今、スコットランドでは独立の是非を問う住民投票が行われています。
イギリスの経済状況から見れば、ブリテンがスコットランドを搾取する関係にしか見えません。
スコットランド住民が分離独立を求める想いは、とてもよくわかります。
経済格差がより一層、都市部に富を集中させる結果を招き、なお一層、地方は疲弊していきます。
かつての日本は、旧来の自民党による利益誘導政治は、都市部で吸い上げた利益を地方にばらまき、それによって業界を中心に集票マシーンとして、自民党政権を支えていました。
高度経済成長のもと、地方に配分する財源を確保していましたが、しかし、その財源も大企業優先、都市部優先という方向へ舵を切ることによって、地方は徐々に衰退していきます。
人口も都市部へと流れていきますから、結局、地方の疲弊は加速していくばかりです。日本の地方もスコットランドと同じ状況に陥っているのです。
「
建設業者の人手不足 原因は労働を敬う精神の欠如」
「
名古屋市、愛知県の選挙結果」
日本の歴代自民党政権が押し進めた構造改革路線は、小泉改革のときにピークを迎えましたが、基本的には地方を切り捨て、都市部、しかもグローバル企業を支えるためのものでした。
イギリスも同様です。サッチャー元首相がイギリス版、構造改革を押し進めました。その結果がスコットランド住民の不満を招き、それが分離独立への意識を大きくしたものです。
それが今になってブリテン側は、権限の委譲だとか福祉だとか言い始めましたが、本気でそれを実行する意思があるのでしょうか。
政権側が既存の体制を守ろうとする場合、平気でウソを並べ立てます。
自民党が2013年に政権に復帰した衆議院議員選挙ですから、地方の自民党議員候補は、大ウソをついていました。
「
所得倍増? 石破茂自民党幹事長 また農民を欺すんですか!」
日本でも同様の地方潰しが行われていますから、イギリスのこの政治状況を観察することは、とても有意義です。
小泉元首相による構造改革路線は、その後の格差社会を生み出したため、多くの国民の反発を招き、小泉内閣の終わりとともに構造改革路線は、一旦は頓挫します。民主党鳩山政権の誕生はその象徴でした。
しかし、財界側が諦めたわけではありません。TPPや残業代0法案に見られるように、なお一層、構造改革路線を押し進めようとしてます。
根本的には、構造改革そのものが地方を切り捨て、特に第1次産業を目の敵にしていますから、決して地方が再生することはありません。
格差社会も構造改革路線からは必然的に生み出されるものです。というより、日本の財界にとっては、労働者をタコ部屋労働にまで貶めることこそがあるべき姿なのです。
「
悪政競い合う民自公 国民を切り捨てる財界 日本全体がタコ部屋だ」
安倍政権が打ち出した地方創生を真に受けてはいけません。地方票が欲しいだけの眉唾ものです。
「
安倍改造内閣が発足 女性登用で支持率アップ?」
構造改革路線を押し進めるということは、本来的に地方にカネをばらまくことは、都市部の負担になること、それはグローバル企業にとっての負担にしかならないことから、最初から地方は切り捨てられる政策しか取り得ないのです。
安倍政権の女性登用といい、地方創生といい、このような言葉遊びに欺されてはいけないのです。
スコットランドの場合には、構造改革に反対する選択肢が分離独立という極めてドラスティックな選択となりました。そのため、スコットランド住民にとっては、そこに色々な葛藤があるでしょう。構造改革路線には反対だが、分離独立まではちょっという具合です。
それに比べて日本の場合には、国家の分断などありません。自民党が下野してくれればいいだけの話ですから。
自民党は、このようなグローバル企業の利益擁護とそのための軍事大国化しか眼中にありませんから、この自民党が下野することこそが構造改革路線をストップさせるために必要なことです。スコットランドの分離独立のような大事ではないのです。
スコットランドではより大きな選択を示そうとしています。それがどちらの結論になるかはともかく、だからこそ私たちもそれをみて教訓としなければならないのです。
続編
「
スコットランドの住民投票、独立を否決 しかし、終わったわけではない」
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