日弁連に対する臨時総会の開催請求行動の問題点 賛成しないでください

　現在、日弁連では司法試験合格者数について1500人よりもさらに減員すべきかどうかについて検証作業が行われ、今年度中に検証結果がまとめられる予定です。

　これに対し、いつものように突拍子もなく出てきたのが愛知県弁護士会の鈴木秀幸氏です。全国の会員に臨時総会開催請求を呼び掛けています。
「再び臨時総会開催請求？　こうしたやり方に将来はない」

　先日2022年1月18日付のもＦＡＸが送られてきていました。
　この臨時総会開催請求行動がその後、どのようになっているのかはわかりませんが、まだ諦めていなかったということでしょうか。
　私自身も司法試験合格者数は早期に1000人にまで減員すべきとという意見ですが、その結論が「同じ」であっても、到底、この行動をプラスに評価することができません。むしろマイナスです。
　昨今、司法試験合格者数を減員せよ、という声があまり聞こえて来なくなりました。特に地方の小規模単位会ではこの問題には関心がなくなってしまったかのようです。司法試験合格者数が1500人でも会員数が増えていないからというのが理由のようです。
　地方の弁護士会では、ほとんど入会がなく、恐らくこのままでは会員の高齢化と減少に向かうと思います。
　司法試験合格者数を1000人に減らしたら地方に行く弁護士はいなくなるという意見もありますが、それは現状の1500人でも地方に行く弁護士はいないからということのようです。
　だったら1500人でも地方には行かないんだから1000人に減らしたって同じでしょうとは思うのですが、逆に仮に2000人に増員したからといって地方会が増えることはないでしょう。よほど司法試験のハードルを下げて合格しやすくすれば、地方の地元の人が地元で弁護士になろうとするかもしれません。しかし、それでは本末転倒です。
　地方の高齢化は日本社会の縮図でしかなく、司法試験合格者数でどうこうできる問題ではありません。



　そうした中で、どのように司法試験合格者数の減員の日弁連内の合意を形成していくのか、問われているのはそこです。
　こうした臨時総会開催請求のやり方が無謀なのは、既に2016年の臨時総会開催請求の破綻によって明らかです。
　さらに日弁連内には、食えない論だけで支持を獲得できるような状況ではなくなりました。そうしたことを踏まえた上で、日弁連内合意形成をしていかなければならないのに、鈴木氏の行っている臨時総会開催請求のようなやり方はもはや支持はされないし、会内合意形成を作るためのものとは無縁どころか分断を招くものです。

　この臨時総会開催請求には反対しましょう。



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