裁判員をやりたい! ってどんな人?
- 2013/06/29
- 10:19
裁判員制度が始まって以来、毎年30万人弱の国民に候補者通知が送られ、事件ごとに選別された候補者に呼出状が送られます。 呼出を受けた国民の出頭率は当局の発表(マスコミの報道は当局の発表のまま)では8~9割の出頭率としていますが、実際には3~4割程度です。「出頭率は、9割と言いますが、本当でしょうか。」 事前の幅広い「辞退」(拒否)を認める運用がなされていることが特徴です。 ほとんどの国民は裁判員な...
『司法崩壊の危機』
- 2013/06/28
- 23:08
本の紹介です。 『司法崩壊の危機』(花伝社) 法曹養成検討会議の中間とりまとめ(2013年4月9日)に対する批判的検討も加えたもので、司法「改革」批判の最新の著作です。「「司法崩壊の危機」という本を共同執筆しました」(白浜の思いつき)ブログランキングに登録しています。 クリックをお願いいたします。にほんブログ村人気ブログランキングへ...
法科大学院制度こそ地方を崩壊させる
- 2013/06/27
- 09:32
法科大学院制度においては、地方からは決まって適正配置という言葉が聞こえてきます。 そして二言目には「地方を切り捨てるのか!」という調子です。 北海道新聞にも2013年6月21日付で社説「法曹養成提言 これでは制度が壊れる」を掲載しています。 その中でも「地域的配置への配慮にも触れているが、記述はわずか2行だ。事実上の地方切り捨てで、容認できない。」と主張しています。 しかし、現実には司法分野では、裁判...
維新の会に集まってきた人たちよ、さようなら! もっとさよならしたい人は?
- 2013/06/24
- 17:30
東京都議会選挙の結果では、維新の会は2議席と惨敗でした。 元々、支持率が伸び悩んでいたところに橋下氏の慰安婦発言があり、風俗活用発言がありで、大幅に支持率を低下させました。 都議選の終盤では、石原氏が橋下氏の発言を「迷惑」だとする発言をし、そして、橋下氏の都議候補への謝罪メール、石原氏の一件落着という演出までしてみせましたが、一度、失った支持を回復することができませんでした。 しかし、橋下氏の発...
裁判員のPTSD 勤務先からの解雇は不当か
- 2013/06/24
- 08:56
2013年3月に遺体のカラー写真をみた裁判員がPTSDを発症したとして、国賠訴訟を提起した事件がありました。 その後、最高裁は白黒にしろなどといて小手先の対処をしようとしています。 しかし、白黒写真で何がわかるのでしょうか。事実を見る以上、証拠はカラー写真で見て当然のことです。 裁判員を担当するというのであれば、その程度の覚悟があってはじめて裁判員制度自体が成り立ちます。 証拠である以上、見なければなら...
東京弁護士会斎藤義房前会長に送付しました
- 2013/06/22
- 07:51
先般、「東京弁護士会の前会長斎藤義房氏の疑惑 自ら弁明せよ」で検察審査会補助審査員の選任過程にまつわる疑惑である旨、掲載しましたが、同文で斎藤義房前会長に郵送でお送りしました。 指摘した疑惑の中心は次の部分です。「疑惑とは、何故、最高検を歴任したヤメ検を補助審査委員に選任したのか、誰かからの働きかけがあったのかどうか、その働きかけがあったとすれば誰なのか、いずこかの政治勢力なのか、あるいは検察庁...
裁判員裁判の死刑判決を破棄 高裁の役割を示す
- 2013/06/21
- 14:35
東京高裁は、2013年6月20日、一審東京地裁での裁判員裁判による死刑判決を破棄し、無期懲役としました。 この事件は、前科として2人(親族)を殺害、懲役20年となり、満期出所後の強盗殺人事件です。 被告人は無罪を主張しているので、えん罪である可能性も否定できなくもありませんが、ここではそれについては論じず、少なくとも死刑判決を破棄して無期懲役とした点について評価を加えたいと思います。 従前、最高裁は裁判員...
法科大学院のお取り潰し、それは受験資格喪失者の価値を否定したこと
- 2013/06/20
- 10:39
法科大学院制度が岐路に立たされているのは自明のことですが(但し、浜辺陽一郎氏ら一部の人たちを除く)、この法科大学院制度を何とかして維持しようとやっきになっているのが、法曹養成検討会議の法科大学院関係者です。 そこでまとめられた提言は、 司法試験合格率の低い法科大学院は取り潰す、その法科大学院修了者に受験資格を与えない、というもの。 司法試験合格率でみる格差は、上位校と下位校の差は年々、拡大して...
裁判員制度はいらないインコのウェブ大運動
- 2013/06/20
- 08:35

「裁判員制度はいらないインコのウェブ大運動」のサイトが公開されました。 http://saibanin-iranainko.com/ 裁判員制度の問題点を知るには、このサイトをご覧ください。 裁判員制度は廃止あるのみです。 それにしても、見栄えのするきれいなサイトです。 ところで、いらないインコは、私も非常に思い入れがあります。 かつて私のブログでは、これを使っていました。 インコです。 裁判インコではありません。私は、この...
顧問の紹介制度の効用?
- 2013/06/19
- 09:34
企業には顧問弁護士がいる、一昔前はそのようなイメージだったのではないかと思います。 既存の弁護士は、顧問先が何軒などという言われ方もされることがあり、顧問先を見つけることが事務所経営の基本みたいに言われていました。 企業は、毎月顧問料を払う。その事務所は顧問先の事件を優先して処理する(優先して処理するとは、それ以外の事件を後回しにするというよりは、その日に時間がないから対応できないということには...
ハーグ条約がもたらすもの 国際結婚のもつ危険性を考える
- 2013/06/17
- 17:44
いよいよハーグ条約締結に向けた国内法が成立し、ハーグ条約加盟も間近となりました。 ハーグ条約により、子の連れ去りの場合には、原則として子は元の国に戻されることになります。 このハーグ条約については、以前、私は否定的に考えていました。子の連れ去りと言ってみたところで、現実に諸事情があり、出国せざるを得ない状況にあるのではないか、日本人からみた場合には、圧倒的に問題になるのは女性が子どもを連れてくる...
東京弁護士会の前会長斎藤義房氏の疑惑 自ら弁明せよ
- 2013/06/17
- 09:48
検察官の証拠ねつ造という事件(検察庁、当然に不起訴)について、検察審査会の補助審査委員の選任にあたって、敢えて最高検や検事正を歴任したヤメ検弁護士(澤新氏)を選任したのではないかという疑惑が広がっていく中、その選任過程を明らかにするよう市民団体である健全な法治国家のために声を上げる市民の会(八木啓代代表)から公開質問状が出されていました。「東京弁護士会どうする? 明確に答えるべきでしょ!」 それ...
家事調停手続の変更 利用者不在の役所の発想
- 2013/06/14
- 14:00
札幌家庭裁判所の家事調停手続が「変更」されることになりました(本年6月5日より実施)。 弁護士会との間では、本年1月から運用に関する協議を行ってきたそうですが、以下のような運用を行うことを通告されたようです。弁護士会ワーキンググループがまとめた概要家事調停手続において、双方当事者立ち会いのもとで、①裁判官が、初回調停開始時に、手続の説明を行う。②各期日終了時に、期日の内容確認や次回までの検討課題を確...
「新しい人権」の危うさ 人権を侵害してきたのは誰?
- 2013/06/13
- 12:01
新しい人権とは、現行憲法に明文上、規定されていないが、時代の流れの中で「人権」として確立されてきたものを憲法上に明記しようというもので、環境権、プライバシー権などです。 これれを憲法上、明記することに意味はあるのでしょうか。 現行憲法に明記されていなかったとしても、これらが現行憲法上の人権として位置づけられていることは疑いようもないことで、実際にもそれを前提としています。 従って、憲法「改正」に...
虐待の結果が「致死」なのか?
- 2013/06/12
- 12:24
近年、目立つのが子どもに対する暴力行為です。発覚するものは、重傷を負ったり、死亡したりと重大な結果が伴っていますから明らかな虐待です。 死亡という結果が伴った場合、親は保護責任者遺棄致死罪に問われたり、傷害致死罪に問われることが多く、殺人罪に問われることはまれです。 殺人罪に問われたのは、3歳と1歳の子らを放置したまま外出して餓死させた事件が有名ですが、それ以外にはあまり聞きません。 通常は、「致...
弁護士の独立の勧め? これって未来があるのか
- 2013/06/11
- 11:36
日弁連がシンポジウムを開催します。「シンポジウム「若手弁護士独立の実践論」」 しかし、そこで記載されているものは、 この時代、早期に独立して、「夢」の実現に向けて邁進している弁護士がいます。 いったい、彼らは、どのように独立したのでしょうか?そして、独立後、どのように仕事をしているのでしょうか? このシンポジウムでは、様々なタイプの実践例を通して、若手弁護士の独立の方法論を考えます。 というもの...
カジノ解禁だ? 日本をさらにダメにする気か
- 2013/06/10
- 11:02
カジノなんていう言い方がされていますが、要は賭博です。賭博とかギャンブルというと問題とされるのは必至なので、言葉を置き換えているだけです。 賭博行為を解禁しようなどという動きが本格化しています。由々しき事態といえます。その先頭に立っているのが安倍総理です。「安倍首相主導でカジノ解禁が加速! 天下り、暴力団、赤字など問題を乗り越えられるか?」(Business Journal 6月9日、山脇康嗣弁護士) 上記記事は...
交通違反取締方法から改めて問い直す 問われる警察の姿勢と車優先社会
- 2013/06/08
- 21:38
国家公安委員長である古屋圭司氏が先般、持論を展開されています。 「片側二車線の真っすぐの道で歩行者が出てくる危険性もないところでは制限速度50キロで70キロくらいは出る。20キロ以上出ていると取り締まりの対象になるのはちょっとどうかな」(朝日新聞2013年6月4日付) フジテレビFNNは、詳しく報道しています。「古屋国家公安委員長、交通違反取り締まりの現状について苦言」 興味深いのは、「また現実に、交通...
結局、誰もが嫌なんだよね、オスプレイ
- 2013/06/07
- 10:57
先日、大阪市長の橋下氏が大阪府八尾市の空港でオスプレイの訓練の受け入れを表明し、大阪府知事も同様の見解を述べています。 しかし、八尾市の田中誠太市長が市民の安全が優先という理由で反対を表明しています。「八尾市長が反対表明 大阪知事のオスプレイ一部受け入れ構想「市民の安全最優先」」(産経2013年6月3日) 誰だって、頭上にオスプレイが飛ぶなんて嫌なんですね。「オスプレイが危険だというのは誤解?」 以前...
日弁連山岸憲司会長は、この間、何をし、今後何をするのだろう?
- 2013/06/07
- 09:48
2012年2月から4月にかけて行われた日弁連会長選挙。その結果、旧来の派閥候補である山岸憲司氏が当選しました。「日弁連会長選挙 山岸憲司氏の当選について」 争点は言わずと知れた司法試験年間合格者数をいかに減員するかです。 宇都宮健児候補は、前職でしたが、その間、給費制1年延長を勝ち取るなどの実績を作り、さらに会内に法曹人口問題を検討する会議体を設けて、不十分ではありましたが、1500人に減員せよという提言...
弁護士費用保険に希望はない、幻想を抱くのは止めよう
- 2013/06/06
- 16:34
日弁連の一部の勢力は、今なお弁護士人口激増路線を突っ走っています。 その言い訳の1つが民事司法基盤ができていないからだというものです。弁護士費用の立替などのための法律扶助の予算が拡充されていない、弁護士費用保険が整備されていないからだ、という主張です。 第62回定期総会「民事司法改革と司法基盤整備の推進に関する決議」(2011年5月27日)「中本和洋弁護士、一体、何しに札幌に来たの?」 そのようなこと...
東京弁護士会どうする? 明確に答えるべきでしょ!
- 2013/06/06
- 08:51
陸山会事件の捜査の過程での検察官による虚偽報告書作成事件を巡り、東京弁護士会がとんでもない対応をしています。「東京弁護士会が再度、回答拒否 弁護士自治だから?」 そのような中で、東京新聞がこの問題を大々的に取り上げています。「陸山会事件虚偽報告書 元検事に「不起訴不当」」(東京新聞2013年6月3日付) インターネットでは出だしの部分しか読めませんが(有料版のため)、新聞ではA4版2枚に渡る大きな記事で...
パワハラ概念の移り変わり 何かしっくり来ない
- 2013/06/03
- 14:52
労働局への相談で、パワハラに関するものが5万件を超え、過去最高だったそうです。 「バカ呼ばわり、人前で叱責…パワハラ相談、過去最多の5万件超」(産経新聞2013年5月31日) 上司から仕事のことでバカ呼ばわりされ、人前で大声で叱責された」などという相談をみれば、確かにバカ呼ばわりがどうかと問われれば、そのような言動は必要なものではありません。今時においては、やってはならない言動の1つです。 ただ、暴力に...
外れ馬券が経費か 公認ギャンブルは縮小こそ必要
- 2013/06/03
- 09:06
外れ馬券や当てるためのシステムの設備投資が経費になるのかどうか、先日の大阪地裁の判決では、これらを経費として認定し、脱税額を大幅に圧縮しました。 競馬ファンからは、この判決が歓迎されているようです。 しかし、私自身は、やはりこの判決に対しては、とても違和感があります。 競馬は元々、それぞれのレースに掛けて勝つのか負けるのかという賭博です。 それを過去(年度ごととになりますが)に「投資」したはずれ...