いよいよ出口の見えなくなった法科大学院制度
- 2016/05/21
- 01:33
今年の法科大学院の実入学者数が1,857人にまで激減し、いよいよ崩壊間近となった法科大学院制度です。 軒並み定員割れですが、何よりも東京の私立を中心に水増し合格をかなり増やしています。ライバル校による受験者の取り合い(併願も多いことでしょう)という事情はあったとしてもなりふり構わぬ「合格者数」となっています。これでは入学試験の選抜機能を果たせなくなります。 制度の廃止という選択肢以外あるのでしょう...
法科大学院離れが一層、加速する 明らかな制度崩壊を認めない人たち
- 2016/05/12
- 09:08
昨日、文科省では法科大学院特別委員会が開催され、今年度の法科大学院の実入学者数が公表されました。 1,857人と2,000人を割り込み、過去最低を更新しています。 昨年度の司法試験合格者数が1,850人ですから、その人数に迫る減少です。 他方で司法試験受験者数も過去最低を更新しています。 6,899人(速報値)と昨年の8,016人に比べて大幅に減少しています。 司法試験受験回数制限が5年3回から5年5回に緩和された以上、受...
法科大学院制度における適性試験の廃止へ 適性試験の役割を終えたことの結果であって志望者を減らしたことの要因ではない
- 2016/05/09
- 00:35
文科省は、法科大学院を受験する際に必須とされていた適性試験を任意化することを決めました。 制度としては必須のものとしない以上、適性試験の廃止となります。「法科大学院「適性」廃止へ…受験者減少で容認」(読売新聞2016年5月8日)「法科大学院の志願者減少に歯止めをかけるため、文部科学省の中央教育審議会・作業部会は、受験者の第一関門になっている共通テスト「適性試験」を各校が任意で利用する方式に転換する方針...
法科大学院生の置かれた状況 確かに悲惨ではあるが
- 2015/12/26
- 01:46

この2つのブログを読み比べ、法科大学院生の置かれている状況、そしてこれがどうあるべきかについて考えてみました。「若手弁護士残酷物語」(武本夕香子弁護士のブログ)「弁護士が訴えていることは,社会的には「どうでもいいこと」だった?」(黒猫のつぶやき) 若手弁護士というタイトルにはなっていますが、法科大学院生の置かれた状況など、愛知県弁護士会の司法改革シンポで報告された事例が紹介されています。 一言で...
司法試験は暗記だそうです 佐藤大和氏の「ずるい暗記術―――偏差値30から司法試験に一発合格できた勉強法」
- 2015/12/07
- 13:41
司法試験が暗記で合格できる、と聞いたらどう思いますか。 この著書『ずるい暗記術―――偏差値30から司法試験に一発合格できた勉強法』はよくある自慢話であり、こういう本に触発されるとろくなことはないのですが、問題は、新司法試験がどのような状態にあるのかということです。「2ヶ月の勉強で法科大学院に合格!マルチ弁護士の「最強暗記術」」 その昔、旧司法試験時代になりますが、暗記したものをそのまま答案に書いている...
法科大学院の定員削減 それが2500人ですか… 早く廃止しないと司法が崩壊する
- 2015/11/25
- 22:15

文科省の諮問機関「中央教育審議会」は法科大学院の定員削減を2500人とすることにしたそうです。「法科大学院の定員を大幅減へ 文科省、2500人程度に」(朝日新聞2015年11月24日) 現状の定員が募集停止校の分を除くと2724人で、これから比べればさらなる削減ということになります。 しかし、実際の今年度の法科大学院の入学者数は2201人(定員3169人)であり、まだ定員の方が上回っている状態です。しかも競争倍率が2倍...
場当たり的な対応になってきた司法試験 現職の法科大学院関係者を外すという問題ではない
- 2015/10/12
- 15:40
現職の明治大学法科大学院の教授が、司法試験考査委員として関わった司法試験問題を教え子に漏洩する、このような前代未聞の事件によって、司法試験制度が揺れています。 このような事件の再発防止はどのようにすべきなのか、ということがこの事件に対する批評として出されました。 いつもの役所のお決まりコメントであれば、「再発防止のための教育を徹底する」と言っておけば十分にお茶を濁すことはできるのですが、今回は考...
司法試験問題の漏洩の再発防止 大学教員を考査委員から外すことが本当に可能?
- 2015/09/11
- 09:32
司法試験問題の漏洩は司法試験に対する信頼、法曹に対する信頼を根底から崩しかねないものとして衝撃を与えました。 今後の問題は、言わずと知れた再発防止策です。 このようなことが起きたのは、法科大学院制度そのもの原因があります。「明治大学法科大学院の教授が司法試験の問題を漏洩 この不祥事は法科大学院制度を終わらせる」 司法試験と直結した法科大学院制度を作り、その法科大学院では少人数、双方向授業というこ...
司法試験 増える法科大学院枠 法科大学院の「理念」ではなく「利権」を守ろう!
- 2015/09/09
- 08:54
今年の司法試験の合格者数は、質の問題が指摘されながらも、さらに昨年度を40人も上回るという異常な状況となりました。「今年の司法試験合格者数は1850人 昨年よりも40人増 先の取りまとめは何だったのか」 合格者数を増加させれば、質の問題は避けられないのですが、何故、今年は増加することになったのでしょうか。 私は、法科大学院経由の受験者の一定数を合格させるということを優先させたからではないかと推測し...
明治大学法科大学院の教授が司法試験の問題を漏洩 この不祥事は法科大学院制度を終わらせる
- 2015/09/08
- 00:25
司法試験の合格発表を9月8日に控え、NHKで非常に衝撃的なことが報じられました。「司法試験の問題内容 教え子に漏らした疑い」(NHK2015年9月7日)「明治大学法科大学院の60代の男性教授は、ことし5月に行われた司法試験で試験問題の作成などを担当する「考査委員」を務めていましたが、試験前、教え子の20代の女性に試験問題の内容を漏らした疑い」 これが何故、露見することになったのか、その20代の女性だけで止ま...
法科大学院制度によって「かけがえのない人生を生きる人々の喜びや悲しみに対して深く共感しうる豊かな人間性」を作り出せる?
- 2015/08/19
- 13:16
先般、慶応大学法科大学院の学生による極めて陰湿な傷害事件が引き起こされました。 この事件については、すでにネット上で被害者(弁護士)、加害者についても情報が飛び交っており、その飛び交っている情報の真偽については本題からは外れますので、このブログでは関知しません。 私が一番、問題にしたいのは法科大学院制度の目的とは一体、何だったのかという点です。 この事件で破廉恥な事件を起こしたのが法科大学院生、...
法科大学院は、制度崩壊の責任を他人に押し付けてはならない
- 2015/07/05
- 21:50

朝日新聞が全国の法科大学院に対してアンケート調査を行いました。「8法科大学院、定員減を視野 朝日新聞社調査」(2015年7月3日) 興味をひくのは以下の2つの回答の部分です。 1つめは、政府が進めてきた施策についての部分。 大いに問題があった 26校 ある程度は問題があった 20校全体の81%が問題あったとしたことです。 法科大学院側、当時は大学ですが、制度設計の段階では反対する声は聞かれませんでした。...
法科大学院制度 適性試験の崩壊により制度が瓦解する
- 2015/07/05
- 18:55
法科大学院制度は、既に破綻し、法曹養成制度としてはもはや機能不全に陥っているにも関わらず、これを廃止することができず、未だにその延命が測られようとしています。 法科大学院に入学するにあたっては受験することが必須とされてきた適性試験について、既修者コースの場合には、これを免除する案が文科省から浮上しています。 既修者コースにおいては、一定の法学の素養があることが入試によって試されるわけですから、適...
北海学園大学法科大学院の宣伝ビラ やはり批判されて当然だ
- 2015/06/27
- 02:55

「北海学園ロー「20年後の部長より、数年後の弁護士のほうが手堅い気がしてきた。」」(Schulze BLOG) これをみて、札幌在住の私としても、やはりコメントを書くべきだなと思いました。 地元だからこそです。 Schulzeさんが問題にされたのは、この画像です。 確かに問題です。「20年後の部長より、数年後の弁護士のほうが手堅い気がしてきた。」 何を根拠にこのようなことを言うのでしょうか。無責任にもほどがあります。 ...
法科大学院制度を維持するためには法科大学院の入口で入学者を絞らないと。そんなことできるのですか。
- 2015/06/25
- 09:41

現在、法曹養成制度を巡って政府内で検討(もどき)が行われていますが、第20回法曹養成制度改革顧問会議での議論がおもしろいです。「第20回 法曹養成制度改革顧問会議(平成27年5月21日開催)」 司法試験合格者の質をどのようにして維持していくべきなのか、司法試験の合格率を上げるということになれば、当然、一定数は必ず合格させるということになりますから、必ず質は落ちます。要は司法試験が質の担保ができない...
旧司法試験に敵意を示す人たち 法科大学院制度の被害者たち
- 2015/06/19
- 16:18
私が以前、エントリーした「司法書士、行政書士に存在意義があるのか」 に対して、次のようなコメントが同一人物から投稿されました。傲慢な勘違いをしておられるようですが、難易度は完全に現在の司法試験>>>あなたでも合格できる旧司法試験ですよ。身の程をわきまえろや、自称法律家!そして、あなた程度の頭では現行の司法試験には絶対に受かりません。旧司法試験の欠点を結晶化させたのが猪野亨であるといえる。 旧試に...
悪意に満ちた朝日新聞の論説委員 未だに過去の誤りを認めない弁護士人口激増政策
- 2015/06/18
- 02:25
朝日新聞は、「法科大学院 特性生かす教育の場に」という社説を出しました。「(社説)法科大学院 特性生かす教育の場に」(朝日新聞2015年6月17日) この社説は、相変わらず悪意に満ちあふれています。ここまで弁護士を敵扱いする動機はどこにあるのでしょうか。 今時の司法「改革」は、明らかに失敗しました。 法的需要があるということで司法試験合格者数を年間3,000人にまで増加させるんだという馬鹿げた計画の下、法科...
旧司法試験はここまで平等だった 法科大学院制度と比較してみましょう!
- 2015/05/09
- 20:56
先般、「滝井繁男元最高裁判事による法科大学院生にむけた戦陣訓」をエントリーしましたが、その中で触れられていた東京地裁の判決(平成15年(行ウ)第396号 平成16年9月29日判決)ですが、その中で、論文式試験等の成績を開示しない理由として、国側の主張はとても参考になるので紹介しておきます。(被告(国)の主張)(一) 論文式試験について(1) 論文式試験の合格者に対して総合順位を開示した場合には、...
滝井繁男元最高裁判事による法科大学院生にむけた戦陣訓
- 2015/05/09
- 13:16
元最高裁判事の滝井繁男さんが今年2月に他界されましたが、今年4月には関西大法科大学院で、法科大学院生を相手に講演を予定されていたそうです。 先般、朝日新聞にその講演の原稿全文が掲載されました。「「司法の役割、期待されている」 滝井繁男さん遺稿全文」(朝日2015年5月7日) 原稿自体は、極めて格調が高く、この論調自体には私は足下にも及ばないものです。 しかし、内容はというと悲壮感漂う法科大学院学徒に向...
法科大学院の利権って何だろう?
- 2015/05/01
- 09:46
法科大学院制度は、現在、崩壊の瀬戸際まで来ました。本来であれば崩壊していておかしくないのですが、文科省や法科大学院側が法科大学院制度廃止に頑として抵抗し、御用審議会(法曹養成検討顧問会議)でもって、延命を図ろうとしています。 私たち法科大学院制度を批判する勢力は、利権にまみれたというように批判するわけです。 この坂本正幸先生のツイッターをみて、改めて利権って何だろうと考えました。法科大学院の利権...
法科大学院制度は露骨に淘汰される 日弁連執行部にとっても適正配置はあり得ない
- 2015/03/29
- 23:27

最高裁と法務省は2015年度から、24の法科大学院に対して教員を派遣しないことを決めました。 その中には、未だ募集停止を決めていない法科大学院もあります。 北海学園大(北海道)、専修大(東京)、金沢大(石川)、中京大(愛知)、南山大(愛知)、近畿大(大阪)、福岡大(福岡) この中で一番、影響が大きいのは金沢大学です。その他の地域は、他に法科大学院があるからです。 以前、私はこのような法科大学院生き残り...
予備試験出願者の減少 法曹志望者離れが司法制度を瓦解させる
- 2015/02/27
- 09:37

今年の司法試験予備試験の出願者数が前年度よりも79人減少し、初の減少に転じました。 これまで法科大学院志望者数は、減少の一途を辿っていましたが、反面、「バイパス」ルートとされた予備試験の受験者数は増加していました。 平成23年 8,971人 平成24年 9,118人 平成25年 11,255人 平成26年 12,622人 平成27年 12,543人 今後も減少の一途なのかどうかはわかりませんが、頭打ちになったことは確かでしょう...
法科大学院制度はいよいよ自己矛盾を露呈した 地方での存続は無理なこと
- 2015/01/18
- 03:07
文科省は、実績のない法科大学院に対する補助金を削減しました。しかも、その実績の程度に応じての削減です。昨年度までの補助金を大きいところでは50%もの削減をするのです。当然のことながらここまで補助金が削減されてしまっては法科大学院として生き残れることはありません。 50%削減された法科大学院は当然として、そこまでいかないまでも大幅に減額された法科大学院も、言ってみれば実績がないということで補助金が削減...
未だにこのような持ち上げ方をする? 法科大学院制度の悲哀
- 2014/12/24
- 18:40
新任検事に辞令が下りたというニュースが配信されていました。「新任検事:「初心忘れず」74人に辞令 女性は29人」(毎日2014年12月23日) 全体の司法修習終了の数が1973人ですが、その中で検事となった者はわずか74人ということですので、相も変わらず弁護士か就職未定者ばかりが増えていくという状況です。 それはさておき、毎日新聞の新任検事の紹介が異様です。辞令交付式後に取材に応じた平山陽子さん(29)...
法科大学院制度につける薬はない
- 2014/12/22
- 10:35

法科大学院がまた1つ募集停止を決めました。愛知学院大学ですが、もともと同大学院への志望者は少なく、文科省からは廃校指定校の扱いを受けていましたから、募集停止になったとしても誰からも驚きの声が出ることはありません。 むしろ、黒猫さんのいうような税金泥棒と言った指摘の方が正しいと思います。「愛知学院大学法科大学院,募集停止を公表」(黒猫のつぶやき) 法曹養成制度改革顧問会議での議事録を読みました。ht...
自分の頭で考えることを教わるのが法科大学院? 今まで自分の頭で考えたことがなかったのだろうか。
- 2014/12/02
- 12:34
北海道新聞2014年12月1日付夕刊に「法科大学院 魅力アピール」という記事がありました。 何を今さら法科大学院に魅力なんかあるわけがないでしょ、という根源的な問題はさておき、そこで語られていることに仰天させられます。「丸山治北海学園大学教授が「暗記ではなく、自分で考える力を付けることが大切。インプットとアウトプットを繰り返すことで知識は定着する」と述べた。」 驚きです。今まで司法試験予備校がやってき...
法科大学院制度 補助金の削減 適正配置の崩壊
- 2014/09/26
- 09:48

今年度の司法試験の合格発表がありましたが、法科大学院別の明暗は、はっきりと分かれました。 今回、一番重要なのは、文科省が補助金の削減を実施することです。 最低評価を受けた法科大学院は、補助金が50%、翌年は100%の削減され、もはや独自の存続の道はなくなりました。 この対象となった法科大学院は、その地域には別の法科大学院がありますから、適正配置という観点からは問題はありません。 問題は、補助金の...
未だに法科大学院の「理念」を口にするマスコミたち 法科大学院に「理念」などそもそも存在しない
- 2014/09/16
- 09:27
今年の司法試験合格者数は、昨年度よりも239人減少し、しかも予備試験経由の受験者の合格者数も120人から163人へと43人が増加したため、昨年度に比べても法科大学院経由の合格者は、1929人から1647人と282人も減少したことになります。 このような状況の中では、ますます法科大学院志望者が激減することは間違いありません。もう危殆に瀕した状態、末期を迎えているのです。 本来であれば、このような法...
ロースクールと法曹の未来を創る会 法科大学院制度の破綻語っているようなもの
- 2014/06/20
- 09:50

先般、「ロースクールと法曹の未来を創る会」が立ち上げられたそうですが、私自身は、この話題に乗り遅れていました。遅くなりましたが、一言述べておきます。 今、この時期に法科大学院制度を守るために立ち上げられたということは、法科大学院制度を維持したいという勢力にとって、現状に相当な危機感を持っているということでしょう。 この会は正式名称に「ロースクール」という横文字を用いているのですが、何故なのでしょ...
地方の法科大学院を守れ? 静岡と島根の法科大学院の存在意義
- 2014/06/13
- 17:08

先日、日弁連全会員に対し、地方の法科大学院を守れ、特に静岡と島根の法科大学院の広域連合を支援せよという訴えです。要望の趣旨1 存続のため改善努力を続けている地方法科大学院を廃校に追い込むことなく存続させるための施策を講ずることを求めます。 2 静岡大学法科大学院及び島根大学法科大学院が地方広域連合法科大学院構想による連合法科大学院を設立できるよう支援策を講ずることを求めます。 島根大学法科大学院...
香川大学法科大学院の募集停止 全国適正配置の「理念」は実現不可能に
- 2014/05/20
- 12:52

香川大学法科大学院の募集停止が公表されました。「四国ロースクール廃止へ 合格率伸びず入学者減」(愛媛新聞2014年05月20日) これで四国地方からは法科大学院がなくなることになります。 香川大学法科大学院への入学者数(3名)からしても募集停止は時間の問題でした。 それ以外にも入学者数、補助金の削減などで早晩、行き詰まるのではないかと思われるのが次の法科大学院です。 白鴎大学(栃木県) 静岡大学 神奈川...
経済同友会の提言 予備試験の廃止と法科大学院制度 その2
- 2014/05/13
- 13:06
前回に引き続き経済同友会の提言についてです。「経済同友会の提言 予備試験の廃止と法科大学院制度」 この提言の中で非常におもしろいのは、基本的人権という単語がところどころに用いられているのですが、それがどのような意味で使われているのかが全く不明な点です。 抜粋してみましょう。以下の2カ所のみです。このような社会において、法治国家として基本的人権を守り、また、事前規制の緩和によって生ずるリスクを払拭...
経済同友会の提言 予備試験の廃止と法科大学院制度
- 2014/05/11
- 12:49
経済同友会が法曹養成制度に関する提言を出しました。「社会のニーズに質・量の両面から応える法曹の育成を」 この提言の特徴は以下のとおりです。①司法試験合格者を3000人に引き上げる②法科大学院を統廃合して法科大学院の修了者をほぼ司法試験に合格させる③予備試験は廃止④司法修習も将来的には廃止 司法審意見書(2001年6月)に出された内容をそのまま引き写したような内容です。 司法審が提起した司法試験年間合格者数3000...
法科大学院に対する共通到達度確認試験(仮称)の導入について
- 2014/05/06
- 08:36
文科省は、法科大学院の合格率が低迷していることから、共通到達度試験(仮称)を導入することを決めたと報じられています。 「課題を把握して教育内容の改善に生かすほか、成績の悪い学生に、別の進路を検討してもらう際の資料にもしたい意向だ。早ければ本年度末から複数校で試行を始め、数年以内に本格導入する。 多くの法科大学院で学生の司法試験合格率が低迷していることを受け、進級させるかどうかを厳格に判定すること...
適正配置が破綻した法科大学院制度 制度の廃止しか選択肢はない
- 2014/04/28
- 09:44

この間、立て続けに各地の法科大学院が新たな募集停止を決めています。駿河台、明治学院、東海、大東文化(以上、東京都)大宮(埼玉県)関東学院(神奈川県)新潟(新潟県)信州(長野県)龍谷(京都府)大阪学院(大阪府)神戸学院、姫路獨協(以上、兵庫県)東北学院(宮城県)島根(島根県)久留米(福岡県)鹿児島(鹿児島県) 当然の結末ということですが、地方の大学はどこも苦戦し、結局、学生の募集停止を決めています...
若手弁護士による法科大学院制度に対する歪曲された主張
- 2014/04/08
- 10:37
今日、法曹養成制度の中核と言われた法科大学院制度の崩壊が間近に迫っているのは否定しえない状態となりました。 今年の実入学者数は2200人程度という予測もあるようです。昨年が2700人ですから500人の減少。毎年2000人を司法試験に合格させてきたわけで、このままの合格者数を維持すれば、入学者の減少によって合格率は7~8割を達成するという最低・最悪の状況となります。 いずれ志望者のさらなる減少によって「全員合格...
法科大学院制度の「プロセス」についての整理 このプロセス教育は失敗した
- 2014/03/17
- 09:04
法科大学院制度を脅かす存在に予備試験があります。 司法試験を受験するためには法科大学院課程を修了するか、予備試験に合格する必要がありますが、カネも時間もかかる上に非効率的な法科大学院を敬遠し、予備試験を志向する傾向が顕著になりました。「司法試験予備試験をどのように位置づけるのか 法科大学院を守るための予備試験制限は許されない」 このような傾向に対し、逆ギレするのが法科大学院制度を信奉する人たちで...
司法試験予備試験をどのように位置づけるのか 法科大学院を守るための予備試験制限は許されない
- 2014/03/17
- 08:30
現在、法曹養成制度改革推進会議では司法試験合格者数をどのようにすべきかということが問題になっています。 司法審意見書(2001年6月)が目標とした最低でも3000人以上という目標は、現実味がなく、昨年7月に閣議決定により撤回されました。 この間、2000人強で推移してきたのですが、質の確保という点でも弁護士の就職難などとも相まって、そもそも3000人などとというのは非現実的な数字でした。 この数字を撤回することは...
最高裁司法修習委員会の議論が迷走! 現行司法修習制度の破綻は明らかということ
- 2014/03/07
- 10:17
現在、司法修習は岐路に立たされています。 司法修習は、司法試験の年間合格者数の激増に伴い、それまで2年間(1998年以降は1年半、順次短縮された)で行ってきたものを1年で済ませようというのですから、無理が生じるのは当たり前です。「法科大学院は法曹養成制度の中核たりえない」 一番、大きな変更は、前期修習の廃止。今まで法的知識しかない司法修習生(法曹の卵)に対して座学で実務について教え、それから裁判所、検...