生後4か月の乳児の首をひねって窒息死させるという痛ましい事件がありました。
何でもアトピー性皮膚炎、ダウン症に効果があるという触れ込みですが、乳児の首をひねるなどという野蛮な行為によって治るはずもなく、このような魔術的なものが未だに横行していることに暗澹たる気持ちになります。
西洋医学で治らないものを魔術的なもので治るはずもなく、親が子の健康状態を心配する余り、このようないかがわしい「ズンズン運動」のようなものに頼ろうとする様は悲壮感が漂っています。
親としては西洋医学で治らないものを、何としても治癒させてやりたいという親心そのものであり、まさかこのような結末を迎えるとは思っても見なかったでしょう。
今回、行われれていた施術が有料か無料かはわかりませんが、少なくともこの容疑者は、もしかすると心底、自分の施術が正しいと確信していたのかもしれません。
しかし、そうなると既に魔術の世界です。
何の根拠もなく、自分が思い込んだ施術方法に何ら疑いを持たず、過去にやはり乳児が死亡しているにも関わらず、一切の教訓とすることもなく、改めようともしない、やめようともしないのは、一般的には全く常識的な意思疎通もできないということもでもあります。
時折、キツネが取りついたとかいって人を縛り上げたり、暴行を加えたり、あるいは高熱を発しているのに、今、キツネと闘っているなどと言って水も飲ませない、その挙げ句、死に至らしめている事件が起きますが、当の実行者たちは本気で信じ込んでいる節があります。
こういった人たちの存在自体、恐ろしいですが、こういった人たちにすがってしまうこと自体、私たちは考えなければならないことです。
ガンになり、末期と言われればもはや西洋医学では命を長らえるのは難しい、だから西洋医学ではないものにすがる、このような心理は痛いほどわかりますが、だからといって、それ以外の療法に頼ってみても、結局のところカネを巻き上げられるだけのものにすぎず、一定期間、自己満足を得られて精神が落ち着くのであればいいですが、そんなまがい物で気持ちが落ち着くとも思えません。
結局、次から次へとカモにされていくだけです。
これ自体は悪質商法の1つでしかなく、売りつける方も効用などないことなど百も承知でしょう。
少なくとも本気で信じ込んでいる人と最初から欺してカネを巻き上げることを目的としている人の区別はつきにくいですが、考えてみれば区別をつける必要もありません。
どちらも結論において、いかがわしいのです。
現実には、私たちは弱い部分がたくさんあり、いつでも付け込まれかねない情況です。
例えていうのであれば、血液型占いに依存していたり、本気でその血液型によって人の性格が決まるなどと非合理なことを言っているようではダメなのです。
いつでも欺される下地が蔓延していないのかどうかが問われています。
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