりです。決議の趣旨1 司法試験の年間合格者数を直ちに1500人、可及的速やかに1000人以下にすることを求める。2 予備試験について、受験制限や合格者数制限など一切の制限をしないよう求める。3 司法修習生に対す...
鈴木秀幸氏の珍論 自民党議員は司法試験合格者数1,000人以下で同意している、妨害しているのは日弁連執行部!?
- 2016/02/01
- 13:39
鈴木秀幸氏らが中心となって日弁連に対し、臨時総会招集請求を行っています。 司法試験合格者数1,000人以下を決議せよ、というものですが、これまで当ブログで述べてきたとおり、極めて無責任な請求行為であり、その決議案の内容も弁護士会が出すには極めて恥ずかしい限りのものです。「司法試験合格者数の減員運動を分裂、妨害することだけを目的とした鈴木秀幸氏を批判する」 その鈴木氏の口から、この決議案が仮に可決され...
司法試験合格者数の減員運動を分裂、妨害することだけを目的とした鈴木秀幸氏を批判する
- 2016/01/22
- 10:58

せっかくですので、本年1月5日付で札幌弁護士会の会員宛に配布したものをここに掲載しておきます。 「当会」は札幌弁護士会を指します。 司法試験合格者数の減員運動が功を奏しなかったとすれば、このような分裂と妨害を繰り返してきた鈴木秀幸氏の罪は大きいといわなければなりません。 他方で、鈴木秀幸氏の分裂を目的とし、わがままな行動を周囲が黙認してきたことがこのような事態を招いたことを肝に銘じておく必要があ...
法曹養成制度に関する都道府県議会意見書
- 2015/11/26
- 22:07
法曹養成制度の抜本的な改善を求める決議が以下の都道府県議会で採択されています。 私たちは、この問題が司法制度の根幹に関わる問題として訴え、その理解を求めていくことが大切だと思っています。北海道議会 2013年7月5日適正な法曹人口のための法曹養成制度の抜本的な見直しを求める意見書(意見案第6号)宮城県議会 2014年7月3日司法試験合格者数の減員と裁判官及び検察官の適正な配置を求める意見書群馬県議会 2013年...
司法書士試験合格者数はさらに減少していく 司法試験とは逆の方向へ
- 2015/10/04
- 13:40
今年の司法書士試験合格者数はどうなるのか。弁護士も司法書士も過剰供給が明らかな中での政策的判断が注目されます。 今年9月30日、司法書士筆記試験の合格発表がありました。 今年の合格者数は706人、その後、口述試験を経て最終合格者が発表になります。 昨年度の筆記試験合格者数は764人、最終合格は759人でした。 筆記試験だけをみれば、58人の減少です。率にして7.6%です。 司法書士も2001年から始まった司法「改革」...
今年の司法試験合格者数は1850人 昨年よりも40人増 先の取りまとめは何だったのか
- 2015/09/08
- 17:59
本日、今年の司法試験の合格者が発表されました。1850人です。 司法試験考査委員の青柳幸一明治大学法科大学院教授の司法試験問題漏洩事件は個別の事件とされ、合格発表自体は予定どおり行われました。 しかし、1850人とは驚きました。 先の法曹養成制度顧問会議での取りまとめでは、現状では質を維持しようとすれば1500人にまで下がってしまう、何としても1500人は死守するんだという決意表明でした。「全く...
司法試験合格者増が招いた結果 「安定」を望む動機は末期症状
- 2015/08/13
- 11:17
この記事を読んで、なるほどと考えさせられました。「残念なアンケート結果 」(企業法務戦士の雑感) 企業内弁護士に対するアンケート結果の分析なのですが、そして、その結果といえば、「社内弁護士が現在の勤務先を選んだ理由は『ワークライフバランスを確保したかったから』が最多で52.9%だった」(日本経済新聞2015年8月3日付朝刊・第15面、強調筆者)ということで、やはり・・・と、ため息しか出てこない。というもので...
弁護士間の対立? 法曹人口問題であたかも弁護士会の中が分裂しているかのように描き出す朝日新聞
- 2015/08/05
- 23:24
法曹人口問題では、政府の法曹養成制度改革推進会議は、「法曹養成制度改革の更なる推進について」を本年6月30日に決定しました。 ここでは、法曹人口問題、つまり司法試験の年間合格者数について、少なくとも1500人は確保しなければならない、それ以上に増加させることを目標としています。 しかし、この決定は、どこをどう読んでも、現状の法曹養成制度の危機的状況をどうにしかしようという危機意識がまるで感じられないも...
弁護士激増論者多田猛弁護士の言い分、こんなことをしていたら法曹資格は確実に「廃止」される
- 2015/06/22
- 00:27
司法試験年間合格者数の激増政策は、法曹資格者の激増ですが、実際に激増するのは弁護士のみです。 裁判官、検察官は、採用という形をとるので、必然的に採用する側がその人数も決定できます。というより予算の都合があるから、最初から採用できる人数の上限は決まっているわけです。 そうなると必然的に弁護士人口のみが激増することになります。 その結果、法曹の質の低下や法曹志望者の激減という形で弊害が露骨に表れてし...
全く逆の見方 司法試験合格者数の政府目標は1500人? いえいえ1500人にまで減少させるな!
- 2015/05/22
- 23:06
先日、法曹養成制度顧問会議に司法試験合格者数の政府案が提示されました。 その文章自体、非常にわかりにくいものであり、どのように理解したらよいのか、非常に苦しむものです。 先日の私の感想です。「法曹人口の在り方についての検討結果 法科大学院制度を守るためだけの数合わせ?」 マスコミの報道の仕方は、「政府目標1500人」という書き方が多く、このような書き方をされると、1500人にどうやったら質を落とさずに近...
法曹人口の在り方についての検討結果 法科大学院制度を守るためだけの数合わせ?
- 2015/05/22
- 00:22
本日、法曹人口の在り方検討結果について政府案が示されました。 文書はこちら(PDF) それにしても意味が分かりづらい文章です。 要約してみると、①この間、1800人ないし2100人の年間司法試験合格者を輩出してきたが、その多くが社会の中で法的需要に対応した活動の場を得ている。②他方で、法的需要は、社会的・経済的な外的諸事情によって流動的な要素もある。③法曹志望者が減少している。 という元では、司法試験の合...
弁護士は老後の蓄えが大切 ハッピーリタイアってどうやるの?
- 2015/03/24
- 09:32
産経新聞の記事が弁護士業界の中で話題を呼んでいます。「「交通事故減少」「若者貧乏化」が弁護士を干上がらせる? 弁護士懲戒「過去最悪」の背景」(産経2015年3月19日) この記事の出だしは弁護士の激増と反比例するかのような事件数の減少という複合的要因によって弁護士の懲戒処分も過去最悪となったというものです。 本来、弁護士であろうとなかろうと預り金に手をつけること自体は犯罪ですが、特に弁護士は、その職業...
司法試験合格者が減少 さらに減少させなければ法曹制度そのものが崩壊する
- 2014/09/10
- 09:38
先日、司法試験合格発表がありましたが、合格者数は1810人、昨年に比べて239名の減少であり、ようやく目に見える形での減少となりました。 昨年8月に3000人を目標とする閣議決定が撤回され、2012年の総務省政策評価では2000人でも既に弊害が出ていると指摘されていながら、ようやく、しかも少しだけ動き出したという状況です。 合格率は、過去最低の22.6%となり、いよいよ法科大学院過程を修了したとしても一部の法科大学院を...
司法審路線は訴訟社会を目指したのか 弁護士激増を目標とした意味
- 2014/08/19
- 12:30
この問題は、お二人のブログ記事を読んで興味をひきました。「弁護士「事件化」社会の危うさ」(元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記)「いつの間にか国民が求めたことにされている現実」(Schulze BLOG) 河野さんがご指摘されるように「小さなことでも」事件化され、訴訟という流れは、昨今、顕著ではないかと思います。 テレビCMもそのような事件漁り的なものもあるようですし、弁護士のホームページ広告にも誘引して...
札幌弁護士会「司法修習のあり方についての提言」
- 2014/04/26
- 07:53
少々、古くなりましたが(掲載が遅くなったという意味です)、札幌弁護士会では、「司法修習のあり方についての提言」をまとめました。 現在、司法試験合格者数が2000人強で維持され、しかし、他方で司法修習を終了して法曹資格を取得しても、まともに法曹としての研鑽を積むことができない状態となっています。 裁判所の事件数が減少の一途を辿っている中で、弁護士だけが急増しているのですから当たり前の結果です。 この点...
政府に対する15単位会による共同の申し入れ 日弁連内に共同の行動が拡がる
- 2014/03/20
- 07:19
3月19日付で、15単位会による共同の申し入れが実現しました。 司法試験の年間合格者数については、既に弁護士人口激増による弊害が明らかであり、総務省による政策評価(2012年4月)も出されていることから、直ちに大幅な減員を求めるものです。 昨年12月2日付の共同申し入れでは10単位会が参加しましたが、今回は5単位会も増えました。「10単位会連名による司法試験合格者数の大幅減少を求める申し入れ」 札幌弁護士会のホー...
村越進次期日弁連会長にとって大事なのは法科大学院、朝日新聞の異様な論評
- 2014/02/08
- 08:38
昨日の投票で次期日弁連会長が村越進氏が日弁連の次期会長に決まりました。 記者会見した村越進氏ですが、「村越氏は「喫緊の課題である法曹養成制度改革に取り組む」と語った」(朝日新聞2014年2月8日) 弁護士人口問題は喫緊の課題ではないそうです。記者会見の中では司法試験合格者数を減らしていくとも述べていますが、法曹養成制度とは比重が全く違います。 何と言っても村越進氏にとっては法曹養成制度こそが喫緊の課題...
弁護士の不祥事 事後救済の依頼は弁護士へ?
- 2013/12/25
- 09:42
少々、話は古くなりますが、2013年12月10日付産経新聞で、「兵庫の弁護士が預かり金横領 顧客の苦情13件、計数千万円か」という記事が掲載されました。(コメント欄に寄せて頂いたので、改めて取り上げたいと思います。) この事件で誰もが驚いたのが35歳という若い弁護士で、被害額が数千万円にもなる可能性があるということです。 これまでの横領事件といえば、どちらかといえば年輩の弁護士層が多かったといえます。 こ...
弁護士の不祥事 横領事件の「多発」をどのように見るか
- 2013/12/24
- 11:02
最近では、弁護士の不祥事も珍しくなくなった感があります。 特に目につくのは預かり金の横領です。弁護士の場合、後見人や管財人として他人の財産を預かったり管理する場合がありますが、それが結構な資産だったりすることから被害額も大きくなるという傾向があります。 もともと裁判所が弁護士を後見人や管財人に選任するのは、その職務の専門性は当然の前提として弁護士であれば、かかる横領などの不正は行わないという信頼...
10単位会連名による司法試験合格者数の大幅減少を求める申し入れ
- 2013/12/05
- 09:29
現在、内閣(閣僚会議)の元に設置された法曹養成制度改革推進会議で法曹人口、司法試験合格者数の検討がなされています。 法曹養成制度改革推進会議の「前身」である法曹養成検討会議では、2013年6月に司法審が目標とした司法試験合格者数3000人の撤回を取りまとめ、他方で現状の2000人からの減員については先送りするという不徹底な取りまとめをしました。 この取りまとめを受け、2013年7月の閣議決定で3000人の目標は撤回し...
札幌市議会で司法試験合格者数の減少を求める意見書を採択
- 2013/12/03
- 08:14
札幌市議会では、2013年11月28日、「司法試験合格者数の段階的減少と裁判官・検察官の適正な増員を図ることを求める意見書」(市議会ホームページのPDF)が採択されました。 既に誰の目から見ても過剰になった弁護士人口ですから、減員していくことが当然のことです。 もっとも司法試験合格者数を減少させていったとしても当面は増加し続けます。合格者数を500名にまで減少させれば別ですが(それでも相当期間、減少はしま...
交通事故慰謝料協会って何だろう 弁護士人口激増がもたらしたもの
- 2013/11/11
- 12:33
2013年11月8日付で当事務所にファックスが交通事故慰謝料協会を名乗るところから送られてきました。 あたかも公的機関のような名称ですが、どうも違うようです。 ホームページ 名称自体がいかにも胡散臭いというところでしょうか。 そして、法律事務所に対して、広告を載せませんかというものなのですが、その勧誘文句がすごいです。「当ウェブサイトがこれら(他のポータルサイトのこと)と違う点は、「成約につながるキー...
司法試験合格者数が2000人を超えたことについて
- 2013/09/12
- 13:14
今年の司法試験合格発表が9月10日にありました。 合格者数は2049名と今年も2000名を超えました。極めて問題のある合格者数です。 法科大学院制度擁護のためだけの司法試験合格数の維持は極めて問題です。 あの法科大学院制度を擁護する立場の日弁連ですらも今回の司法試験合格数については「平成25年司法試験最終合格発表に関する会長談話」の中で「急増ペースに沿うものであり極めて遺憾」としました。 先般7月16日には法...
『誰が法曹業界をダメにしたのか もう一度、司法改革を考える』その4(終わり)
- 2013/09/02
- 09:51
『誰が法曹業界をダメにしたのか もう一度、司法改革を考える』その3からの続きです。「弁護士を広く行きわたらせることが急務」(48ページ)「日本は「企業内弁護士が1000人もいない」のは、丸腰で戦争しているようなものである。」 企業が雇用したければ雇用すれば済む話です。 しかも、急ごしらえのように弁護士を増やしたとしても戦力にはほど遠いでしょう。「弁護士のどこかダメか」(55ページ以下) この章の特徴は、い...
『誰が法曹業界をダメにしたのか もう一度、司法改革を考える』その3
- 2013/09/02
- 09:47
『誰が法曹業界をダメにしたのか もう一度、司法改革を考える』その2からの続きです。「業界間の人材争奪戦」(39ページ) 法曹として求められる人材の最大公約数は「頭がよくて、常識もあり、人柄もよく、正義感のある人」だそうそうですが、そのような人材は、どんな業界からも引っ張りだこだそうです。 「正義感のある人」を企業が本気で求めているとは思いませんが(むしろ、組織に順応し、組織のためであれば自己を投げ出...
『誰が法曹業界をダメにしたのか もう一度、司法改革を考える』その2
- 2013/09/02
- 09:42
前回の「『誰が法曹業界をダメにしたのか もう一度、司法改革を考える』その1」の続きです。「職業選択の自由」(35ページ) 岡田氏の論調の特徴は、職業選択の自由という範ちゅうで捉えているという点です。 その背景には、「学力低下なんて問題ではない」(42ページ)という思想があります。 この点の主張は、弁護士人口激増推進派たちの主張より堂々としています。弁護士人口激増推進派たちは決まって法科大学院修了した...
『誰が法曹業界をダメにしたのか もう一度、司法改革を考える』その1
- 2013/09/02
- 09:39
先般、『誰が法曹業界をダメにしたのか もう一度、司法改革を考える』(中公新書、2013年8月10日、岡田和樹+斎藤浩著)が出ましたので、早速、読みました。 岡田和樹先生については、私の過去のブログでも意見を述べています。「ザ・ロイヤーズ2010年12月号」 その後は当ブログに対し、先生からコメントを頂き(実名のコメントです。)、私としても法曹人口問題について色々と考えました。 さて、今回の著作ですが、もちろ...
未だに現実を見ない日経新聞 その動機は?
- 2013/08/01
- 09:39
日経新聞が司法試験合格者数について「司法試験合格者削減の意味」(2013年7月26日)と題する記事を掲載しています。 その内容たるは全てに渡ってひどい内容であり、この短文の中に凝縮されており、明らかな矛盾も露呈しています。未だ日経新聞上層部は現実を見ないどころか、とにかく弁護士人口激増政策を止めるな! というものです。 何故、ここまでして日経新聞は、弁護士人口激増政策に拘るのでしょうか。 まずは内容に...
北海道議会議決 司法試験合格者数の減員を求める
- 2013/07/31
- 09:32
少々、古くなりますが、北海道議会では、2013年7月4日、下記の意見書を採択しました。「意見案第6号 適正な法曹人口のための法曹養成制度の抜本的な見直しを求める意見書」 そこでは、結論として、「今後、あるべき法曹人口を検討するに当たり、「司法制度改革推進計画」が予定していた裁判官及び検察官の増員を行い、裁判官の非常駐支部の解消を確実に図るとともに、当面の間、司法試験合格者数を相当程度減らした上、法的需...
法曹需要と消費者被害 朝日新聞のお決まりのワンパターン
- 2013/07/05
- 15:15
朝日新聞が法曹養成制度に関する社説を掲載しています。 「法科大学院-「多様な法曹」のために」(2013年7月2日付) これに対しては、既に多くの方々が批判的にコメントを掲載されています。「法科大学院―「多様な法曹」のために(7月2日付 朝日新聞社説)」(Schulze BLOG)「「多様性確保」失敗のとらえ方」(元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記)「壊れかけの朝日社説」(一聴了解) それぞれの方々が的確に批判され...