青山学院大学法科大学院の募集停止 後藤昭先生に敬意を表する
- 2017/05/31
- 18:39
青山学院大学大学法科大学院が学生募集停止を発表しました。
http://www.lawschool-aoyama.jp/blog/news/2017/05/post-96.html

青山学院大学大学法科大学院には私は全く思い入れはないのですが、この公表が後藤昭先生のお名前であることにとても感慨深いものがあったため、一筆残しておきます。
もともと後藤先生は一橋大学法科大学院で教鞭を執られ、非常に熱心に学生指導をしていた方とお聞きしています。
札幌弁護士会でも2012年秋に行った法科大学院制度に関するシンポジウムのパネリストとしてお招きしています。
また私は東京で行われたシンポジウムにも参加し、後藤先生のお話を聞きました。
後藤先生は、法科大学院制度は生まれたばかりで今、誰もが必至になって支えなければならない、他の教員の熱意のなさに対する憤りを口にされていたことがとても印象的として残っています。
制度を立ち上げ、それに魂を入れるためには担い手がどれほど頑張れるのかということになるのですが、後藤先生にしてみれば、とてもじれったく思われていたことでしょう。もちろん精神論だけで制度を維持することはできませんが、それでも熱意が不要なわけではありません。
後藤先生のご発言の中には問題ではないかというご指摘もありますが(という趣旨ではないのかもしれません。私も後藤先生のお話で聞いたような記憶があります。)、これ自体は見解の相違でしょう。
「伝聞法則の難しい問題は、刑事の法廷でバリバリ活躍したい人がしっかり勉強すればいい。しかし、企業法務でやっていきたい人がそれを理解する必要はない。全員に理解しろというのは効率が悪すぎる。」
「刑訴の教育について、現在の司法試験で求められる理解の水準を法曹になろうとする者全員に要求するのは無理。また、それは必要でもない。」
「【速報】青山学院ローが募集停止(35校目、残り39校)」(Schulze BLOG)
法科大学院制度の目的どのように考えるのかという観点から考えたとき、恐らく司法審意見書(2001年)は、この後藤先生のお考え(ビジネス資格)に近かったのではないかと思います。
こういった制度論についても議論が不十分なまま見切り発車となり、現場の法学部の教員にとっても上からの指令で創設することになった法科大学院での強弁に熱が入らなかったというのも必然の結果だったのかもしれません。
そのような中で、最後まで熱意をもって法科大学院において教鞭を執られてきた後藤昭先生に敬意を表します。
お疲れさまでした。
ブログランキングに登録しています。
クリックをお願いいたします。

にほんブログ村

人気ブログランキングへ
http://www.lawschool-aoyama.jp/blog/news/2017/05/post-96.html

青山学院大学大学法科大学院には私は全く思い入れはないのですが、この公表が後藤昭先生のお名前であることにとても感慨深いものがあったため、一筆残しておきます。
もともと後藤先生は一橋大学法科大学院で教鞭を執られ、非常に熱心に学生指導をしていた方とお聞きしています。
札幌弁護士会でも2012年秋に行った法科大学院制度に関するシンポジウムのパネリストとしてお招きしています。
また私は東京で行われたシンポジウムにも参加し、後藤先生のお話を聞きました。
後藤先生は、法科大学院制度は生まれたばかりで今、誰もが必至になって支えなければならない、他の教員の熱意のなさに対する憤りを口にされていたことがとても印象的として残っています。
制度を立ち上げ、それに魂を入れるためには担い手がどれほど頑張れるのかということになるのですが、後藤先生にしてみれば、とてもじれったく思われていたことでしょう。もちろん精神論だけで制度を維持することはできませんが、それでも熱意が不要なわけではありません。
後藤先生のご発言の中には問題ではないかというご指摘もありますが(という趣旨ではないのかもしれません。私も後藤先生のお話で聞いたような記憶があります。)、これ自体は見解の相違でしょう。
「伝聞法則の難しい問題は、刑事の法廷でバリバリ活躍したい人がしっかり勉強すればいい。しかし、企業法務でやっていきたい人がそれを理解する必要はない。全員に理解しろというのは効率が悪すぎる。」
「刑訴の教育について、現在の司法試験で求められる理解の水準を法曹になろうとする者全員に要求するのは無理。また、それは必要でもない。」
「【速報】青山学院ローが募集停止(35校目、残り39校)」(Schulze BLOG)
法科大学院制度の目的どのように考えるのかという観点から考えたとき、恐らく司法審意見書(2001年)は、この後藤先生のお考え(ビジネス資格)に近かったのではないかと思います。
こういった制度論についても議論が不十分なまま見切り発車となり、現場の法学部の教員にとっても上からの指令で創設することになった法科大学院での強弁に熱が入らなかったというのも必然の結果だったのかもしれません。
そのような中で、最後まで熱意をもって法科大学院において教鞭を執られてきた後藤昭先生に敬意を表します。
お疲れさまでした。
ブログランキングに登録しています。
クリックをお願いいたします。

にほんブログ村

人気ブログランキングへ
- 関連記事
-
-
「年収100万でファミレスバイト掛け持ち」はネガティブキャンペーン? 法科大学院制度を維持したければ問題点を直視せよ 2017/12/22
-
法科大学院未修者コースの終焉 3割枠の撤廃 想定していたのは法科大学院に優秀な志望者が殺到すること 2017/11/26
-
臨床法学教育学会 佐藤幸治氏の特別講演 認可される法科大学院数は20から30のはずだった 2017/06/03
-
青山学院大学法科大学院の募集停止 後藤昭先生に敬意を表する 2017/05/31
-
産経新聞の「主張」を元に法科大学院制度の問題点を考える 司法試験との関係を切らない限り、法科大学院制度は維持できない 2016/10/05
-
これからの司法と法曹のあり方を考える弁護士の会 今週の一言 2016/09/21
-
これからの司法と法曹のあり方を考える弁護士の会 今週の一言 2016/09/21
-
スポンサーサイト