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オウム真理教元幹部に対する死刑執行劇は異様 死刑が政治利用され、マスコミが煽る構図 死刑廃止を考える転換期
2018年07月08日01:13
 オウム真理教幹部らに対する死刑が執行されました。3月末にはそれぞれ死刑執行ができる拘置所に分散させられていたので執行は間近だという観測は流れていました。
オウム教団幹部の大量処刑か、死刑執行の政治利用は許されない

 今回の大量処刑が政治的なパフォーマンスであったことは疑いようがなく、いつもであれば執行した後に、こっそりと公表するというスタイルでしたが、事前にマスコミを集めてわざわざリークし、中継させるという意図的に利用しました。
 オウム真理教元幹部であるが故に行われた手法ですが、高揚させるための手法です。テレビ局各社は、堂々とそのやり方に乗せられてしまいました。各社横並び、バスに乗り遅れるなと言わんばかりの報道姿勢は、批判的観点は皆無です。
 中には執行されるごとに「執行」のシールを貼っていく手法がひんしゅくを買っていました。
死刑囚写真に次々「執行」シール TV演出に疑問の声も」(朝日新聞2018年7月6日)
「テレビ各局は朝から一斉に放送を臨時ニュースに切り替えた。同じ日に7人執行という過去にない展開を受け、テレビ局に入ってくる情報は刻々と変化。取材で得た執行状況をリアルタイムで伝えたり、死刑囚の顔写真に執行が済んだことを示すシールを貼ったりするなど異例の報道になった。」

 上川陽子法務大臣は慎重に検討したと述べていますが、この場合の「慎重」とは文字通り記録を精査して慎重に判断したという意味ではありません。記録などほとんど読んではないでしょう。7人分ですし、結論ありきだったのですからね。
 要は、「慎重に時期を見計らった」という意味です。

 「慎重」については、門田隆将氏のこの記事はなかなか熱いです。
オウム死刑囚「7人執行」で法務省は「何を隠した」のか」(ブロゴス)

 今回のような死刑執行(大量処刑)が世界の趨勢に逆行していることは明らかであるというばかりでなく、こういったやり方が異様であり、違和感を与えたことははっきりしています。死刑制度もやむを得ないと思っていた人たちにとっても異様だったのではないでしょうか。
 欧州各国の共同声明も当然のことです。




 死刑の持つ意味は政治的には国家が国民の生命をも奪うことができるということです。この恐ろしさこそが死刑の持つ意味です。えん罪だけの問題ではありません。欧州などで死刑が廃止されてきたのは人道上のこともさることながら死刑を用いなくても統治が実現できなければならないということです。

 逆に現状の中国で死刑制度を廃止したらどうなるのか、中国共産党指導部は死刑制度なしに治安は維持できないと考えているということです。対象は、殺人事件ばかりではありません。汚職にすら死刑が適用されるということですが、これはある種の政敵を追い落とす手段にもなり得るものです。
 中国では死刑による犯罪抑止力は全く発揮されているようには見えませんが、死刑があるから現状に止まっているということなのでしょうか。

 トルコでは独裁を強めるエルドアン氏が先般、大統領に「再選」しました(選挙の正当性の問題はあるようです)。従前より死刑復活を企んでいましたが、その続報がありません。独裁色を強める一方、権力基盤が弱ければ死刑が有効な統治手段になります。
トルコの憲法改正にみる多数派支配の恐ろしさ 権力の濫用を押さえるどころか権力を拡大させた 憲法「改正」に見る反面教師

 メキシコでは、治安維持を訴えた野党候補が大統領に当選しました。殺人事件が半端でないメキシコですが、死刑制度は廃止しています。
メキシコ、殺人事件が過去最悪 大統領選に影響も」(日経2018年4月24日)
「メキシコの治安悪化に歯止めがかからない。治安当局によると1~3月の殺人事件(過失を除く)は6553件と前年同期を16%上回り過去最悪を更新した。治安問題は7月の大統領選で関心の高いテーマの1つ。」
 死刑制度によって治安が回復できるとは全く思えませんが、このような状態に陥ってしまった中で舵取りをすることになる「反」米政権も前途多難です。

 フィリピンでは、死刑制度は廃止されていますが、ドゥテルテ大統領が麻薬容疑者を裁判にも掛けないで捜査機関が射殺してしまうという荒手の治安対策に突入しています。死刑制度よりも怖いというほうかないのですが、そういった大統領の方針が支持されてしまうほど治安に問題があるということでしょうか。

 いずれにしても、中国やトルコ、メキシコ、フィリピンなどに比べても日本では治安面では全く問題もない中で、何故、死刑制度を存置させておかなければならないのか、いよいよ転換期が来ているということだと思います。

キハ40系


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カテゴリ : 社会

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