日弁連「
裁判員の負担軽減化に関する意見書」
この意見書は、日弁連は、2012年3月15日の
「
裁判員法施行3年後の検証を踏まえた裁判員裁判に関する改革案について」の中で織り込まれています。
この意見書の目的は、裁判員の心理的負担を軽減することにあるとしています。
もともと、裁判員には大きな心理的な負担があります。特に否認事件で死刑が求刑されているような事件、死刑か無期懲役かの選択を迫られるような事件などでは、一層、心理的な負担が大きくなります。
そして、評議などで見聞きした内容について、口外すれば守秘義務違反として、最高6月の懲役刑が規定されています。
家族や友人にしゃべってもいけないということです。
これに対して、最高裁が用意しているものは、24時間対応、無料電話相談くらいなものです。
日弁連の提言は、心理的な負担を取り除くためとして、以下の点を裁判員に説明せよとしています。
1 同じ裁判体の裁判員等同士が希望した場合には,互いに連絡先を交換することができること
2 事後的に希望があれば,裁判所が同じ裁判体の裁判員等同士の連絡の斡旋を行うこと
3 同じ裁判体の裁判員等が希望した場合には臨床心理士の立会いの下,グループワークを実施すること
4 守秘義務の範囲
5 裁判所が実施するメンタルヘルスサポート体制の説明及び利用促進を促す説明 この中で、4,5は良いとしても、1から3までは、非常に不気味といわざるを得ません。
この極めて不気味な連帯感を促進しようというのです。
裁判員は、当該裁判の中では、名前では呼ばれません。氏名を特定されないように配慮されています。 選任された裁判員は6名いますが、お互いに初めて会い、そして、裁判が終われば、それでその「出会い」も終了します。
ところが、
非日常社会の中で、「連帯感」が生じることは、時折、ありますが、それを制度化せよというのは、いかがなものでしょうか。
その「連帯感」は一方的なものかもしれません。
裁判員の男が、若い女性裁判員に対するストーカー的な「連帯感」かもしれません。
何よりも、多くの裁判員が望んでいるとは思えません。
ネットワーク作りなどの行動を行っているのは、
田口真義氏
渋谷友光氏
のグループですが、裁判所に上記のことを打診して、裁判所に最初から断れたということが紹介されています。
「
裁判員を体験して見えてきたもの 世界7月号」
あるいは、連絡先を交換しなかったことを後悔しているとあります。
「
裁判員 ここまで執着、何故?」
裁判所から、このような打診が来ても、元裁判員にとっては迷惑な話でしょう。元裁判員にとっては、所詮は過去の出来事、一過性のものです。
守秘義務の精神的な負担があるから、当時の「仲間」と連帯したいというのは、他方当事者にとっては迷惑な話です。
裁判所を通してでなく、直接、その場で連絡先を聞かれるのは、もっと迷惑なことです。
それこそ知られたくないという人が大半という中で、面と向かって「連絡先を教えてくれ。」などというのは厚かましいというだけでなく、他の裁判員に恐怖を植え付けます。
その意味では、裁判所を通してというのが無難な方法(断りやすいという意味で)と言えますが、それでも、「あいつは連絡先を教えるのを断った。」という反感をもたれはしないかと不安を抱かざるを得なくなりますし、また、
何故、このようなことを日弁連が意見書まで出して、後押ししなければならないのかも大いに問題です。
恐らく日弁連がこのような意見書を出したのは、この田口真義氏、渋谷友光氏が裁判員制度の提灯持ちとして活動をしていることをバックアップしたかったからと思われます。
裁判員制度を推進する弁護士たちが、この活動をバックアップ(お膳立て)していますが、そのような勢力が、今回の意見書策定にあたって暗躍していたということだと思われます。
もともと、裁判員経験者の交流会なるものが開催されたという報道もありますが、参加者は、ほとんどいません。連絡方法がないということを理由にしたいのでしょうが、開催された後、連絡先などが報道されていますが、この手の活動が活発化していることはなく、全く相手にされていない、という方が正しいというべきです。
そして、このような「交流」が胡散臭いのは、自分達は、裁判員を勤め上げ、他の国民とは違うんだという意識の裏返しでもあるということです。
このような不気味な連帯感、いってみればファシズムのような高揚感を煽るようなことは、やめるべきです。
もっとも、
このようなことをやればやるほど、裁判員制度が国民から嫌われること間違いなしです。このようなことを制度化すれば、自分で自分の首を絞めるようなものです。
ところで、意見書の中に
「これまで裁判員等はその職責を誠意をもって務めているのであるから,職業裁判官の場合に比してもはるかに大きな心理的負担を負うのは当然である。」
とあります。
裁判官は、誠意なくやってきたと言いたかったのでしょうか。ちょっと無理がある理由付けです。
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