神原元・弁護士の見解に反論する ヘイトスピーチについて改めて考える

　先般、私は、ヘイトスピーチについて意見を述べてきました。
「ヘイトスピーチの実力阻止は行き過ぎ　警察が味方と思ったら大間違い」
「ヘイトスピーチデモを「警察と一体となって」阻止することの問題が問われている」

　この川崎でのヘイトスピーチデモに対する実力阻止については、私はやはり問題であり、しかもそれが警察の黙認の下で違法行為に及ぶに至っては、それは「警察と一体となって」という評価を受けても当然であり、従って、やるべき行動ではないと思っています。
　はっきり言えば、ヘイトスピーチデモに反対する人たちが阻止したというよりは、警察権力の手のひらの上で踊らされているという構図だということです。

　常識的にみても、このような実力による阻止行動は、騒乱にしか見えなくなってくるわけで、そもそも多くの人たちの賛同を得ることも難しくなってくるでしょう。
　ヘイトスピーチを警察権力の黙認のもとで行われる実力阻止は、暴力による連鎖と全く同じであり、それがいつ自分に暴力という形で跳ね返ってくるのかという問題です。
　デモという方法それ自体が権力による標的とされかねません。

　これに対して、神原元・弁護士は、ツイッター上で、「これでは「警察がデモを許可した以上、住民はそれに従え」と言っているに等しいのでは？」と批判されています。

これでは「警察がデモを許可した以上、住民はそれに従え」と言っているに等しいのでは？→ヘイトスピーチデモを「警察と一体となって」阻止することの問題が問われている https://t.co/noAwT0dJc8

— 弁護士神原元 (@kambara7) 2016年6月8日

　警察がデモを許可するのは当たり前のことです。ヘイトスピーチだから許可しないというのでは、内容によって審査していることになり、ますます警察権力が肥大化していきます。
　それ以上に、私の批判、意見をどのように理解すると「住民は従え」ということになるのでしょうか。
　「警察と一体となって」実力阻止することが問題だと言っているのですが、ヘイトスピーチに対する批判行動をするななどと一言も申してはいませんし、当然、批判行動はすべきです。その態様を問題にしているのです。
　神原氏は、どうやら実力阻止以外の態様は、批判として認めてないようなのですが、その発想の方が問題でしょう。

　神原氏のほかにも「ヘイトスピーチの問題がわかっていない」という批判も散見しましたが、相手がヘイトスピーチであれば何をやってもいいんだという発想にしか聞こえません。

続編を掲載しました。
「シットインが向けられた先にあるものが権力なのかどうかが問われている。神原元氏に対して改めて見解を述べておく。」

ブログランキングに登録しています。
クリックをお願いいたします。

にほんブログ村

人気ブログランキングへ