再び臨時総会開催請求？ こうしたやり方に将来はない

　一部の弁護士から、また臨時総会開催請求をしようという声が出て来ています。司法試験合格者数を１０００人にすべきという決議を求めるものです。

「日弁連臨時総会　招集請求者案は大差で否決　まず早期に年間1500人を実現する運動を進めよう」

　ところで今、日弁連では司法試験合格者数についての検証が行われています。
「令和３年司法試験最終合格発表に関する会長談話」（日弁連）
「司法試験合格者数は、平成３０年に１，５２５人、令和元年に１，５０２人と減少し、１，５００人への減員がほぼ達成されたと言える状況にあることから、当連合会では、令和２年７月に法曹人口検証本部を設置して、１，５００人への減員達成後の司法試験合格者数の更なる減員について、現実の法的需要、司法基盤整備の状況、法曹の質等の観点からの検証を開始し、現在、検証結果の取りまとめを行っているところである。」

　ということを公表している日弁連執行部ですが、しかし、中での議論、資料は一切の口外禁止となっています。
　従って内容は書けません。しかし、やはり口外禁止としながら、検証していることを公表することに矛盾は感じます。どのような結論になるかもわからないという前提があるからです。


2021年9月26日撮影


　さて、それはともかく、またしても臨時総会開催請求というやり方を持ち出してきたことには残念としか言いようがありません。
　私自身は早急に司法試験合格者数を１０００人にまで減員すべきという立場です。
「司法試験合格者数をさらに減員することを求める会長声明」（札幌弁護士会）

　だからといってこのようなやり方には全く説得力がありませんし、賛同できません。
　この問題を考えるにあたっては、１０００人への減員が正しいかどうかではなく、現状において日弁連という組織内の多数派がどちらにあるのかという現実が出発点です。
　結局、何の展望もなく、ただやりたいだけの自己満足から何も生まれません。
　こうしたことに振り回されるのは消耗というだけでなく、減員を進める立場からしてもマイナス（妨害）でしかないということです。



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