小沢元代表無罪判決と検察審査会「強制起訴」制度の危険性
- 2012/04/29
- 22:02
小沢元代表に対しては、大方の予想どおり無罪判決が出ました。 もっとも、それでも、もしかするとわずかな可能性で有罪になるかもしれないという言葉が一部からは聞かれていましたが、それは、これまでの裁判所は、検察を「救済」するような有罪判決を出してきた「実績」があるからです。 今回の判決もその意味では、秘書らによる犯罪事実を認定し、小沢元代表が報告を受けた、というところまで認定しており、「救済」判決とい...
日弁連会長選挙 山岸憲司氏の当選について
- 2012/04/27
- 23:11
本日、行われた日弁連会長選挙の再選挙では、山岸憲司氏が当選となり、現職の宇都宮健児氏が敗れました。 宇都宮健児 7673票 山岸憲司 8546票 これまで、日弁連会長選挙を批評してきた私としては、今回の結果をどのようにみるのか、ということを述べておかなければなりません。 今回の選挙の争点は、 「派閥の領袖+腰巾着」vs「それ以外の会員」という図式でした。 法曹(弁護士)人口問題でいえば、「口だけの1500...
東京弁護士会法友会の反省 日弁連会長選挙の裏
- 2012/04/25
- 10:12
一昨年の日弁連会長選挙では、派閥候補である山本剛嗣氏が敗れました。 そのとき、支持母体である東京弁護士会法友会は、以下のような反省(総括)を行っています。「法友会、私たちの宣言(決意表明)」(2010年(平成22年)7月10日) その中で、「何よりも反省すべきは法友会の組織力、活動量を十分に結集し得なかったということである。その原因は、時間的制約のある中、候補者擁立過程において法友会会員の団結に向けての...
山本剛嗣氏の敗戦の弁を思い出す
- 2012/04/25
- 00:03
一昨年、宇都宮健児氏と会長の座を争ったのは、東京弁護士会派閥候補の山本剛嗣氏でした。 その派閥候補は、敗れ去ったのですが、そのとき、敗戦の弁として、日経ビジネス(2010年4月5日)で語っていたことを思い出しました。 「日経ビジネスの山本剛嗣の「敗軍の将 兵を語る」を読む」(雪の街だより、馬場秀幸弁護士のブログも参照) 山本剛嗣氏は、「宇都宮さんが、今後どのように日弁連の舵を取るのか,注目しています。...
日弁連会長選挙 争点はこれ! 法科大学院制度
- 2012/04/24
- 08:07
山岸憲司氏の選挙ハガキがきました。 それによりますと、冒頭、「宇都宮候補は「受験期間」回数制限の撤廃」と「予備試験制度の公平な運用」を公約にしています。」とあります。 公約が記載された裏面を読み始めたとき、「あれっ? 宇都宮さんのハガキだったかな?」と思い、また表面をみて、「山岸憲司氏」の顔写真をみて、やっぱり山岸憲司氏の選挙ハガキかと確認しました。 要は、宇都宮候補の公約に対する「批判」でした...
誤解です。すいません!
- 2012/04/22
- 00:11
私は、先日、「法科大学院制度の改善に関する具体的提言案 もう1つの会長選挙の争点」を掲載しましたが、 その評価について、Schulze BLOGで知りました。 「逆だよ」 何と、日弁連の法科大学院の改善に関する具体的提言案についての私の書きっぷりが、 とうとう日弁連も、ローへの風当たりを強めはじめた。 日弁連のロー要件廃止提案も来るか?というように読めてしまったようです。 すいません。Schulzeさんの言う...
日弁連会長選挙 事務総長に何故、荒中氏??
- 2012/04/21
- 23:54
選挙公報によると、山岸憲司氏は、公約に事務総長について、「復興を目指す東北の地から事務総長を」として、仙台弁護士会所属の荒中氏をご指名しています。 この目的は、明らかです。 全敗した東北にある各単位会の票の取り込みです。前回の号外では「東北」としかありませんでしたが、荒中氏にご氏名をしたんですね。 「もう新しいリーダーを選ぼう!? 山岸陣営の焦り」 そういえば、一昨年も派閥候補である山本剛嗣氏も同...
日弁連会長選挙 山岸憲司氏を支援する人たち
- 2012/04/17
- 17:52
先日、山岸憲司氏の選対から、選挙はがきが送られてきました。 しかも、札幌弁護士会会員向けになっていますので、会員数のみを印刷し、発送しているもので、とてもコストが掛かっているようですが、まあ、この程度の金は何とでもなるのでしょう。 札幌弁護士会会員向けのはがきですので、当会会員による支援者が名前を連ねています。何と、当会元会長が名前を連ねています。 1998年以降の札幌弁護士会歴代会長は、以下のとお...
法科大学院制度の改善に関する具体的提言案 もう1つの会長選挙の争点
- 2012/04/16
- 11:26
現在、上記提言案が、日弁連から各単位会に意見照会がなされています。 武本夕香子弁護士のブログ参照 私も、その内容を読んでいますが、従来の内容よりも極めて踏み込んだ内容となっています。いや、驚きました。ここまで言うのかという内容です。 現時点では、内部文書ですから、ここでそのまま内容を公開することはしませんが(公開しても問題はありませんが、とりあえず、このブログ上では非公開にしておきます。)、会員...
橋下氏の反原発発言と民主党野田政権の自壊
- 2012/04/16
- 09:32
橋下氏は、原発の廃止を主張し、関西電力の大飯原発に対して再稼働の反対の論陣を張っています。 もちろん、私は、橋下氏に対しては、当然に退陣してもらいたいと思っています。 とはいえ、原発発言自体には賛同します。(退陣を求めるのは、この原発発言があるからといって、橋下氏を支持・支援することはないという意味です。) それにしても、世論は原発に否定的であるにも関わらず、民主党政権は、何故、大飯原発の再稼働...
日弁連会長選挙と派閥
- 2012/04/13
- 21:54
今回の日弁連会長選挙の争点の1つに、「派閥か脱派閥」かがあります。 これをもう少し詳しくみてみましょう。 日弁連全体を通した派閥は存在しません。 派閥があるのは、 東京弁護士会 第一東京弁護士会 第二東京弁護士会 大阪弁護士会 愛知県弁護士会です。 参考 紀藤正樹弁護士ブログ「このまま派閥選挙を続けていくのか?その選択を迫る:日弁連会長選、史上初の再選挙へ」 この東京弁護士会...
全市町村に弁護士が必要なのか。
- 2012/04/10
- 09:36
日弁連が行った過疎対策により、地方裁判所の支部がある地域での「ゼロワン」地域は解消しました。 訴訟が対立構造にある以上、弁護士は、当該地域には複数、必要ということに基づいています。 もちろん、これを実現したのは、公設事務所の設置です。日弁連が会員から集めた会費が財源であり、独立採算として、当該過疎地域に法律事務所が開設されたわけではありません。 この問題を弁護士人口の問題にすり替えようとする人た...
少年事件を裁判員裁判の対象とすべきなのか
- 2012/04/04
- 13:52
日弁連意見書は、少年法の理念に則って、「改善」案「少年逆送事件の裁判員裁判に関する意見(PDF)」(2012年1月19日)を示しました。 その趣旨(骨子)は、① 少年のプライバシー保護の観点から、弁護人の請求により非公開とするべきこと。② 少年の退廷を認めること。③ 少年の処遇等については専門家を活用せよ。④ 家裁で取り調べられた証拠は、可能な限り調べよ。⑤ 裁判員に少年法の理念を十分に説示すること。 日弁...
死刑判決の全員一致制 日弁連意見書の問題点
- 2012/04/03
- 09:35
「死刑の量刑判断における評決要件に関する意見書(PDF)」(2012年3月15日) 日弁連意見書では、死刑判決を下す場合には、「全員一致制」を導入すべきとします。 死刑判決が慎重になるということにその趣旨があるようです。 そして、そのことによって、裁判官、裁判員の心理的な負担が軽減されるとしています。 しかし、この「全員一致制」は導入すべき制度なのでしょうか。 以前のブログでも意見を述べました。 「死刑...
元裁判員のネットワーク? 日弁連意見書の問題点
- 2012/04/02
- 19:41
日弁連「裁判員の負担軽減化に関する意見書」 この意見書は、日弁連は、2012年3月15日の「裁判員法施行3年後の検証を踏まえた裁判員裁判に関する改革案について」の中で織り込まれています。 この意見書の目的は、裁判員の心理的負担を軽減することにあるとしています。 もともと、裁判員には大きな心理的な負担があります。特に否認事件で死刑が求刑されているような事件、死刑か無期懲役かの選択を迫られるような事件などでは...
日弁連裁判員制度意見書について(続編)
- 2012/04/02
- 12:50
日弁連は、2012年3月15日、 「裁判員法施行3年後の検証を踏まえた裁判員裁判に関する改革案について」について引き続き、コメントします。「被告人側に公判前整理手続に付することの請求権を認める法律改正」 裁判員裁判の対象になっていない事件で公判前整理手続に付するかどうかは、裁判官が決める専権事項です。 被告人側に請求権を認めよ、というのは、要は、公判前整理手続に付随する証拠開示請求を利用しうるようにするた...
日弁連裁判員制度意見書について
- 2012/04/02
- 11:02
日弁連は、2012年3月15日、「裁判員法施行3年後の検証を踏まえた裁判員裁判に関する改革案について」を発表しました。 意見書の内容は、裁判員制度が当然に良い制度としている点で出発点において欠陥があり、各論においても、非常に多くの問題が含まれています。 ここでは、日弁連意見書の各論の問題点について、いくつかに分けて、コメントします。「控訴事実等に争いのある事件についての裁判員裁判の対象事件の拡大」 この...