オスプレイ配備は米国の意向だから!?

　野田首相は、オスプレイ配備については、米国の意向であるから、拒否する考えないと表明しています。
　これに対し、前原誠司政調会長が、沖縄県や山口県の民意を軽く見過ぎているのではないかという批判をしています。
　元々、米国べったりの前原氏ですが、ここにきてオスプレイ配備については異論を唱えています。
　オスプレイについては、既にその安全性が米国国内でも問題になりつつあるものであり、日本国民にとってもオスプレイが危険なものであることが常識になっています。
　仮に、日米安保を前提にしたとしても、何故、オスプレイ配備を米国の言われるがままに「承諾」するのか、理解し得ない国民が圧倒的多数でしょう。前原氏の発言はこれを意識しての危機感でもあります。また民主党内のオスプレイ配備に反対する議員が消費税問題と合わせて、さらに離党を加速しかねないことの危機感です。

　オスプレイのような危なっかしいものを配備しようとしている米国に対し、無批判に承諾するような野田政権を国民が支持しようはずもありません。
　これは野田政権だけの問題ではありません。
　自民党は、山口県知事選投票日の直前にオスプレイが山口県岩国基地に搬入されることから、
　「谷垣氏も１２日の記者会見で「不測の影響を避けるため今の時点で陸揚げされるのはいかがか」と懸念を示した。」（産経新聞2012.7.16 23:39 ）
　そうですが、もちろん、自民党にとっては選挙にさえ勝てばよいので、それこそ、「懸念」を示すというポーズだけです。自民党は、元々、対米従属路線をひた走ってきたのですから、今さらオスプレイ配備反対でもないでしょうし、本気で配備反対の言動を取っていないことからも、選挙向けのポーズであることは明らかなのです。
　その意味では自民党の推薦を受けている候補も似たり寄ったりでしかありません。
　「山本氏も「不安が除去されない限りオスプレイ配備は反対」と強調するが、」（前掲産経新聞）とありますが、断固反対ではないことからしても、全く反対する気はないのです。せめてその程度は言っておかないと選挙に負けてしまうという危機感に過ぎません。

　この点では、沖縄県の仲井真知事も同じでしょう。
　仲井真知事は、オスプレイ配備に対しては、「配備を強行したら、全基地即時閉鎖という動きに行かざるを得ない」 （琉球新報2012年7月1日） と勇ましいことを述べていますが、このようなことは本気で実行する気はないのに、世論を意識せざるを得ず、言ってしまったということです。

　米国が自主的に「撤回」すれば配備なくして済むかもしれませんが、
　米国は、
　「オスプレイ配備は不可欠　米「日本の世論理解」」（産経新聞2012.7.13 08:31 ）などと言っているのですから、撤回などしょうはずもありません。
　そして、対米従属路線をさらに推し進める野田首相が、今さら、オスプレイ配備にノーというはずもなく、また野田首相にとって、野党自民党の「懸念」もポーズとわかっているので、オスプレイ配備は強行されるでしょう。
　そのようなとき、沖縄県知事、山口県知事候補の態度が、口先だけだったのかが明らかになります。
　特に仲井真知事が「全基地即時閉鎖という動き」（前掲）などするはずもありませんから。

　とかく選挙では、争点隠しのため、世論に合わせて「反対！」なるものを発言し、推進したいマスコミは、それによって、争点から消えた、などと報道するのが常ですが、その首長や候補者が口先だけなのかどうか、見極めることこそ重要です。



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