安倍晋三氏は、もっとも国葬に相応しくない人物 岸田文雄氏の国家私物化は自民党政治が民主主義と無縁であることを示した 右翼にとっては安倍氏は天皇よりも上ですから

　安倍晋三氏を国葬にするなんていうのは悪い冗談です。
　岸田総理が言ったのは、国葬を実施することで、「暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示す」ですが、一番、民主主義を冒涜してきたのが安倍晋三氏です。

　この水島朝穂先生の論考はやはりいいですね。
「国葬にふさわしい人物とは誰か――ゲンシャー元独外相の国葬」（直言2022年7月25日）

　民主主義の破壊者が安倍氏。
　特に野党が要求した臨時国会の要求を無視したのは国会を開かないという暴挙中の暴挙です。国会での審議をしない、拒否。これほどあからさまな民主主義の冒涜はありません。
　どうにも安倍信者たちは、選挙で勝てば民主主義だと思い込んでいるのか、そこまでの発想もないんでしょうね。

　それにしても既に報じられているように、岸田氏が安倍氏の国葬を決めた動機は、党内保守派に対する配慮。

　なんとひどいことか。これほどまでに国家を私物化してきたのはまさに安倍氏のやり方がそのまま承継されています。

　それにしても自民党内も含め、安倍氏に対する神格化はすごいものがあります。
　戦後、行われた国葬は吉田茂と昭和天皇だけ。
　吉田茂についていえばまだまだ戦前の悪臭も立ち込めていた時代の異物です。
　天皇の国葬については、そもそもの天皇制の政治利用というものがあり、私自身はこれに賛成する余地など全くないのですが、それでも国民統合の象徴（憲法1条）だから正当化されるということなのでしょうが、こうしてみてくると、安倍信者にとっては、安倍氏を天皇よりも上に置いていますから。

　以前からそうでしたけれどね。もともと右翼なんて天皇の権威を利用するという発想しかないし（天皇のことそ心底、「恐れ多くも」なんて思っている右翼はいない）、前天皇の平和主義の発想を敵視していましたから。
「現代の右翼は結局は「自分」なんだろうね、安倍応援団の本音　靖国神社は天皇まで攻撃する？」

　世論調査結果もあんまり芳しくないですね。
「安倍元首相国葬　反対72％「安易な神格化懸念」「国費負担に違和感」　賛成23％「在職最長、功績ある」　実施の是非巡りアンケート」（南日本新聞2022年7月25日）

　安易な神格化なんですよ。天皇以上に。
　これは背景には安倍氏が統一教会との関係も影響してくることでしょう。
　統一教会の反社会的な活動は宗教活動とは無縁、宗教の仮面を被っただけの謀略集団です。
　自民党と統一教会との深いつながりがようやく白日の下にさらされてきました。


2022年7月24日撮影


　有田芳生氏の発言も興味深いです。
「羽鳥＆玉川氏が絶句フリーズ　有田議員が旧統一教会捜査に「圧力」と発言「政治の力」トレンド入り」（デイリー2022年7月17日）
「「幹部２人と話をした時に、１０年たって、今だから言えることを教えてくれって聞いたんですよ。なんでダメだったんですか。一言ですよ。『政治の力』だったって。圧力」と語った。」

　捜査機関の現場で実際にどのように動いていたのかはわかりませんが、自民党政権によって温存されてきたことは疑いようがなく、これからますます自民党との膿の関係が出てくることでしょう。
　こんな謀略集団と癒着していていたことこそ、日本は民主主義とは無縁の社会だったということが言えます。

　いずれにしても統一教会とずぶずぶの関係の安倍氏が国葬に相応しいわけがありません。



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