一票の格差
- 2011/02/26
- 15:19
現在、日本各地で、一票の格差を問題にした訴訟が起こされ、各地の高裁で判決が出ています。 違憲、違憲状態、合憲などが示されています。 「一票の格差 「違憲」「違憲状態」判決続々」産経新聞2011年1月8日付配信 その訴訟を全国的に展開しているのが、「一人一票実現国民会議」です。 ホームページ そこでの賛同者は、宮内義彦氏など新自由主義を推進する方々が見受けられます。 弁護士人口激増を叫ぶ弁護士たちも名を...
法曹人口問題減員の実現を阻むものは何か
- 2011/02/25
- 10:46
法律新聞2011年2月18日付に掲載されました。 弁護士人口は、いよいよ3万人代に突入した。法曹人口問題とはいっても、現時点では、裁判官、検察官が増員される見通しはないのであるから、法曹人口問題=弁護士人口問題という側面を持つ。 既に修習生の就職問題が限界に来ており、新人弁護士がOJTの機会がないまま、「一人前」として実務に関わざるをえなくなっており、また既存の弁護士も経営が厳しくなっている現状において...
司法書士の羅針盤 その3
- 2011/02/25
- 08:17
一般家事事件の支援 -代理権獲得のための第一歩を-執筆担当大貫正男司法書士 冒頭では、相続財産管理人、遺言執行者、成年後見人などでの司法書士の役割の増大を紹介しています。 これ自体は、就任資格があるわけではありませんから、もちろん問題ありません。それぞれの立場において活躍されているものと思います。 しかし、それに続く一般家事事件に関する記述は問題があるものと思われます。 著者は、一般家事事件を「本...
司法書士の羅針盤 その2
- 2011/02/23
- 00:29
引き続き、『司法書士の羅針盤』について論評します。 「本人訴訟支援 -単なる書類作成を超えた広い・深い支援」 執筆担当高木治通司法書士 ここでは、「本人訴訟支援」の意義について主張されています。①2008年度の司法統計では、原被告双方に弁護士がついたものは、約30.4%、一方のみについたものは44.5%、残りの25%は本人訴訟であり、何らかの支援が必要だ。②弁護士を依頼しないのは、主たる動機が費用の多寡であるが...
死刑判決は全員一致であればよいか
- 2011/02/22
- 08:47
「死刑判決、全員一致条件…廃止議連が改正案骨子」 読売新聞2011年2月15日配信 さて、この死刑判決について全員一致とすることをどのように評価すべきでしょうか。 この議員連盟が提案する趣旨は、死刑抑制にあることは間違いないでしょう。 要件を加重する以上は、現実にはそのようになる可能性は高くなります。 では、当の裁判員にとっては、どのような意味があるでしょうか。 裁判官は、3名が関与しますが、事前の打ち合...
司法書士の羅針盤
- 2011/02/19
- 00:09
『司法書士の羅針盤』(日本評論社2010年8月発行、江藤 泰他編)を読みました(全部ではありません。)。 これまでも私は司法書士制度について意見を述べてきましたが、同書を読みましたので、改めて検討を加えてみたいと思います。「簡裁訴訟代理権とその問題点」「司法書士の簡裁訴訟代理権と裁量移送」 同書では、「司法書士に簡裁訴訟代理権が認められて以降(略)特に職権による移送の場合には、当事者に対する配慮が必...
朝日新聞社説
- 2011/02/13
- 16:27
朝日新聞は、2011年2月13日付社説で 「弁護士会―人権擁護に投じたボール」を掲載しています。 他のブログでは肯定的評価を見られます。 弁護士のため息 福岡若手弁護士のblog 否定的評価的評価も見られます。 仙台 坂野智憲の弁護士日誌 私は、この朝日の社説を読む限りは、やはり朝日の主張の骨子は変わらないと思いました。 日弁連は、少年事件に関する付添人制度の穴を埋めることを目的として特別会費の徴収を決めた...
手作りホームページ
- 2011/02/13
- 01:03
大阪の坂野真一弁護士が作られたホームページを拝見しました。 ホームページビルダで作成されたものだそうですが、非常に見栄えのよいホームページです。 http://shonen.idealaw.jp/index.html ところで、私も同じホームページビルダを使っての自作のホームページです。 http://www.ac.auone-net.jp/~inolaw/index.htm 何故、こうも違うのでしょうブログランキングに登録しています。 クリックをお願いいたします。にほんブ...
会員懇談会
- 2011/02/09
- 12:17
2011年2月8日、札幌弁護士会会員懇談会が開催されました。 テーマ 法曹人口問題 論点 日弁連中間とりまとめ案が法曹人口減員について「相当数」とすることについて、数を明示すべきかどうか。 会員からの発言では、圧倒的多数は、数字を明示しなければ意味がない、明示すべきだというものでした。(もちろん、1000名か1500名かの違いはあります。) 非常によい内容の発言も多くありました。 しかしながら、残念というか憤...
名古屋市、愛知県の選挙結果
- 2011/02/07
- 07:57
名古屋市、愛知県では、河村市長派が圧勝しました。 これまで名古屋市では、議会議員の報酬の半減、市民税の10%と減というように、市民の側に立つかのような河村市長と議会との対立を演出し、それをマスコミが煽り立てるという構図でした。 河村市長は、「減税日本」という政党を立ち上げたようですが、結局、そのような減税の恩恵を受けるのは、富裕層のみです。 しかも、これを国対地方という構図で見るのは、明らかに誤...
札幌弁護士会の法曹人口に関する方向性
- 2011/02/07
- 00:30
札幌弁護士会の司法改革推進本部が会長に対し、日弁連が「相当の減員」という中間とりまとめ案を出したことに対する意見として、「当面の間は、司法試験合格者数を年間1500人程度まで減員した上、その実施状況を検証しつつ、さらなる減員が必要かどうかについて検討するとの提言をすることが相当」との意見をまとめたようです。 この意見については、2つの意味で画期的と思われます。 これまで札幌弁護士会では、具体的な...
小沢元幹事長とマスコミ
- 2011/02/03
- 10:30
小沢元幹事長が強制起訴されたことについて、マスコミが社説を掲載しています。産経 「小沢氏強制起訴 やはり議員辞職しかない 国民代表の結論無視するな」朝日 「小沢氏起訴―市民の判断に意義がある」中日 「小沢氏強制起訴 「無実」なら説明厭うな」読売 「小沢氏強制起訴 政治的なけじめをつける時だ」毎日 「小沢元代表起訴 まず離党してけじめを」日経 「民主党は小沢元代表の起訴でけじめを」岩手日報 「小沢...
安全コストの削減が招くもの
- 2011/02/01
- 23:36
「同乗者のロック確認せず」担当の女性アルバイトが聴取に説明 産経新聞2011年1月31日配信 東京ドームで起きた転落死事故は、直接には、20代女性アルバイトの確認ミスが原因です。報道によれば、この女性アルバイトは、「同乗の3人の安全バーもロックされているか、手で押し込んで確認しなかった」と答えています。これが事実であれば、明らかなミスと言えます。 他方で、会社では、マニュアルについても不十分であったこと...
札幌弁護士会公聴会 その2
- 2011/02/01
- 23:24
2011年1月28日、札幌弁護士会の役員選挙に関する公聴会が開催されました。 前回に引き続いて、候補者の回答に基づき、裁判員制度に関して、思うところを述べます。 いずれの会長、副会長候補者も、裁判員制度を絶賛していました。 しかし、その根拠は、ほとんどよくわかりません。 問題点もあるとし、その「改善」の必要性は言うのですが、決まり文句としては、「重要な視点は、被告人にとってどうかだ。」というものです。...