裁判員制度と性犯罪 被害者の選択?
- 2012/05/31
- 16:10
裁判員制度の問題点として、性犯罪被害者が見せ物になるということがあります。 見て聞いてだけでわかる、という裁判ですが、どのような性犯罪が行われたのか、それが「再現」されるわけですから、性犯罪被害者の立場からすれば、たまったものではありません。「強姦致傷立件を見送り…被害者が裁判員裁判嫌う」「私は、性犯罪の被害者です。私のプライバシーは守られるの?」 このような性犯罪に対し、性犯罪だから裁判員制度...
天皇の元首化をもくろむ人たち
- 2012/05/31
- 09:23
憲法改正について、衆議院の憲法審査会で議論されていますが、自民党とみんなの党が、天皇の元首化を主張しています。 自民党改正草案(PDF) このような議論を見ていると、憲法改正の議論が何を意味するのかがはっきりとと伝わってきますが、憲法改正論議は、「百害あって一利なし」です。 現行憲法に何が問題があるのか、憲法の規定によって国民の生活が特に困っていることはありません。憲法の精神が忠実に実行されていな...
原発の安全について福井県とおおい町で保証してみたらどうか
- 2012/05/30
- 16:17
大飯原発の再稼働を巡り、おおい町では議会が圧倒的賛成多数で再稼働に同意しました。参考 おおい町議会議長は、こんな人!原発再稼働容認のおおい町議会議長、新谷欣也氏はこんな人(村野瀬玲奈の秘書課広報室) 福井県知事である西川一誠氏は、「電気がいらないなら再稼働は不要」などと発言しています。 関西一円の首長たちが、大飯原発の再稼働に反対していることに相当、苛立っているようです。 しかし、この発言は、は...
自民党がもくろむ貸金業法の「改正」
- 2012/05/29
- 09:59
2010年6月より改正貸金業法が完全施行になりましたが、主な改正点は、 ①グレーゾーン金利の撤廃 ②過剰貸付の禁止です。 これによって、長らく貸金業者の利潤の源であったグレーゾーン金利がなくなり、出資法の上限金利も引き下げられ、利息制限法に上限利率が統一されることになりました。 これによって、貸金業に対する規制は強化されることになりますが、その結果、サラ金は、従来のような貸付を増やすだけ増やして利益を...
裁判員制度 民事・行政事件にも?
- 2012/05/28
- 13:47
東京新聞が、社説で、裁判員制度について論じています。「裁判員制度3年 民主主義の学校になれ」(2012年5月21日配信) 元裁判官の木谷明さんのコメントを中心にした解説が掲載されています。「「刑事裁判が国民に近いものになり、関心が高まったことは大きなことです」と、元裁判官である木谷明さんは語った。「裁判がビジュアル化され、口頭でのやりとりが徹底されたことで、誰が見ても理解されるようになったことも良い点...
法科大学院関係者のいう弁護士需要論(木佐茂男教授)
- 2012/05/26
- 21:36
木佐茂男九州大教授が朝日新聞で、またもや弁護士需要に関して、恥ずかしげもなく、弁護士潜在的需要論を繰り返しています。変わる弁護士地図(朝日新聞2012年05月21日)「元北大教授で弁護士の木佐茂男・九州大教授(行政法・司法制度)は「地域には相続などの問題が山積しているが、多くの市民は弁護士に相談する発想がない。そうした市民の潜在的ニーズはあるはずだ。弁護士会は飽和と言う前に、ニーズを掘り起こすべきではな...
政治家絡みの事件を裁判員裁判で可能なのか
- 2012/05/23
- 10:08
読売新聞では、元裁判員に対し、アンケートを実施していますが、「裁判員経験者4割「政治家絡む事件」含めるべき」(読売新聞2012年5月21日配信) 回答数自体は少ないですが、読売新聞は、この「4割」であることをことさら強調しています。 小沢元代表に対する検察審査会の問題点が指摘される中で、読売新聞がこのようなアンケートを実施したのは、それでもなお、小沢元代表に対して無罪判決が出たことに対して根に持ってい...
現代の若者像 今も昔も変わりない?
- 2012/05/21
- 09:27
『“新人社員”が危ない? どうつきあうイマドキの若者』(NHK 2012年5月5日放送) を見ていて感じたことを記載してみます。 「今時の若い者は!」というセリフは、いつの時代にもあったという指摘があります。大人からみれば、若者は理解できないというのは、いつの時代も変わらない、ということの意味です。 しかし、今時、言われている若者像というのは、その程度のものなのでしょうか。 私には、どうにも、そのようには...
司法制度改革の「原点」③
- 2012/05/19
- 07:24
前回に引き続き、 司法審会長佐藤幸治氏、 会長代理竹下守夫氏 委員井上正仁氏の3人の対談集(?)である『司法制度改革』(有斐閣2002年10月20日初版)の中から、法曹養成制度について、見てみます。 法科大学院制度に対する批判としては、法科大学院が乱立してしまい、認可しすぎたのが失敗だったという主張があります。 当面の目標とされた司法試験年間合格者数は3000人であったにも関わらず、たくさんの法科...
司法制度改革の「原点」②
- 2012/05/18
- 08:19
前回に引き続き、 司法審会長佐藤幸治氏、 会長代理竹下守夫氏 委員井上正仁氏の3人の対談集(?)である『司法制度改革』(有斐閣2002年10月20日初版)の中から、法曹養成制度について、見てみます。 司法審意見書では、「司法試験という「点」のみによる選抜ではなく、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた「プロセス」としての法曹養成制度を新たに整備すべきである。その中核を成すものとして、...
司法制度改革の「原点」
- 2012/05/17
- 07:31
司法制度「改革」が論じられるとき、法曹人口の激増や法科大学院制度を推進する勢力がいつも自分たちの主張を正当化するために用いられるのが、司法制度改革審議会意見書(司法審意見書2001年6月)です。彼らにとっては、この司法審意見書は、まさにバイブルのように扱われています。 さて、この司法審意見書を出した司法審ですが(肩書きは当時のもの)、 司法審会長佐藤幸治氏(近畿大学法学部教授 京都大学名誉教授) ...
弁護士需要の有無 船井総研が何故、出てくる?
- 2012/05/16
- 09:14
2012年3月19日に開催された「法曹の養成に関するフォーラム」(第11回)では、「弁護士業務改革関係者」に対するヒアリングが行われています。 議事録(PDF)対象者は、出口恭平氏(株式会社船井総合研究所第一経営支援部部長シニアコンサルタント) 要は、弁護士が過剰となっていると言われている中で、マーケティングの視点からはどうなのか、ということがヒアリングの目的です。出口氏「私としましては,①の法律事務所で働...
医師「不足」と医学部の定員増と新設
- 2012/05/10
- 22:57
弁護士人口問題は、総務省が司法試験年間合格者数の政府目標である3000人を検討すべきとしていますが、医師の世界でも、同時期に同じような医師「不足」問題が議論されていました。「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」論点整理に関する意見募集の実施について」(文部科学省) ここでは、論点整理(PDF)が発表されています。 私自身は、議事録までは読んでいませんが、この論点整理では、弁護士人口と同じような...
裁判員制度の廃止を求める意見表明
- 2012/05/09
- 14:23
裁判員制度の実施3年後の「見直し」の時期が来ました。 北海道裁判員制度を考える会では、 「私たちは裁判員制度の廃止を求めます。」(PDF)という意見表明を行いました。 裁判員制度は、実施の前から多くの問題が指摘されており、しかも、国民の多くがこの制度に懐疑的でした。 実施の前年8月には、共産党、社民党が相次いで実施の延期を求め、自民党、民主党の議員にも疑問が広がっていました。 そのような中で、敢えて...
「起訴≠有罪」?? 四宮啓氏の主張の問題点
- 2012/05/07
- 08:47
小沢元代表の無罪判決を受け、「強制起訴」を伴う検察審査会制度の問題性が浮き彫りになりました。 朝日新聞2012年4月27日付朝刊が 「争論 これでいいのか強制起訴」の記事を掲載しています。 × 弘中惇一郎氏 「被告にされる不利益大きい」 ○ 四宮啓氏 「「起訴=有罪」の意識捨てて」を掲載しています(聞き手、朝日新聞山口栄二氏) 四宮啓氏の主張を並べてみると(抜粋)、「強制起訴決議は検察官が不起訴にした事...
今年の法科大学院への実入学者数は?
- 2012/05/05
- 00:28
法科大学院の定員は、昨年度と同じであれば、総定員は約4500名です。 昨年度の実入学者数は、3600人と言われ、充足率は、8割となります。 法科大学院志望者は、着実に減少しています。 当然といえば、当然の結末です。 さて、今年の全国の実入学者数は、どのようになっているのでしょう。 Schulze BLOGで、各法科大学院が発表している数字を元に分析されています。 例えば、 関西法科大学院 4640% 関西学院法科大...
安全基準の緩和と「自己責任」
- 2012/05/02
- 14:35
群馬県藤岡市の関越自動車道上り線で起きた、観光バスの単独事故を招いた原因は直接には、運転手の居眠りですが、その背景にあるのは、規制緩和後のバス会社の急増があることは、既に常識となっています。 安全で格安であれば、消費者にとって利益であることは、その通りですが、だからといって、安全についても低コストを実現しなければ、結局は、「リスクの高い格安」ということにならざるを得ません。 新自由主義者(市場原...