朝日新聞 修習生に対する給費制を否定
- 2010/08/29
- 16:36
朝日新聞2010年8月29日付朝刊に「司法修習生 国民が納得できる支援を」と題する社説を掲載しました。 しかし、内容たるやさすが朝日、一連の司法改悪を推進してきただけのことはあります。 「国民が負担を受け入れるとすれば、法律家がそれに見合う働きを目に見える形でする場合ではないか。」とし、その例として、 ①弁護士が足りない地域で一定年限以上働き、住民の生活を支える ②国選弁護、法律扶助事件に取り組む など...
阿久根市議会と阿久根市長
- 2010/08/27
- 00:04
阿久根市長の市議会無視、専決処分の連発により、独裁的な行政を遂行していることが社会問題となっています。 一応、現在の阿久根市長が当選している以上は、市民の「信任」を経たということにはなるのでしょうが(もっとも、前回の市長選挙では、反市長派が分裂していたようですが。)、しかし、だからといって専決処分の連発が許されるはずもないでしょう。市議会も住民の意思(投票)によって選出されているのですから。 と...
弁護士の殿様商売をどのように克服するか
- 2010/08/24
- 08:49
無競争の中で弁護士の殿様商売が克服できるかという問題提起がありました。 殿様商売という場合、2つの側面があります。①態度が横柄である場合、②費用が高額という場合、です。 ところで、弁護士の場合、自営業者ですから、その性質上、全くの無競争ということはありません。もともと、どのような状態になろうとも一定の給料が保障されているわけではないからです。 従って、何の努力もしないで、営業が成り立ちうるというこ...
医療に競争が必要か その2
- 2010/08/21
- 19:47
医療に市場原理による競争原理は合わないと述べました。 以下のブログに分かりやすく記載されています。 弁護士のため息 バンパイア効果の恐怖 ぐり研ブログ 医学部新設にゴーサイン 私も、『市場原理が医療を亡ぼす』(李啓充著、医学書院2004年10月発行)という著作を読んでみました。 その中で、以下の事項が照会されています。 内閣府に設置された規制改革・民間開放推進会議(平成22年3月31日終了、議長宮内義...
日韓併合100年 菅首相の謝罪の是非
- 2010/08/17
- 07:57
菅首相は、日韓併合100年にあたる節目に「植民地支配」を謝罪し、閣議決定しました。 この首相談話に対しては、一体、いつまで謝罪を続けるのか、などという批判がされています。 しかし、このような批判は誤りです。 いつまでというより、今まで日本国内でこの問題についてけじめがつけられていないからこそ、この問題が再燃するのです。 小泉元首相がその在任期間中、靖国参拝を繰り返しました。ご承知のとおり、靖国神...
『司法書士の実務と理論』を読んで
- 2010/08/12
- 12:49
私は、かねてより司法書士問題を取り上げてきましたが、その中で、種々の文献のご提示を頂いていたところです。 まず差し当たって『司法書士の実務と理論』(日本評論社1991年発行 江藤价泰編)を読みました。 他の文献もありましたが、それらを総合して大論文を書くというものではないので、それぞれ読んだ限りで、私なりのコメントを付していきたいと思います。 同書は、序論の中で、司法書士の基本的性格について、「代書...
法科大学院の破綻 多様性の欺瞞
- 2010/08/11
- 11:33
法科大学院の「理念」に多様な人材からの育成ということがありました。 法学既習者ではなく、法学未習者をも対象として、多様な人材を確保するというものです(既習者コース2年、未習者コース3年)。 もっとも、この法学未習者とは純粋に未習者ということではなく、単に試験の内容で振り分けているだけです。 従って、法学部出身者もこの未習者コースに入学することも可能です。 (新)司法試験合格率の低迷、特に未習者コ...
裁判員を体験して見えてきたもの 世界7月号
- 2010/08/09
- 18:02
世界7月号(岩波書店)では、「裁判員を体験して見えてきたもの」と題して、渋谷友光氏(元裁判員)、伊藤秀行氏(市民の裁判員制度をめざす会共同代表世話人)、四宮啓氏(弁護士、國學院大学法科大学院教授)が対談をしています。 全体としてレベルの低い議論(裁判員制度の問題点には一切触れず、自分たちで幻想を語り合い、盛り上がっています。)だと思いますが、その中で特に気になった点を拾ってみました。 渋谷友光氏...
医師に競争が必要か。
- 2010/08/07
- 10:34
私は、弁護士人口の激増問題について論じる際、医師不足と医学部定員増の問題に触れてきました。 私にとっては、同じ性質があると思うからです。 ところで、医師の競争とは、2つの側面があります。能力による競争と市場原理による競争です。この競争は、基本的には対立する概念です。 市場原理主義者は、この競争がイコールになると考えているようなんですね。数を増やすことによって、良貨が悪貨を駆逐するのだそうです。 ...
弁護士の役割と経済的基盤
- 2010/08/04
- 09:44
弁護士は、弁護士法により、「基本的人権の擁護と社会正義の実現」がその使命とされています。 このような目的を掲げられているのは、もとより弁護士のみです。 これまで弁護士は在野法曹と言われてきました。対するのは在朝法曹である裁判官、検察官になります。 弁護士の使命は、もとより全弁護士に課せられた使命です。 そして弁護士会は、その拠点となります。 弁護士は、事件処理の中から、この基本的人権の擁護と社会...
裁判員経験談に違和感あり
- 2010/08/04
- 08:17
裁判員裁判第1号の元裁判員のコメントが報道されています(産経2010年8月2日)。 その方は、自分の住む地域で何ができるのかということを考え、その結果、毎朝の日課である犬の散歩の際に、自然とゴミ拾いを始めたといい、「それまでそうした行動を取る勇気はなかった。自己満足かもしれないが大きな変化。家族には『誰でもやっている』といわれたけれど」ということです。 確かに、この方は、真面目なんだと思います。しかし...
裁判員経験者ネットワーク 守秘義務解除?
- 2010/08/03
- 12:45
朝日新聞2010年8月2日配信記事(配信元時事通信)によると、「裁判員経験者ネットワーク」が創設されたそうです。 そこでは、「守秘義務の範囲が分からず、安心して感想を話せる場が欲しいという声があった」から設立されたようです(その次に関与した弁護士のコメントが掲載されていますが、つながりが今ひとつわかりません。)。 日本裁判官ネットワークのブログでも紹介されていましたが、そこでは、「裁判員には守秘義務が...
共同通信 裁判員に関するアンケート
- 2010/08/02
- 10:11
私は、北海道新聞2010年8月2日朝刊で上記記事を見ています。 その中には、裁判官による「誘導感じた」が21%となっていますが、それ以外の人は「誘導」を感じてないということになります。 もっとも、裁判官の「誘導」が上手だったのでしょう。そのような研修もやっているようにも聞きますから。 問題なのは、「誘導」が問題であるかのような論調です。 一人の回答が紹介されていますが、「裁判員6人が懲役30年と叫んで...