法科大学院制度そのものが入学志願者数の激減によって立ち行かなくなっていますが、特に未修コースは既に終焉を迎えていると言わざるを得ません。
その場しのぎの制度変更によって付け焼き刃的な対策を行うのですが、悪循環に拍車を掛けています。
第99回法科大学院等特別委員会のやり取りです。
「
法科大学院等特別委員会(第99回)配布資料」
現時点では、議事録は公表されていませんでした。私は当日のユーチューブ配信は聞いていました。
志願者数、社会人入学者数などは減少の一途で一応、底は打ったということなのでしょうか。


何よりも衝撃的だったのは、1年次から2年次への進級率の推移です。

未修コースでは、1年次で既修者コースのスタート地点に立つことが要求されています。2年次以降は、既修者コースと同じカリキュラムになります。
しかし、実際、1年で追いつくことは容易でないということですが、これは当初、予定されていたような志願者数の激減が背景にあります。要は、入学しやすくなったということです。
適性試験も廃止になりました。受験生の負担が大きい、それが志願者減少の原因と考えられたからです。結局、負担を減らすということが目的であれば、本来であれば、
適性試験をクリアできない層も流入してくるということにしかなりません。
他方で、1年次から2年次への進級にあたっては共通到達度試験を課す方向です。
早めの段階で未修コースの不適格者には断念してもらうという目的です。
適性試験廃止で門戸を拡げて志願者数の増加をはかろとしたら今度は1年次からの進級時に排除してしまえというのですから、場当たり的にもほどがあります。本来であれば入試選抜を機能させなければならないのに、そうした方向に行かないのは、選抜を強化してしまうと
目先の入学者を確保できなくなるからです。
未修コースを3年の期間でカリキュラムにすべきだと言われていた時期もありました。しかし、2年コースと3年コースの二重になりますから、とても法科大学院側が対応できません。
前掲第99回法科大学院等特別委員会でのやり取りの中である意味で衝撃的だったのは、厳格な評価という言葉を使うと志願者が減ってしまうから、未来志向のような言葉にすべきだというものです。
この期に及んで言葉遊びをしてどうするんだろうというのが率直な感想です。
現状を改めて振り返ってみましょう。

未修者コースの改革案として
動画教材も議題に上がっています。
動画内容も少し紹介されていましたが、
予備校の講義を受けているような感じしかしません。もはやここまで来てしまった未修者コースに対し、自ら終わりを告げることができないのでしょうか。
現状のこの結果をみれば、もはや未修者コースに多大な労力を掛けることに国民的合意が得られるのかどうか、そういった観点から議論すべきでしょう。
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