危険な煽り運転 しかし、煽られる側にも原因がある場合があるからやっかい

　この日テレで報じられたニュースを見ました。タイトルをみてまたかと思ったからです。
「悪質な危険運転　約2分間に急ブレーキ9回」（日テレ2019年1月31日）



　これだけ見ると割込車はひどいなと思います。
　これが報じ方です。敢えて報じられた順序では示していません。
　一時停止もしないで、幹線道路に入ってきたというのです。
　このアニメーションによると、本当に間近で急に割り込んできた、衝突寸前という印象を受けます。
　で、その後、タイトルにあるように約2分間に急ブレーキ9回というのですから、悪質極まりないということになるのですが、ドライブレコーダーの動画画像を見ると印象は全く逆になりました。






　後続車からかなり離れています。後続車は十分に危険を回避できる距離です。ところが運転者のインタビューでは車一台分、危なかったというものですが、それは割り込んできた車を発見しても速度を緩めていないからでしょう。そうしたらどう考えても「車一台分」になってしまいます。急に割り込まれて、こん畜生とは思わなかったでしょうか。
　しかもその後、パッシングをしたということでした。危険だったよということを知らせるため、と運転者は述べていました。そこに「邪魔」という意味合いはなかったでしょうか。

　割り込んできた車が歩道を横切るのにその直前で一時停止をしていないことは最悪の行為です。車との衝突というよりも歩道を横切る歩行者、自転車との接触の危険こそ、ここでの一番の問題です。報道の中では、一時停止せずということは述べてもあくまで道路を走ってくる車に対するものという位置づけしかないように感じました。それでは明らかに不十分です。

　それはともかく、動画で見る限り、後続車は十分に危険が回避できるし、この程度で危険が回避できないというのであれば、それはそれで問題です。運転における安全意識や安全技術が欠如が疑われます。
「交通事故における法曹界の思考停止　直進車の方がはっきりと悪の場合もあれば直進車が避けられる事故もある」

　私は、この事件では、後続車も割込車を煽った側面があることは否定できないと思います。私はそう思いますし、割込車はなおさら煽られたと感じたでしょう。十分な距離があったから（というよりは一時停止しなかったのは、今、さっさと出れば後続車との関係でも行けると判断したからでしょう。歩道を横切る際の一時停止がないのが大問題なのですが、それはさておき。）、道路に出たのに、わざと急接近してパッシングまでするとは！　という感じでしょう。
　もちろん、その後の行動に弁解の余地はありません。例え相手の車がどうあろうとやっていけないことはいけない、ただそれだけなのです。

　ただ煽り運転根絶は、今回の事例をみて難しいなとは思いました。
　何故、煽り運転が起きるのかということでは、よく言われているのが、車対車のときには、一方が悪気なく判断を誤り、危ない行為をしてしまった…、歩行者同士なら言葉での謝罪ができるが、車はそれができない、しかも相手の車の運転者は危険な目に遭わされて気持ちが高ぶってしまう、それが煽り運転につながるということです。
　悪気がなかろうと運転技術がないのは、それはそれで問題で別のところで事故を起こしやしなか危惧されますし、他の運転者たちからみれば迷惑この上ないということにもなります。
　もちろん、他の運転者たちは例え、そのような運転をされたとしてもカッとなって車で報復行動に出るのは厳禁なのは当然なのですが、現状は、そうした未熟者でも簡単に免許が取得できることを前提で考えるよりありません。
　今回、報道された事例は、どっちもどっちにしか見えず（もちろん割込車の方が犯情は悪い）、「煽りがひどい」が時流とはいえ、日テレのアニメーションの報じ方は、少々、盛りすぎです。この事例の問題点の指摘として不十分です。


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