現代社会は、泣き寝入りを強いられているか。 中坊氏のいう「2割司法」は正しいか。
- 2010/05/30
- 08:06
今なお泣き寝入りを強いられている方は少なくないと思います。 残業手当にせよ、サービス残業の名の下に無給の残業が横行し、過労死という状況も生み出しました。 消費者被害も然り、悪徳業者は、莫大な利益を得ていても税金も払わない(確定申告しているとは思えないですよね、ヤミ金の兄ちゃんに確定申告しているのかと聞いたことがありますが、もちろん、してないと答えていました。)、真面目に税金を払っている人が損をす...
有罪か無罪か 弁護人の腕が悪ければ有罪も仕方ない?
- 2010/05/29
- 16:39
裁判所においては、有罪か無罪かを判定するところですが、その基本は、あくまで検察官が有罪であることを立証して初めて、有罪となるという点です。 ところが、裁判員裁判では、検察官と弁護人の主張のどちらが分かりやすいかという命題の立て方がなされることがよくありますが、明らかな誤りです。 刑事裁判は、どちらが分かりやすいかということではないからです。裁判員の中には、「中立的に判断した」とありますが、これ...
検察の求刑を上回る判決の是非
- 2010/05/28
- 08:28
2010年5月19日、裁判員裁判では、初となる検察の求刑を上回る判決がありました。(配信ニュース) 求刑は懲役7年でしたが、判決は懲役8年でした。 もちろん裁判員裁判となる前から求刑を上回る判決はありました。また求刑というのは刑事訴訟法上に規定があるものではなく、求刑を上回る判決を言い渡したとしても違法ではありません。 しかし、私は、求刑を超える判決に非常に違和感を感じます。 刑罰は、行政機関で決める...
裁判員制度が実施されて1年
- 2010/05/25
- 08:00
2010年5月25日付北海道新聞朝刊に、「裁判員制度が実施されて1年、見えてきた課題」の中で私のコメントが紹介されました。 そこでは、私は、「大幅な見直し」を求めているとありますが、本当は、「制度の凍結」です。記事の都合上でしょうか、「大幅な見直し」となっていました。(もっとも、例えば、①被告人に選択権を与える、②国民に出頭義務を課さない、という大幅な見直しであれば、私の見解とは大きく相違することはあり...
裁判員裁判から性犯罪を外すべきか
- 2010/05/24
- 09:52
2010年5月22日付で、「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」が裁判員裁判における性犯罪についての提言を発表したと報じられています。 その骨子は、①被害者に裁判員裁判か裁判官裁判官の選択権を認める、②選任手続きでは、被害経験のみでなく加害経験も聞くべき、③被害者の生活圏の候補者は自動的に除外すべき、④法廷に出される証拠についても被害者の意思で決める、⑤裁判員の研修、だそうです。 裁判員裁判における性犯罪の...
裁判員制度凍結(廃止)を求める行動
- 2010/05/21
- 16:39
裁判員制度が実施され、1年がたちました。 私たち北海道裁判員制度を考える会では、大通公園(西4丁目)で12時から30分ほど、道行く札幌市民に裁判員制度の凍結を訴えました。 テレビ局1社、新聞社の取材もありました。 さて、どの程度の報道があるでしょうか?ブログランキングに登録しています。 クリックをお願いいたします。にほんブログ村人気ブログランキングへ...
朝日新聞の裁判員に関する世論調査
- 2010/05/18
- 15:12
被告のその後知りたい、裁判員経験者6割 朝日新聞調査(2010年5月17日23時42分配信) 朝日新聞が元裁判員、補充裁判員にアンケートを取ったそうですが(朝日新聞が調査したものらしいです。)、表記の見出しになったわけですが、しかし、3594人中140人に送付されたもので、ほとんど実態を反映しない調査結果というものでしょう。 しかも、恐ろしいと感じたのは、次の一文です。 「同じ裁判で裁判員を務めた人たちがその後も...
週刊東洋経済5月22日号
- 2010/05/17
- 16:48
先日、東洋経済の方が取材に来られ、弁護士人口激増問題ということでしたので、取材に応じました。 週刊東洋経済5月22日号 掲載はされたのですが、写真は失敗です(撮影者の問題ではありません。)。 それはともかく、主題が「弁護士超活用法」ということは知りませんでした。 弁護士人口激増問題とは、ちょっと違うような…。いずれにせよ、私は、ここで紹介されているような財界には縁はありません。 とはいえ、まだ他の弁...
貸金業法 総量規制が始まる
- 2010/05/17
- 13:02
いよいよ来月6月から改正貸金業法施行となり、総量規制が始まるので、無収入の人は原則として借り入れができなくなります。仕事を持たない主婦も同様です。 ところで、この総量規制について、主婦が借りられなくなることを問題視するような記事もあります。 朝日新聞(2010年5月16日3時3分配信) 改正貸金業法、専業主婦は借り入れ困難 「無収入」理由 しかし、収入がなければ借りられないのは当然です。返えせる見込みが...
何故、辞退希望が多いのに、呼出人数を減らすのか
- 2010/05/14
- 20:57
2010年5月6日のNHKによると、裁判員候補者として呼び出す人数を減らすそうです。 これまでは、おおよそ80~100名を抽出し、事前に辞退が認められた分を除き、呼出状を送付しますが、この時点で60~80名になります。 その後、実際に呼出状を受けた中から、辞退の申し出があり、それが認められた以外の候補者に出頭義務があるということになります。 この時点では、40~50名になっています。このように実は半分...
司法書士の書類作成の実績について
- 2010/05/12
- 08:24
司法書士に認定制度が設けられたのは、それまでの司法書士の活動(書類作成)の実績が評価されたからだというご意見を頂きました。 そこで引用されている「自由と正義」や中央大学の住吉教授や元都立大学の江藤教授等の学者の研究ですが、残念ながら私の手元にはなく、直接、これらの文献は目にしていません。 もっとも、書類作成の実績から認定司法書士制度を勝ち取ったと言われても、やはり私にはピンと来ません。 むしろ、...
アメリカの実情
- 2010/05/10
- 12:38
第5回司法審議事録の中での藤倉皓一郎帝塚山大学法政策学部教授の説明からの抜粋です。順番は、テーマごとに私が並べ替えています。アメリカでも自由競争には成立しえないことがよくわかります。 全体は議事録を直接ご覧ください。■藤倉氏の発言 ●私のコメント 藤倉氏は、日本の弁護士はこれほどまでに保護されているものはない、大変に恵まれていると述べています。 そして、米国の実情を報告していますが、■「端的に申しま...
子ども手当に疑問
- 2010/05/09
- 14:11
今年から、子ども手当が支給されることになりました。民主党の公約であり、当初は、その半額でした。 しかし、来年度などについては財源問題から、満額支給するのか、現物支給にするのかなど迷走しています。 私は、このような子ども手当は問題が多く、止めるべきと思います。 理由は、以下のとおりです。①子どもに使われる保障が全くない。 親が浪費したりしないでしょうか。 現物給付こそ確実に子どもらに行き渡る方法で...
認定司法書士制度の役割
- 2010/05/08
- 21:46
先般、私がブログに司法書士制度、行政書士制度について記載したことから、いろいろなご意見、ご批判を頂きました。ありがとうございました。 それらのご意見・ご批判やあるいは質問なども含め、私になりに改めて整理してみました。●何故、認定司法書士制度ができたか、という問題について、司法書士の方をはじめとして、それまでの司法書士の果たしてきた役割、特に地方(弁護士過疎地)において果たしてきた役割が評価された...
某大学の准教授へ その2
- 2010/05/08
- 12:09
当方のブログに対するコメントが掲載されておりましたので、紹介しておきます。 別に知ってるよ、んなこたあ(2010年5月8日) 市民感覚ねえ(2010年5月8日) なお、末尾に私について、批判されても反論しない、という点について述べておられますが、当方とて、付されたコメントすべてに反論はしません。1つのの見解としてすべて「承認」して掲載を許可するというスタンスだからです。 もとより、批判コメントに対しては、当...
検察審査会不起訴不当事件で無罪確定
- 2010/05/07
- 11:51
検察審査会不起訴不当事件で起訴した事件で無罪が確定したそうです。 (産経ニュース2010年5月6日配信) 地検のコメントは、「判決を検討した結果、原判決を覆す証拠がないため控訴しない」そうですが、元々、地検は有罪の証拠はないから嫌疑不十分として不起訴にしたわけですから、当然の結末です。 しかし、本当にそれでよいのでしょうか。検察審査会という法の審査でないような感情論(市民感情?)で起訴し、無罪になった...
某大学の准教授の戯れ言
- 2010/05/05
- 10:12
「意外にまじめな裁判員制度合憲判決」と題するブログ記事を発見しました。 某大学の准教授(法学系)だそうです。 そこで記載されている内容は、「法学系」とは思えない稚拙なものです(ブログであることを差し引いてもです)。 「裁判員制度が違憲であると主張して、ヒマな争いをしていた人がいるみたいですね。」 全くこのような表現しかできないのでしょうか。言うに事欠いて「ヒマ」とは、恐れ入りました。 合憲の根拠...
竹崎長官、語るに落ちる
- 2010/05/04
- 10:12
最高裁長官竹崎博允氏のやり取りが朝日新聞に詳しく掲載されていました。 2010年5月3日配信 その中で有罪を認定できるかどうかの基準である「合理的な疑い」について、以下のように述べています。 「合理的な疑い」を的確に表現するのは、一般論として極めて困難。 (略) いい方法はあまりないが、自然科学の知識を最大限活用していく。捜査から判決に至るまでの仕組みの中に織り込んでいくことが必要だろう。裁判というの...
これまた「社会経験」か
- 2010/05/04
- 09:41
朝日新聞2010年5月2日配信記事に「検察審査会に理解を」という記事が掲載されています。 そこでは、和歌山検察審査協会会長片桐牧氏のコメントが紹介されているが、「司法に民意が反映される価値の高い精度。経験すれば人生の糧にもなる」「裁判を求める被害者の声を聞き、警察の調書を読むことができた。人の心の機微を知る得がたい経験だった」だそうです。 しかも、「国民の義務と考えて携わってほしい」と締めくくっていま...
定数削減は民主主義に逆行
- 2010/05/04
- 08:57
民主党が参議院の公約で参議院の定数40を削減を言い出しました。(読売新聞2010年5月2日配信) 地方自治体でもそうですが、マスコミには議員の定数削減(あるいは報酬削減)を推奨する節があります。 しかし、そんなに削減することがよいことでしょうか。代議員制を採る以上、そこでは民意は正確に反映されなければなりません。 民主主義には一定のコストがかかることは当然の前提であり、「無駄」という視点のみで議論する...
最高裁竹崎長官の身勝手
- 2010/05/03
- 20:57
最高裁竹崎博允長官は、憲法記念日の記者会見で、裁判員裁判について審理に入るまでの時間がかかりすぎている、だそうだ。(毎日新聞2010年5月2日配信) 誠にもって身勝手というほかありません。 裁判員裁判のための準備に時間が掛かることは、当然に予測できたことではないでしょうか。 公判期日を最小限にしてしまうため(裁判員の負担軽減だそうです。)、公判前整理手続きに時間がかかるのは当然であるし、裁判員裁判自体...
混乱を招いた規制緩和
- 2010/05/02
- 20:56
2010年5月1日付北海道新聞夕刊に「タクシー業界 混乱を招いた規制緩和」という記事が掲載されています。 消費者の利益と称してタクシーの台数制限を撤廃、新規参入の自由化をしたため、タクシー台数が増え、供給過剰になり、タクシー労働者の年収が約200万円と2001年に比べて100万円も下がったとあります。 このような状態がよいはずがありません。確かに、タクシー料金は一定下がりました。しかし、下がればよいというもので...
何故、司法書士、行政書士に関する見解を掲載したか
- 2010/05/02
- 20:23
私は、先週、ブログで「司法書士、行政書士に存在意義があるか。」という見解を掲載したところ、秘密コメントも含め、何故、他士業に関することを述べる必要があるのか、というご批判を頂きました。 確かに、いきなり「存在意義」という書き方をすれば、単に他士業を攻撃しているだけのものにしか見えなくなります。 その点では、私の掲載の仕方には問題があったことを反省しております。 私の真意は、今次の司法改革が規制緩...