法科大学院協会の意見書
- 2011/01/31
- 23:58
法科大学院協会は、総務省が実施している「法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書」に対する意見を発表しました。 本文 ここで述べられていることは、日弁連の意見書と同じく、総務省は、制度全体を見渡すことができないのだから、やってくれるなというものです。 こと法曹人口問題について、触れられているのがよほど、気に入らなかったものと思われます。その1「今後、速やかに、法曹養成制度の在り方につ...
小沢元幹事長とマスコミ
- 2011/01/30
- 15:14
小沢元幹事長が週明けにも強制起訴されると報道されています。 しかし、だから辞職や離党が必要なのでしょうか。 強制起訴されたからといって刑事裁判においては、無罪推定の原則があり、被告人といえども有罪が決まったわけではありません。 従って、強制起訴を契機に、辞職せよという結論自体は、何の根拠もない主張ということになります。 離党についていえば、所属政党である民主党の都合です。 少なくとも、世論が小沢...
札幌弁護士会公聴会
- 2011/01/30
- 00:32
2011年1月28日、札幌弁護士会の役員選挙に関する公聴会が開催されました。 もっとも、今年も定数ぴったりの立候補しかありませんでしたので、無投票当選が決まっています。 今年は、会長候補に対し、事前に質問通告を行いました。 主には、①法曹人口問題、②裁判員制度の問題、③インフォメーションセンターについてです。 他には、2名の会員からの質問がありました。 1名は、両性の平等委員会からの質問、もう1名は、私と同...
日弁連意見書の意味
- 2011/01/28
- 08:25
日弁連は、総務省が行っている「法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書」に対し、2011年1月25日、意見書を公表しました。 意見書全文 しかし、この意見書の内容は、非常にわかりにくい文章です。 結論としては、総務省は関与するなというもののようですが、その結論、それに至る理由について、検討してみましょう。その1 法曹養成制度については、法科大学院と司法試験だけではなく、その後のOJTの問題...
司法試験予備校の弊害?
- 2011/01/25
- 09:50
1999年に設置された司法制度改革審議会(司法審)において、旧司法試験から、ロースクール制度に「改革」せよ、と声高に叫ばれたとき、旧司法試験には、予備校依存という弊害が生じたという理由付けがされていました。 その内容は、①大学と予備校のダブルスクール化が常態となり、ともすれば大学での学部授業が軽視された。②予備校が用意する論点ごとの論証を丸暗記し、旧司法試験における解答が、どれも金太郎飴のようなものに...
何故、法曹人口(司法試験合格者数)は1000名なのか
- 2011/01/24
- 08:11
黒猫さんのブログで、私のブログが紹介されていました。 http://blog.goo.ne.jp/9605-sak/e/69b071fdbd172b21cea51b82d2d6570a その中で、減員派(激増反対派)が1000名に先鋭化しているというご意見がありましたので、その点について私なりの補足説明をしたいと思います。 私も現状においては1000名で十分と思います。 それでも、過去の議論では1500名という見解も有力でした。「憲法と人権の日弁連をめざす会」の代表であ...
少額事件が増加?
- 2011/01/23
- 19:50
コメント欄でご紹介頂いたものの中に、以下のような記事がありました。 東洋経済オンライン2011年1月14日付配信記事 「大手法律事務所が、アジア拡大を急ぐワケ」 その中では、 「リーマンショックの影響などで、足元の需要は縮小。企業のコスト意識が高まっていることもあり、「事務所全体で扱う件数はそれほど変わっていないが、一つの案件の規模は小さくなっている」(西村あさひの小杉晃執行パートナー)。」「しかもこ...
日弁連「企業内弁護士」 その2
- 2011/01/22
- 00:20
私は、2011年1月18日に掲載した『日弁連「企業内弁護士」』に対して、SchulzeBLOGさんからご意見を頂きました。 とても参考になりました。ありがとうございました。 そこで、SchulzeBLOGさんのご意見を元にさらに考えてみました。「「だからと言って中に弁護士がいることが企業にとって無駄なのか?」というあたりではないかと思われます。会社の中で弁護士が活動することのメリットや意義は、何らかの形で必ずやあるはずと思...
大卒内定率68.8%
- 2011/01/21
- 00:24
毎日新聞2010年1月19日配信 社説:大卒内定率68.8% 大寒波で春が見えない データが残る1996年以降、最低を更新したそうです。景気が悪いばかりではないように思います。 ところで、弁護士人口激増について、新人弁護士の就職難をその根拠に挙げると、決まって、就職が厳しいのは、新人弁護士(司法修習生)だけではない、という批判があります。 あるいは、日弁連内弁護士人口激増推進派からは、就職難は新人弁護士だ...
地球温暖化CO2主因説は誤りか その2
- 2011/01/20
- 17:29
北海道新聞2011年1月19日付で続編が掲載されていました。 それは、「異論な視点 それって本当ですか?」というテーマだったようで、それに対する意見などが紹介されています。 新聞では実名で記載されていますが、仮名にします(大学教授を除いて)。 江別市会社員(45) 「CO2主因説は時期尚早だと思う。CO2を抑制すればすべての異常気象が解決し、(排出権を)取引材料にまでしてしまう世の中の風潮にあきれている...
日弁連「企業内弁護士」
- 2011/01/18
- 00:29
日弁連弁護士業務改革委員会編『企業内弁護士』(商事法務2009年9月発行)を読みました。 同書では、「企業内弁護士」について、「フル・タイムで当該組織に勤務する弁護士」に限定しています。 企業内弁護士のイメージからは、その通りでしょう。 そして、企業内弁護士の必要性については、「弁護士に就職先がないから弁護士業務の拡大を図るという立場は取らない」としています。 確かに、当初、言われていたことは、企業...
地球温暖化CO2主因説は誤りか
- 2011/01/14
- 00:17
北海道新聞2011年1月12日付朝刊現代かわら版に東大技術研究所教授渡辺正氏の見解が掲載されています。 題して、「地球温暖化CO2主因説に疑問」 「薄い科学的根拠 既成事実化進む」だそうです。 地球温暖化には、様々な要因が考えられ、CO2はそのほんの一部の可能性があるに過ぎないという主張です。 実際に地球の温度が上昇しているのでは? という質問に対しても、 「そうではない。米アラバマ大などが、衛生で測っ...
弁護士の憂鬱
- 2011/01/10
- 15:27
週刊エコノミスト 臨時増刊号12/20号に「弁護士 会計士たちの憂鬱」という特集記事が掲載されています。 コメント欄に紹介があったので、買おうと思ったら、アマゾンでは、既にプレミアムがついていました(さらにプレミアムをつけて売れるかな?)。 特集記事の執筆者は以下のとおり(敬称略)小林正啓「新司法試験 ビジョンなき3000人合格構想~ 誰が責任を取るのか」横山渉 「二極化 乱立する法科大学院の淘汰が...
青山善充氏の見解 その2
- 2011/01/09
- 09:47
2011年1月9日付北海道新聞のサンデー討論に「司法修習給費制度維持の是非」と題して、2名の方がそれぞれの立場で意見を述べています。 坂口唯彦さん(弁護士)「多様な人材確保に必要」 青山善充さん(法科大学院協会理事長)「法曹人口の抑制が本音」 坂口唯彦さんは、札幌弁護士会所属の弁護士ですが、そこで主張されている内容はしごくもっとも、当然の主張です。 これに対し、青山善充氏の主張は、何とも言えない暴論で...
弁護士布施辰治
- 2011/01/07
- 15:05
映画「弁護士布施辰治」上映会の案内が札幌弁護士会会員宛に配布されていました。 日時 2011年1月27日(木)18:30~ 場所 札幌市教育文化会館4階講堂 主催 自由法曹団北海道支部 後援 札幌弁護士会 入場料 1000円 この布施辰治さんの生涯については、ホームページをご覧ください。 弁護士布施辰治 弁護士としての大きな役割が描かれています。 もっとも、この案内、「司法改革の流れの中で、弁護士の...
ザ・ロイヤーズ2010年12月号 その④
- 2011/01/07
- 07:42
牛島信弁護士 「5万人超を目指して社会情勢に合わせた合格者数増を 毎年3000人を目指すが当面は2000人増が適当」要点は以下のとおりです。●弁護士人口は、当初の目標どおり5万人が適当であるが、現状の就職難からは3000名にすることは現状の2000名ですら深刻な就職難からは抽出すぎる。 しかし、問題はスピードに過ぎない。●企業が弁護士資格者を歓迎しないのは高すぎる弁護士会費だ。強制的な弁護士会を必要...
ザ・ロイヤーズ2010年12月号 その③
- 2011/01/06
- 07:10
吉田啓昌弁護士 「司法試験とロースクール制度の将来像 8割~9割が法曹となる前提で法曹教育を制度設計すべき」要点は以下のとおりです。●新試験の合格率が低い現状では、多額の学費を掛けてまで法科大学院に来るには相当の決断が必要。ましてや合格者が3000名を遙かに下回っている現状では、有為な人材が法曹を目指すことは考えにくい。(その他は、法科大学院のあり方論であり、とくにめぼしいものはありません。)■法科...
ザ・ロイヤーズ2010年12月号 その②
- 2011/01/05
- 08:46
田中克郎弁護士 「強い弁護士を育てるには厚い人材の層があればこそ アメリカの毎年5万人に2000人で対抗出来るか」要点は以下のとおりです。●2000名、3000名の新人弁護士を受け入れられないのは、弁護士業界の脆弱さだ。新人が増えれば、自分の所得がその分減るのではなく、事件処理量が増えて売上も伸びる。 要は事務所の経営者に新人を採用しようとする気概があれば弁護士の就職難の大部分を解決できる。●職にあ...
ザ・ロイヤーズ2010年12月号
- 2011/01/03
- 23:42
ザ・ロイヤーズ2010年12月号に特集「どうする日本の弁護士人口」という記事が掲載れています。 その中では、 岡田和樹弁護士 古田啓昌弁護士 牛島信弁護士 田中克郎弁護士 柏木昇東京大学教授の見解が紹介されています。岡田和樹弁護士 「法曹人口抑制論の虚妄-今こそ合格者3000人を実現すべし-」要点は以下のとおりです。※赤字は、ご本人岡田弁護士よりコメントを頂きましたので、コメントの趣旨に従い、補足したもの...
新年
- 2011/01/02
- 07:56
新年明けましておめでとうございます。 今年は、いよいよ法曹人口問題(+法科大学院)、裁判員制度問題が正念場となります。 今年も大いにがんばりましょう。 本年もよろしくお願い申し上げます。ブログランキングに登録しています。 クリックをお願いいたします。にほんブログ村人気ブログランキングへ...