2014年6月に旭川市で起きた交通事故ですが、信号のある交差点で70代女性が右折をしたところ、100キロを超える速度で赤信号で突っ込んできた車と衝突、車の運転手、同乗者と信号待ちをしていた高校生の3人が死亡したという事件です。
旭川地検は、嫌疑不十分で不起訴処分としたところ、検察審査会の結論は何と不起訴不当です。
「
RV女性の不起訴不当 旭川3人死亡事故で検審議決」(北海道新聞2019年1月22日)
どこまで予見すべきか
その理由は、「女性が前方をよく見ていれば、乗用車との衝突の危険性を予見して比較的容易に回避できた」というものです。
危険の回避は、極論すればどんなときでもできるのです。こうした暴走車があることすら予見は可能です。
右折を開始したということは矢印右折青信号か、赤信号に変わったときということになりますが、そうしたときに直進車が突っ込んでくることは結構あります。右折車が待っているのに赤信号で突っ込む直進車が何と多いことか。最初から信号を守る気は皆無です。
だからといって女性側に予見可能ということにはなりません。赤信号無視、著しい速度超過の車が来ることまで想定すべきかという問題です。もちろん直進の暴走車が来ていることを確認できているのに右折を始めるというのは自殺行為であり、やってはなりませんが、そうでない場合にまで予見せよとまで言えるでしょうか。
赤信号であれば普通は止まるのです。
時折、右折待ちの車が前方から来る直進車が完全に停車してから右折を開始することもありますが、直進車が明らかに止まるために減速しているのに完全に停車するまで全く動かず右折を開始しないものだから、矢印のない信号では一台しか右折できないというタイミングの悪い場面に遭遇することもありますが、それはそれで安全最優先ということにはなるのでしょうが、仮にそのような運転をしていたとしても100キロ超で突っ込んでくる車が視界に入っていなくても不思議はありません。あるいは明らかに直進車が赤なのに、40~50メートルは先にあるであろう車がそのまま突っ込んでくるとは思わなかったということになります。
どこまで予見できるかが証拠上認定ができない、だから地検は嫌疑不十分で不起訴処分としたのだと思いますが、いずれにせよ起訴案件ではありません(仮に過失があったとしても起訴猶予とすべき事案とも考えられます。どうしても起訴というのであれば略式起訴も考えられます。)。
ここでも直進車が優先だという発想が抜けていないのではないかと思わざるを得ません(検審では、責任の多くは死亡した乗用車の運転手にあるとはしています。)。
「
交通事故における法曹界の思考停止 直進車の方がはっきりと悪の場合もあれば直進車が避けられる事故もある」
求められていることは、こうした無謀運転こそ根絶すべきものです。それによる被害を他に転嫁させてはなりません。
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