衆議院選挙、日本社会の劣化を憂う 選挙後に憲法「改正」を叫ぶ安倍自民党

　衆議院選挙の結果は、マスコミの予測通り、自民党、公明党がほぼ現状維持、民主党は議席増とはなったものの、党勢回復からはほど遠い状態。
　共産党は倍増したものの、そもそもの議席数は少なく、民主党と合わせても野党勢力としては極めて脆弱といえます。
　次世代の党がほぼ壊滅したことは歓迎します。

　投票率は過去最低を更新していますが、中でも20代、30代の投票率の低さも目立ったようです。多くの有権者が棄権する中で、形の上では離反していった層が、実は相対的に安倍自民党を浮揚させてしまった選挙でもありました。
「関心がないから棄権？　政治的無関心が呼ぶ政治の独裁」
　日本の若者の選挙離れが問題であるかのように言われることがありますが、それを憂えているのは、自民党でも政府でもありません。
　この無関心層によって自民党や公明党が浮揚しているのですから、当然です。
　選挙なんかに関心が持たれてしまっては、今後の悪政ができなくなります。しかも若者には、今の日本国の借金をすべて背負ってもらうことになっているのですから！
　若者の無関心は、意図的に作り出されたものです。中学、高校でも選挙の重要性や、国政に関心を持つようなことは、意図的にさせてこなかったし、教職員が自発的にやろうものなら、偏向左翼教育としてバッシングを繰り替えてしてきたのですから、このような状態で若者が国政や選挙に興味を持つ方が不思議です。
　しかも現状の若者層は確実に劣化しています。
「現代の若者像　今も昔も変わりない？」
「今時の若者は～　は間違い？」
　日本の支配層が国民を支配しやすいように劣化させられていると言っても良いと思います。

　また小選挙区制の弊害はこの選挙でも露骨に示してくれました。
　比例区の投票結果を基にすれば、各党の配分議席は大いに異なります。



　安倍氏は、選挙が終わるや否や、改憲を言いだし始めました。選挙期間中は自民党議員候補者は改憲など口にしていません。
　北海道に配布された自民党の選挙ビラには「改憲」の文字すらありませんでした。
「景気は後退　それでも「景気回復、流れを止めるな！」ですか。吉野家３００円→３８０円　それより国防軍創設を言わないの？」

　安倍氏がこれが争点になっていたと言い出すのであれば、それは詭弁以外なにものでもありません。憲法改正などは、アベノミクス以上に重大な政策です。安倍氏が今後4年間でこの憲法改正を具体化したというのであれば、それを正面から訴えるべきであり、それをしてこなかった自民党議員たちは、その意味では「大嘘つき」ということになります。

　もちろん、安倍氏がやろうとしていたことは、最初からわかっていたことでもあります。
「安倍氏による衆議院解散の大義　見透かされる党利党略　自民党の「争点」はこれ！」
　とはいえ、安倍氏ら自民党が自ら「わかっていたことでしょ！」などというのは、暴言そのものです。インターネットの片隅に小さな字で「有料」と書いてあって、それに気づかずにクリックしたら、カネを請求する悪質サイトと同じレベルです。
　「気づかないあんたが悪い！」

　民主党も海江田代表が落選しましたが、今の民主党を象徴しています。政策がどっちにつかずのグレーな政策は、国民の支持を失いましたが、まさに海江田代表の人柄を表しているし、それは今の民主党がグレーであることの象徴でもあったからです。
　消費税大増税を決めた野田民主党政権に失望したということが未だに民主党には理解されていないということなのですが、それは今回の選挙で共産党がその批判票の受け皿になっていたという現実を直視すべきであり、これができない以上は、民主党の将来はありません。
　鳩山政権が何故、誕生したのか、できたのかということに思い至るべきでしょう。
「民主党野田首相の民主党の破壊　鳩山元首相を切った民主党の末路」

　いろいろな意味で、今回の衆議院選挙は、日本社会が劣化していることを示してくれました。
　その中で唯一の希望は沖縄の選挙結果です。嘘つき自民党が全員落選しました。
　沖縄県民の意思が改めて示されました。それに関わらず、安倍自民党政権は、辺野古移設を淡々と進めていくと表明しています。
　このような自民党の抑圧支配の姿は、沖縄だけにとどまるものではありません。沖縄を教訓とすべきであるし、沖縄での選挙結果こそ、あるべき結果といえます。


ブログランキングに登録しています。
クリックをお願いいたします。

にほんブログ村

人気ブログランキングへ