臨床法学教育学会 佐藤幸治氏の特別講演 認可される法科大学院数は２０から３０のはずだった

　今年4月23日、臨床法学教育学会創立10周年記念大会で、佐藤幸治氏が特別講演をされました。
「法曹養成制度の理念と現実そして展望－なにが現状を招いたのか」
（まだホームページは未完だそうです）

　残念ながら私は参加できませんでした。司法改革の中でとりわけ法曹養成制度の惨状を招いた張本人がこの佐藤幸治氏だからです。

　報告として伝え聞いた内容ですが、一番驚いたのは、佐藤幸治氏は、法科大学院として認可されるのは20から30を想定していたと言うのです。

失敗の原因を人のせいにしてはいけない



　本当ですか。当時、72校も認可されてしまったのですが、その前から全国のあちこちから法学部を抱える大学から手が上がっていたのですが、あなたは無言でしたねよ。むしろ喜んでいたのではないですか。

　それどころか、2002（平成14）年に出版された『司法制度改革』（佐藤幸治、竹下守夫、井上正仁著）の中で、このように述べていたことを覚えていらっしゃいますか。
「この3000人に関連して、付け加えておきたいのは、これで止まるという趣旨ではないということです。先ほど来「当面」という言い方をしてきましたが、3000人というのは、まず目指すべき目標数字であって、そのために法科大学院を作って、やりましょう、ということなのです。法科大学院に対する批判の1つに、法科大学院の数がだいたいこれに見合うようになっていて、結局は法曹人口を抑えることになるのではないか、というものがあります。それは全くの誤解であって、法科大学院には法曹人口を抑止する、ある時点で抑えるとかいうような意味合いは全くありません。」（204ページ）

　3000人でも目標数字に過ぎず、さらに増員することも想定されておられたのですから、それが何故、今20～30を想定したということになるのでしょうか。
　あとからそんなつもりじゃなかったなどというのは非常に無責任です。

　佐藤幸治氏は、朝日新聞2011年6月7日付に掲載されたコメントでも3000人は維持すべきだ、理念は正しかったなどと言っていましたが、法科大学院を認可し過ぎたなどとは言っていませんでした。
「佐藤幸治氏の暴論」

　こういった反省のない人たちに謙虚さはなく、人材養成に関わる資格のなかった人たちだということです。


ブログランキングに登録しています。
クリックをお願いいたします。

にほんブログ村

人気ブログランキング