フランスでは、パリ同時テロにより国全体がナショナリズムに高揚しているよう見えます。オランド大統領は「イスラム国」との戦争状態を声高に叫んでいるようですが、もともと空爆により戦争状態に突入したのはフランス側です。
その報復としてパリが狙われたということであり、そもそもフランス国民はフランス政府の軍事介入をどのように考えていたのでしょうか。
空爆であり、所詮、「イスラム国」には迎撃能力もないからフランス軍の犠牲は出ないだろう、フランス国内も安全などと考えていたのでしょうか。
フランスは、アフガニスタン、アフリカのマリや中央アフリカにも軍事介入をしていますが、止まることのないこの軍事介入政策の延長線上にパリ同時テロがあったわけであり、それまでのフランス国民の姿勢も問われるわけです。
このような中でフランスではオランド大統領により非常事態宣言が出されています。
「
フランスでは非常事態宣言の延長、国籍剥奪 日本では共謀罪、憲法「改正」だ」
大統領に強力な権限を与えることになります。
繰り返しフランス国歌が流されているそうですが、どうみても国民にナショナリズムを高揚させることが目的ということがあまりに露骨です。
その結果でしょうか、同時テロ事件前の3倍の軍隊入隊志願者があったというのです。
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パリ同時多発テロ:仏軍入隊ネット受け付け 事件前の3倍」(毎日新聞2015年11月23日)
これをウヨク勢力は「愛国心」などと絶賛するのでしょう。しかし、煽られるナショナリズムと高揚感の中で志願が増えているだけでしょうし、それが行き着くところは、「お前は志願しないのか!」だったり、「愛国心を批判するのか!」というような疑問や反対が封じ込められる社会です。
この同時テロ事件をきっかけにオランド大統領の支持率が上がったそうです。
「
フランス:同時多発テロ後にオランド大統領の支持率上昇」(毎日新聞2015年11月23日)
それでもその支持率は20%が27%への上昇というレベルですから、フランス国民も政権に厳しいのかなと思いきや不支持73%の理由は、「テロを防げなかったことに対する批判や過激派組織「イスラム国」(IS)への空爆強化など政策への不満が背景にあるとみられ」ということであり、テロを防げなかったという人ごとのような理由はどうかと思います。空爆強化などへの不満の方の理由は私も共感するところです。
9・11テロのときのようなブッシュ大統領の支持率が90%という異常な状況よりはよほど健全な調査結果と言えますが、それでも政権によって非常事態宣言だ、国歌だ、報復だ、なんてやっている状況をみてみると、戦時体制というものの異様さをまざまざと見せつけてくれました。
自分から手を出しておきながら、そのことを全く失念したような状態で高揚していく姿に「大国」としての傲慢さも感じますし、これでテロ行為を防止できるとも思えず、抜けられない泥沼のようです。
根本的な政策転換が必要です。日本はこの事態を改めて教訓とすべきです。
「
安倍総理「断固非難する」 テロとの闘いに邁進 本当にテロを未然に防げるのですか?」
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