稲田朋美氏 TPPによって労働力が不足？ だから雇用を流動化させよという暴論 TPPの対立は国家間の問題ではない

　昨日、衆議院予算委員会での稲田朋美氏の質問がラジオ（NHK）で中継されていました。
　稲田氏は、TPPを持ち上げるだけ持ち上げていました。今回の交渉があたかも日本の国益を守ったかのごとく主張（質問）しているのですが、その中でも滑稽だったのが、米国では、TPPについて米国議会から不満が出ている、だから日本が国益を守ったのだという論法です。
　本当に下らないとしかいいようがない主張です。
　TPPの本質は、国家間の争いという側面はありますが、それ以上に財界など一握りのカネ持ちが、世界で自由にカネ儲けをしたというためだけの基盤整備にすぎません。
　その場合のカネ持ちは、日米その他の諸国などどこに所属していようとも利害は一致しているのです。
　むしろ、対立は国内においてあるのであって、先進国ではTPPによって儲けるんだという財界と、それによって虐げられる労働者、地方生産者、第1次産業従事者との対立です。
　従って、日米間の争いのような図式でとらえると問題点が矮小化されるというより、すり替えられます。稲田氏の論法は、まさにこれです。

　他方で、稲田氏は日本の経済は発展するんだ、しかし、そのための労働力が不足しても困る、だからこそ一層の雇用の流動化が必要だなどと主張していました。
　要は非正規雇用を増やせ、そのための障害となっている規制を取っ払えということにつながるのですが、これでは労働者は使い捨てにしかなりません。
　現在、解雇を金銭で解決したらどうかということが検討されています。
「解雇の「金銭解決制度」弁護士が批判「違法解雇のハードルを下げてしまいかねない」」（弁護士ドットコム）
　このような制度ではカネさえ払えば自由に解雇できるということになりかねません。これまでの終身雇用制度を根底からひっくり返すことになります。

　また稲田氏は、地方の中小企業についても触れていました。素晴らしい技術を持った中小企業が成長できるようにというのですが、多くの中小企業は輸入品との闘いです。
　中小企業が大企業からの下請けイジメに遭っている中では、とてもTPPの恩恵を受けるとは思えません。
　稲田氏の論法は、一部の特殊な中小企業を例に挙げているだけで、一般的な中小企業は全く念頭にはありません。中小企業は財界のカネ儲けのための捨て駒でしかないからです。

　TPPは日本の国益のためではありません。財界のためだけのものです。
　TPPを推進する自民党政権にこそ退陣してもらいましょう。
「JAにも変化　宮城県議選と共産党の議席増　改めて野党間の選挙協力に期待する」


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