耳かき殺人 審理の疑問点
- 2010/10/30
- 22:20
この事件の審理経過を産経新聞の配信記事で読みました。(すべて印刷したら、かなりの厚さになりました。) 非常に詳しい記事であり、流れがよくわかります。もちろん、ここには出てない書証等もあるでしょうから、これがすべてではないかもしれません。 その中で、いくつかの疑問点が出てきました。 この事件は、犯罪事実については争いはなく、量刑が問題になる事件であり、具体的には死刑か相当か否かということになります...
法科大学院(ロースクール) どこまで真剣に議論した?
- 2010/10/29
- 20:25
司法制度改革審議会第14回議事録より(抜粋) 肩書きは当時のもの 平成12年3月2日の議事録ですが、このような議論から、何故、法科大学院が設置される結論が出されるのか、非常に疑問です。 私のコメントには、●をつけました。井上正仁委員(東京大学法学部教授)の報告 「(略)法曹養成のための十分な教育を行うためには,学部の課程だけでは不十分だということになりますと,その上に大学院の修士レベルの教育課程を...
寄せられるコメント
- 2010/10/27
- 21:21
早いもので、私がブログを始めてから1年がたちました。お読み頂いている方に感謝申し上げます。 また、参考になるご意見・ご批判、ご忠告、また有益な情報を頂いていることにも併せて感謝申し上げます。 さて、私のブログに対して寄せられるコメントについては、原則として、下記の取扱いにしてきました。「承認制です。誹謗中傷、公序に反するもの、営利目的、主題と明らかに無関係なものについては削除しますが、それ以外は...
札幌弁護士会会内配布
- 2010/10/27
- 10:06
本日、以下のビラを会員に配布しました。給費制維持ならず貸与制へ日弁連は敗北したのか?給費制維持を勝ち取れなかったのは何故か? 10月始めにも以下のビラを配布しました。法曹人口(司法試験合格者数)1000名決議を実現しましょう!ブログランキングに登録しています。 クリックをお願いいたします。にほんブログ村人気ブログランキングへ...
耳かき殺人 裁判員裁判で初の死刑求刑
- 2010/10/25
- 18:24
産経新聞2010年10月25日配信 検察官は、裁判員裁判では初となる死刑を求刑しました。 裁判員裁判で死刑の是非を判断するのは、極めて問題です(問題点については、改めて述べます。) どのような問題があるのか、北海道裁判制度を考える会では、集会を開催します。いまあらためて裁判員制度を問う 死刑と裁判員制度 と き 12月3日(金)18:30~ ところ エルプラザ大研修室 講 師 北村肇さん(週刊金曜...
貸与制移行が決定的になったのは?
- 2010/10/24
- 17:34
私の以前のブログ記事「給費制維持ならず貸与制へ 日弁連は敗北したのか」の記事にたいして、花水木法律事務所の小林正啓弁護士から、以下のように批評されましたので、私の見解を述べておきたいと思います。以下、引用(原文はこちら。)【「自民党の反対により、貸与制への移行が確定的になった」という意見がある。 これは事実認識を間違っていると思う。まず、民主党(党として一致していないとか政府と合意していないとか...
クレジット換金業者の脱税と消費税
- 2010/10/24
- 09:42
産経新聞2010年10月19日付配信 クレジット換金業者が脱税容疑で、東京国税局から告発されたそうです。 「平成20年分までの3年間で得た事業所得約1億3千万円を隠し、所得税約4千万円を免れたとされる。脱税した資金は主に遊興費に充てられ、特にキャバクラでは1カ月で200~300万円を使った時期もあったという。」 所得隠しといえば、それはそうですが、このような人たちは、元々確定申告自体をしているとは思えま...
耳かき殺人 被害者参加制度の弊害
- 2010/10/23
- 18:11
産経新聞2010年10月22日配信 この記事では、被害者遺族の話に裁判員が涙したとあります。 現在の刑事裁判では、被害者参加が認められる場合があります。被害者本人であったり、遺族であったりします。 刑事裁判に参加して「意見陳述」をしたり、場合によっては被告人への質問をしたりすることもあります。 このような被害者参加は、裁判員制度の実施の前から始まっていますが、一刻も早く廃止すべきものでしょう。 当然のこ...
給費制維持ならず貸与制へ 日弁連は敗北か?
- 2010/10/22
- 23:26
直接の原因は、自民党の反対により、司法修習生の給費制の維持は困難となり、貸与制への移行が確定的となりました。 この間、日弁連は、組織をあげての運動を展開し、与党民主党をも巻き込むまで、こぎ着けましたが、自民党の反対により「成果」までは至らなかったというものです。 この自民党の反対には、国民の理解が得られないとか優遇とかの意見があったようですが、その根本は無理解ですが、真意は、恐らく自民党が与党の...
秘密コメント
- 2010/10/20
- 08:45
※この問題については、ご本人よりご連絡があり、すべて解決しましたので、お知らせいたします。みなさまより、色々なご意見、ご批判を頂きましたことを、ここに改めて御礼申し上げます。 なお、「秘密」指定したことに他意はなく、単に誤って「秘密」としてしまっただけということでしたので、それのみご報告いたします。 いろいろと再考したりもしましたが、やはり公開することにしました。その後、便乗的なコメントが寄せられ...
何故、司法試験合格者数は年間1000名か
- 2010/10/17
- 15:50
私は、弁護士会(札幌弁護士会でも日弁連でも)では、司法試験合格者数は、年間1000名であるべきという意見書を採択し、その実現に向けて運動すべきであると考えています。 その数は、1500名でなく、1000名でなければなりません。 では、何故、1000名か。 簡単に言えば下記の事情によります。①既に弁護士が飽和状態にあること。 弁護士の場合、司法研修所を出たからといって、それだけで一人前というわけにはいかず、さらに...
給費制維持は改革に逆行 青山善充氏
- 2010/10/16
- 16:00
朝日新聞2010年10月15日付朝刊では、「修習生の給与 給費制維持は改革に逆行」として明治大法科大学院特任教授、法科大学院協会理事長青山善充氏の意見が掲載されています。 しかし、この意見は、あまりにひどい。 問題提起として、「給費制維持は、全体としての司法制度改革にとって賢明な選択といえるか。」とし、給費制の廃止は、司法試験合格者を3000名とすること、法科大学院の創設と一体として決まったものであり、厳し...
2000番で合格した弁護士
- 2010/10/14
- 08:22
私は、法曹人口(司法試験合格者数)は、年間1000名でよいと主張しています。 日弁連や各弁護士会も1000名に向けて意見表明し、それに向けて運動を展開すべきと考えています。 ところで、昨今、司法試験の合格者数が激増しており、その結果、当然のことながら、1000番以下で合格された弁護士(法曹)も多くいるわけですが、その弁護士にしてみると、合格者数が1000名では、その年度では合格し得なかったことに...
裁判員経験者の意見交換会
- 2010/10/13
- 08:13
裁判員経験者の意見交換会が東京地裁で開催されたそうです。 時事通信社2010年10月12日配信 産経新聞2010年10月12日配信 裁判所というお上が主催したにもかかわらず、裁判員経験者の参加は、わずか7名であり、この程度の集会であり、どうみてもほとんどの裁判員経験者からは相手にされていないとしか思えません。(そういえば、先月、行われた裁判員経験者ネットワーク(こちらは御用弁護士、学者などが主催)も、7名でした。...
国民的合意が得られるのか 修習生の給費制
- 2010/10/12
- 11:10
北海道新聞2010年10月11日付で、西依一憲記者の記事が掲載されています。 「国民的合意、得られるのか 貸与し返済の減免を」 そこで述べられていることは、あまりにお粗末というものです。 まず、今回、民主党の法務部門会議が給費制継続方針を固めたということに対し、民主党も賛成して決めておきながら、また再改正することが唐突であり、国民的合意が得られるのか疑問だとしています。 しかし、もともと給費制廃止に国民...
検察審査会と指定弁護士
- 2010/10/11
- 23:39
検察審査会において、強制起訴の決議が4件となりました。このような強制起訴が議決された場合、検察官ではなく、裁判所が指定した弁護士が代わって公判を担うことになります。 さて、この「指定弁護士」の苦労話が語られることがあります。 検察、警察が協力してくれない。 捜査費が思うようにならない。 費用(報酬)が少ない。 検察官の判断が起訴猶予事案であり、それを起訴すべきだというのであれば、本来、有罪証拠が...
強制起訴 大出良知氏の暴論
- 2010/10/09
- 10:29
朝日新聞2010年10月9日付耕論「強制起訴」の中で、3氏が論じています。 佐藤喜博氏(弁護士) 大出良知氏(東洋経済大現代法学部長) 立花隆氏(評論家・ジャーナリスト) この中で大出良知氏は、次のように述べています。『「推定有罪」の現状覆す好機』と題して(朝日新聞の記者がつけたものかもしれませんが。以下、要旨)、 民主主義国家における刑事裁判は、国民の負託をうけた裁判官や国民から選ばれた裁判員が公開...
「修習生の給料」渡辺雅昭朝日新聞論説委員
- 2010/10/09
- 00:15
朝日新聞2010年9月30日夕刊に、「修習生の給料」と題して、渡辺雅昭朝日新聞論説委員の記事が掲載されています。 そこに掲載された内容は、暴論そのものであり、朝日新聞の非常識さがより鮮明になりました。 先般、民主党が給費制の存続を言い出したことに対して、渡辺雅昭氏は、先の朝日新聞の社説を引き合いに出して、言いがかりをつけています。 過去のブログ 朝日新聞、修習生に対する給費制を否定 『2千人を超す修習...
収益1億円を稼ぎ出すホームページ
- 2010/10/08
- 23:33
本日、第一法規株式会社より、DMのFAXが送られてきました。 そこでは、何と「収益1億円を稼ぎ出すホームページ成功事例大公開!」だそうです。 講演者は、船井総合研究所(船井総研)の高山奨史氏でした。 船井総研の関係では、以前のブログでも紹介しました。 船井総研発:弁護士マーケティング特別レポート それにしても、ホームページで1億円ですか。 ホームページで1億円稼ぎ出せるなら、弁護士が3万人いたと...
民主党小沢元幹事長、強制起訴へ
- 2010/10/05
- 17:58
検察審査会が小沢民主党元幹事長の起訴決議をし、強制起訴になりました。 この決議については、マスコミや各党の論調は、「市民目線」を強調する傾向があります。 しかし、どこが「市民目線」なのでしょうか。たかだかクジで選ばれたにすぎない人たちの判断が全国民の意思であるかのように主張するのは、すり替えも甚だしいというべきでしょう。 しかも、有罪か無罪かは、もともと証拠の有無で判断するのではなく、「市民目線...
朝日新聞と鳥越俊太郎氏
- 2010/10/05
- 09:37
鳥越俊太郎氏の毎日新聞でのコラムに対し、朝日新聞が噛みつき、それに鳥越俊太郎氏が「反論」をしています。 毎日新聞2010年9月6日配信 朝日新聞社説2010年9月19日(但し、配信は終了) 毎日新聞2010年10月4日配信 なかなかおもしろいやり取りです。 朝日新聞の社説は、押尾学被告に対する裁判員裁判での判決をうけてものですが、そこでは、このように記載されています。「市民の力を信じる--。 ごく当たり前の話なのに...
河村たかし名古屋市長は何がしたい?
- 2010/10/05
- 07:35
河村市長は、住民税の恒久減税、市議会議員の報酬の半減などが公約だそうですが、それが議会で否決されたから、市議会解散のためのリコールになり、それが46万署名になったそうです。 しかし、減税なんていうのは、聞こえがいいだけで、何故、住民税の1割減なのか、という点の説明はあったようには思えません。 1割減という「定率」であれば、逆進性がさらに広がります。聞こえのよいパフォーマンスにしかみえず、他方で議...