3月11日に開催される臨時総会ですが、招集請求者案について、再度、以下のとおり批判するものです。
この内容については、明日、札幌弁護士会の全会員に配布します。
3.11臨時総会について 減員運動を分裂させることを目的とした鈴木秀幸氏らの招集請求者案を否決しましょう! 理事者から「さつべん通信」が配布されましたが、その中に臨時総会についても論じられています。
私は、別の視点から招集請求者案について、改めて述べてみます。
この招集請求者案の一番の特徴はすべて食えない論で終始していることです。前回の常議員ニュースでも述べましたが、それを外部(議員、マスコミ、利用者などなど)に向かって声高に叫んでも支持は全く得られないということです。
招集請求者側はどのようにして決議を実現するつもりでいたのか、鈴木秀幸氏がとんでもない珍論を披露しました。
自民党議員の大半は1000人以下にすべきと考えている。中には保岡興治氏のような増 員を推進した人もいるが、何が障害かといえば日弁連が1500人だと言っていることだ。 日弁連が1000人以下といえば自民党が1000人以下にしてくれるんだ。 |
日弁連が1000人と言わないから自民党議員が動けないというのです。私たちが議員陳情をしていても、そのような感触は全くありません。1500人ですら減員のために動いてくれるということからはほど遠く、実感としては自民党議員は「聞き置く」という程度です。
1000人以下にしてくれる自民党内の有力者がいるなんて聞いたこともありません。鈴木氏の話は全く具体性のある話ではないのです。
そればかりか決議の理由の論調は日弁連執行部批判ばかりです。以下、抜粋です。
ところが、1990年4月に日弁連会長に就いた中坊公平氏は、専門委員会と単位会の意見 及び会員の意思を無視して、これまでの日弁連の司法問題に関する路線を転換しようと した。(略)会員の約60%を占める東京と大阪は、派閥が中心となって委任状を集める ことを強引に行い、審理を打ち切って、弁護士人口激増と修習期間短縮の執行部案を強 行採決した。日弁連自身が弁護士を窮地に陥れてきた。 |
司法に政治と経済界の論理を持ち込んだ弁護士大量増加政策について、日弁連執行部は、 未だに反省せず、司法改革の破綻を隠そうとする意図などから、危機の本質を見誤り、 法曹志望者の減少や政治家(一部)【注:この(一部)の文言に鈴木氏の「反スタ』理論が凝 縮!】を説得できないことなどを理由に挙げて、弁護士の経済問題を真正面から取り上 げることを拒み続け、現在も同様である。 |
こんな日弁連執行部糾弾ビラをもって国会議員のところへ要請に行けというのですか。
愛知県弁護士会の纐纈先生(元日弁連副会長)は草の根の運動みたいなのが必要ということを述べていました。しかし、この「食えない」決議でなければならないという具体的な必要性については一切、語られずじまいです。
かえって反発されるだけではないかと思われるような決議案が何故、採択されなければならないのか非常に疑問です。
これではかえって「まず早期に1500人」すら達成できなくなりかねないものです。
日弁連執行部案と招集請求者案の第1項の目指すべきベクトルは同じ ここが重要な点です。執行部案の目指すべき方向は、まずは1,500人であり、昨年度の司法試験合格者数が1810人でしたから減員の方向性は招集請求者案と同じです。
その後は1000人を目指すのか、その時点で検証を求めるのかという違いはありますが、少なくとも1500人への減員方向であることに変わりはありません。
今すべきことは1500人に向けて日弁連全体が一丸となって減員のための運動をすることであり、1000人か1500人かの議論をしているときではありません。
ところが、招集請求者たちは、「違う、執行部案は1500以上を目指すものだ」というのです。鈴木一派にその理由を質問しても結局、彼らの回答は決議案そのものから導けないのです。他の日弁連執行部の言動を問題にしたり、法科大学院制度を擁護していることや、特に昨年6月の「法曹養成制度改革推進室作成の法曹人口の在り方について(検討結果取りまとめ案)」に対して抗議しなかったということを上げるのです。
しかし、「法曹養成制度改革推進室作成の法曹人口の在り方について(検討結果取りまとめ案)に関する会長声明」では明確に次のように述べています。
しかしながら、他方で、本取りまとめ案には、これまで司法試験合格者を毎年1800人な いし2100人程度の規模で輩出してきたことについて「一定の相当性」があるとし、また、 「直近でも1800人程度の有為な人材が輩出されてきた現状を踏まえ」るとするなど、1500 人程度を上回る規模の司法試験合格者数をも視野に入れたかのような記述も含まれてい る。 前述した法曹養成制度の深刻な状況と、この間の法曹志望者減少の推移を踏まえると、 当面の司法試験合格者数について1500人程度を上回る規模とすることは、現実的な基盤 を欠き、現状に対する危機感を欠如したものと言わざるを得ない。 |
そして、先般、招集請求者たちからFAXが送られてきました。内容が滅茶苦茶です。
「直ちに1500人にし」(招集請求者案)と「まず司法試験合格者数を早期に1500人とする」が大きな違いがあるというのですが、これ自体、デタラメなのは上記に述べたとおりです。問題なのは決議をした上でどのような運動でこれを実現するのかです。この招集請求者たちは、この運動の視点が全く欠落しているのです。
それでいて「違い」などと言ってみても何の説得力もありませんし、何よりもこの間も鈴木一派は自ら減員に向けた行動を何も行っていません。日弁連執行部が減員に向けた活動をどの程度、本気で取り組んでいたのかという評価の問題はあります。しかし、招集請求者たちは、自分たちでは全く行動しないという問題を棚上げし、この執行部への評価の問題とすり替えて自分たちの案を正当化しようとしているだけで、極めて悪質です。
この人口論に関する決議は自己完結型のものではなく、どのように実現するのかが重要であるにもかかわらず、その点を一切、語らないのは無責任の極みです。
内容自体が運動を見据えた決議案ではなく(食えない論を持って行っても誰も相手にしてくれないし、ましてや日弁連執行部糾弾ビラではバカにされるだけです。)、すべて自己満足のためのもので有害でしかありません。否決あるのみです。
招集請求者たちは、仮にこの食えない論決議が可決されたとしても日弁連執行部に運動を押し付けるだけで自分たちは何も行動をしない、そういう人たちです。このような無責任な運動に加担するわけにはいきません。
今後、鈴木秀幸氏らには二度と表舞台に出てきて欲しくはありません。分裂させることだけを目的にしたこのような人物が野放しにされてきたことに今、改めて憤りを感じます。
ブログランキングに登録しています。
クリックをお願いいたします。
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
- 関連記事
-
スポンサーサイト