小中学校でのデジタル化、オンライン化という平井、河野両大臣の馬鹿げた発想 萩生田光一文科相がしごく真っ当

　萩生田光一文科相といえば、安倍前総理の側近として安倍氏による悪政を支えた一人という認識しかありません。加計学園問題では安倍、加計の親密な関係を世に知らしめた「功績者」でもありました。
　その萩生田氏のコメントが素晴らしい。

「文科相「オンライン授業だけでは乱暴」　河野氏らにクギ」（朝日新聞2020年10月10日）
「萩生田光一文部科学相は9日の閣議後会見で、平井卓也デジタル改革相や河野太郎行政改革相から求められた教育のデジタル化の加速について、「オンライン授業だけで学校へ行ったことにするような乱暴な代替策は現段階で考えて欲しくない」と伝えたことを明らかにした。」

　当たり前のことです。平井氏も河野氏も競うように思いつきだけで「提言」などしていますが、本当にひどすぎです。小中学校で、デジタル化もオンライン化も非現実的なことくらい、普通の感覚があればわかりそうなんものなのに、人としての大事な優しさ、思いやりがないものだから、平気でデジタル化、オンライン化など口にするのです。
「小中学校まで教科書のデジタル化をいう平井卓也デジタル改革担当相は人間としての優しさが欠落」

　現状では、多くの児童・生徒は、授業について行くのやっと、中にはさらに遅れている子だってたくさんいるんです。そういう中で効率化ばかりを強調するって、一体、何のなのというものです。このような効率化で教育なんてできるはずがない、のにこうした馬鹿げた思いつきで振り回すな、ということです。これは、大人の観点からの「効率化」でしかありません。

　そもそもこの効率化なんていうのは「できる子」のためのものでしかありません。
　弁護士ドットコムでオンライン化などと言っている弁護士がいます。
「膨大な学習量、行事、部活…生徒を拘束する学校教育、「オンライン化」で見直されるか」（弁護士ドットコム）
　神内聡弁護士に対するインタビューですが、元社会科の高校教員だそうですが、本当にひどい内容です。ひどすぎます。やっぱり優しさが全くないんです。自身は「勉強ができる子」だったんでしょうね。結局、「できない子」に対する思いやりは皆無です。

　何よりも大事なことは、学校は教科だけを学ぶところではないということです。児童・生徒、教師が一緒になって学び、遊び、いろいろなことを作り上げ（学芸会、運動会）、達成感を学んだり、人とのコミュニケーションを学ぶところです。
　効率という観点で教育を語る人たちには、人間としての感性を疑います。勉強だけができればいいわけではありません。こうした人としての当たり前の能力が欠如したたままで、勉強ができるという理由だけで国家や企業の中枢に入り込んでいくとすれば、恐ろしすぎます。今でもそういった傾向があるのに（受験勉強だけをやってきたと揶揄されるのはそういうこと）、そこにさらに増幅させることにしかなりません。



　ところで、コロナ渦の中で安倍総理は、学校を全国一斉に休校にするという暴挙に出ました。
「９月入学変更というのは、子どもたち（学校）のことは後回しにせよ、という主張　置き去りにされている子どもたちこそ被害者」

　その際の内情が報告されています。
「一斉休校「本当にやるんですか」　安倍氏を問い詰めた萩生田氏　民間臨調報告書」（朝日新聞2020年10月9日）

　ここでも萩生田文科相が何故か、鋭い指摘です。
　全国一斉休校なんて全く必要なかったというのは、はっきりしていたわけです。子どもたちの大事な時期を全く勉学から遠ざけてしまいました。新１年生にとっては楽しみにしていた4月の入学式が潰されてしまったのです。勉強の遅れがというだけの問題ではないわけです。
　本当に安倍氏は子どもたちに対してひどいことをやったものです。

　安倍政権が倒れた後からだからでしょうか。こうした内実が表に出て来ることにある種の新鮮味があります。思いつきで場当たり的なコロナ対策をしてきた安倍政権のひどさをより実感しましたが、特に子どもたちの学習する権利を奪った安倍氏は人として許せないレベルのものです。


ブログランキングに登録しています。
クリックをお願いいたします。

にほんブログ村

人気ブログランキングへ