天皇が、天皇をやめたいと言ってからしばらく経ちます。
止めたくもて止められないということは非常に辛いことだと思います。
天皇制にとっては世襲制こそが命なのですが、世襲制と退位自体がダメということとは必然的な関係にはありません。
さて、政府は有識者会議を設置して議論しているということになっていますが、パフォーマンスです。
国会で審議するのではなく、勝手に選んだ有識者会議ということで最初から結論ありきの国会軽視のための手法です。
「
天皇の生前退位 審議会とか有識者会議というやり方の怪 感想や持論を述べ合うだけで結論が出る出来レース」
この有識者会議が招いたのが櫻井よしこ氏だったり、渡部昇一氏なのですから安倍政権としては、ヒアリング対象として最初から予定していた人たちでしょう。この人たちを有識者会議のメンバーにすると露骨な人事ということになってしまうから(最初から特別法による退位を認める結論のため、相容れない人事ということになりますが)、有識者会議でヒアリングするということで「調整」するという構図です。
「
有識者会議で櫻井よしこ氏が意見陳述「譲位に代わる摂政か、そのほかの道を探るのがよい」」(産経新聞2016年11月14日)
極右連中にとっては天皇の生前退位など、天皇制そのものを脅かすことになりかねないという危機感があります。
この人たちが「安定」ということ口にしているのはこのような趣旨です。
「
八木秀次氏ら極右の人たちは天皇の生前退位に反対しているが、これほどの身勝手な主張はない」
「安定」を説明するのに後醍醐天皇まで登場させる滑稽さ
止めたいと言っているんだから、止めていいでしょ、とても単純なことです。
戦前のような特権的な地位もなくなってしまい(皇族という身分自体は特権ですが)、今や世継ぎ問題がどうにもならないくらいになっているのですから、もう時代にそぐわない制度ではあるのです。
これについての世論調査結果が報じられています。
「
「女性・女系の議論を」82% 「退位、恒久制度必要」70% 皇室世論調査」(西日本新聞2016年11月20日)
「天皇の生前退位は「できるようにした方がよい」が89%と圧倒的で、「現行制度のままでよい」は9%だった。生前退位の法整備を進める場合、70%が「今後の全ての天皇を対象にした方がよい」と回答。皇室典範の改正が必要となる恒久的な制度の必要性を認めた。」
「女性・女系天皇の容認派は85%で、反対はわずか10%」
世論調査で天皇の生前退位を認めよというのが圧倒的多数というのは当然としても(ただ、天皇が「お言葉」を発したから賛同しているだけだったら問題がありですけれど)、宮家もいいんだというのは困ったものです。
世論調査では恒久的な制度を求めているのが70%というのですから、かなりの多数です。自由意思の尊重ともいえます。
しかし、女性宮家を何故、認めるべきなのでしょうか。
皇太子の長女は、極めて厳しい状況になっています。皇太子の娘という押し潰されそうな息苦しい状況に置かれてしまったことの問題を抜きに、女性宮家ということはさらなる重圧を与えることになりかねません。
それとも天皇の二男のところの子たちが天皇になることを想定しているのでしょうか。マスコミ受けが良いようですが、どう見ても私には、見世物にされているようにしか思えません。
それも今は、まだ若いですから笑顔で応えていますが、今後はどうかなと思うわけです。実際の生活はがんじがらめに拘束された人生になってしまっているわけですから、天皇ということになると一般的な人としての生活ではなくなります。
女性宮家はどうかと聞かれれば、普通は「何故、男子に限られなければならないのか。不当な差別だ」という発想になれば、女性宮家の容認になりやすいとは思います。
しかし、実際に置かれた環境を見るならば私は女性宮家に賛成するわけにはいきません。犠牲者を増やすだけだからです。
「
「女性宮家」の検討の行き着く先」
もっとも、そこで退位の自由、ひいては皇族離脱の自由を保障するというのであれば話は違ってくるかもしれません。一生、背負い続けなければならないということになると重圧が大変なものでしょう。いつでも止められるということになれば、少しは気が楽になるからです。
とはいえ、周囲を取り巻く雰囲気として簡単に退位や離脱を表明できるのかどうかということになると中々、その表明自体、ひどい重圧がかかります。
退位の自由、離脱の自由を認めるのは当然ですが、だからといって女性宮家を容認すべきではないのです。
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