文科省による内部告発 義家弘介文科副大臣「国家公務員法違反」という恫喝 秘密で守ろうとしているのは安倍氏であり国益ではない

　文科省では「官邸の最高レベル」文書の存在について「確認中」です。
　国民の批判が強まる中で、慌てた政権が「再調査」を言い出したのが発端です。
　今日にでも調査結果を公表するそうです。今さら「確認できなかった」などと言えませんから、「確認できた」ということにはなるでしょう。

　ところで、この公表に先立ち、質問に答えるという形で義家弘介文科副大臣が文科省の内部告発者を国家公務員法違反になる可能性があると述べました。
「加計問題の内部告発者、処分の可能性　義家副大臣が示唆」（朝日新聞2017年6月13日）
「一般論」と断った上で、「告発内容が法令違反に該当しない場合、非公知の行政運営上のプロセスを上司の許可無く外部に流出されることは、国家公務員法（違反）になる可能性がある」

　国家公務員に脅しとして作用する守秘義務です。罰則もあります。何という恫喝でしょうか。

　しかし、森友学園、加計学園問題が守られるべき秘密ですか。
　だいたいが官邸の意向だといって行政をねじ曲げてしまったことが今、一番、問われているときに、それが守られるべき国家秘密であろうはずがありません。

　安倍氏は、事務次官を辞した後に告発をした前川氏に対しては、反対だったのであれば現職のときにオレのところに来ればいいんだと恫喝し、松野文科相に至っては、問題となった文書について、実名で顔を出せば、所在について検討するなどと言っていたのです。
「加計学園問題　自民党に自浄能力はない　こんな自民党でいいんですか？　擁護する経団連榊原会長、読売新聞」

　松野氏は、自ら実名で顔を出せ、などと言っていたのですが、ここに来て急きょ、「再調査」を言い出したいのは、本当に実名での告発されるのではないかという観測も出ていたからです。
　松野氏の発言は、こういった文科省内部からの実名告発を潰す目的だったのでしょうが、逆効果、そのため慌てて「再調査」を表明せざるをえなくなったということです。
　それが今さら、実名で告発したら処分するなどというのは、もはや何の正当性もない恫喝です。
　安倍政権が特区を利用した政治の私物化が何故、守られるべき国家秘密になるというのですか。

優しさとは無縁の恫喝が板についているヤンキー上がりの義家弘介文科副大臣



　これで思い出すのは、西山事件でしょう。沖縄返還時に日米の密約が暴露された事件ですが、漏洩した公務員と取材した記者が有罪判決を受けた事件です。
　政府は日米密約を存在そのものまでひた隠しにしていましたが、それを暴露するのは国益を害するというのです。日本政府が米国に従属しているだけのことが露見してしまうと、なお一層、日米安保に対する反対の声が強くなることは目に見えていたし（国民に秘匿していたのは体制を守るためでしかないといこと）、そのようなものが国益でも何でもないのですが、仮にそれが日米の国家間の「約束」であり、それ自体が国益だと言えたとしても、今回の森友学園、加計学園問題は、このレベルには遠く及びません。
　なぜなら、今回の問題は、単なる安倍氏による税金の私物化だからです。秘密として秘匿されなければならない情報では全くありません。
　むしろ公にしなければならない情報です。
　本来の選定過程は透明でなければならず、それが公正さを担保するものです。
　選定過程を全くのブラックにしてしまって、その過程が見えないということになると、そこに不正は不可避となります。公正かどうかすらもわからない、ということになります。これでは誰も納得しないのです。

　このような税金、国政の私物化が露呈してしまえば、安倍政権は倒れます。
　この場合の秘密にすることによって利益を受けるのは、国益ではなく、安倍氏です。だからこそ、保護に値する国家秘密でもなんでもないということです。

　安倍氏を守るために恫喝までする、なりふり構わぬそのやり方は、尋常ではありません。このような日本の政治状況ははっきりと異常です。



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