車椅子の人たちがエレベーターの乗れないこと

　先般、車椅子を利用している方が、エレベーターに乗ろうとしたら後ろから来た男が乗り込んでしまい、乗れなかったという動画がアップされました。
　現在、削除されているそうです。
　動画はネット上で拡散されているみたいで、私も見ました。

　しかし、という感じはしました。エレベーターから離れたところで動画撮影しているんですから、乗るか乗らないか一目でわかりません。そうであれば後から来たとされる人がエレベーターに乗り込むということには違和感はありませんでした。
　声を掛けるべきだというコメントも見ましたが、私は全くそう思いません。ある程度、周囲にわかる行動を取るべきだと思います。この男性がその車椅子の方がエレベーターに乗ろうとしていたと思わなかったとしても全く不思議はないからです。
　しかも、既にエレベーター内は多くの人で車椅子が乗れるスペースはありませんでした。
　それに、やはり私はこうした動画をアップするというやり方としてどうなのかなと思うことはあります。

　とはいえ、問題はそこではありません。ここは公共交通の場だそうです。
　そのエレベーターは車椅子や乳母車など階段やエスカレーターを利用できない人たちのためのものではないでしょうか。高齢者もそうです。体調が良くない人もそうでしょう。
　階段やエスカレーターを利用できない人たちのために設置されているものであるべきであって、何故、歩ける人がエレベーターを利用するのか、そここそが問題です。
　先に乗っている人たちも含め「お前ら、降りろ！」が正しいのではないでしょうか。

　こうした人たちがエレベーターを安直に使っていることで本来、エレベーターを利用しなければ移動できない人たちが困っている状況こそが問題です。

　札幌市営地下鉄では階段を利用することが推奨されています。階段を上がっていくと、ここまで上がると消費カロリーは○○カロリーと階段にいつくも表示されていて「がんばろう！」という気にさせてくれます。
　エスカレーターも同様でよほどの高低差がない限りは階段を利用すべきものです。
「エレベーターの利用は上りの４階以上のみ、下りは徒歩で降りる」


2022年12月25日撮影


　大した昇降でもないのに敢えてエレベーター、エスカレーターを使うというのは壮大なるエネルギーの無駄です。本来、利用せざるを得ない人たちが使いづらくなっているのは本末転倒です。
　この程度のことですら社会的合意ができないとどうなるのか。
　特にエレベーターについては必要性のない者の利用禁止ということにならざるを得ないのかもしれません。
　一度、楽した者たちは容易に自分の足で歩こうともしません。恵まれた時代に生まれたことに感謝の念もなく、当たり前にようにふんぞり返る、そんな姿にだけはなりたくありません。

　札幌家庭・簡易裁判所の庁舎は欠陥があって、2階までは階段を利用できるのに3階以降はエレベーターを使わざるを得ません。特に3階に行きたいときにエレベーターがなかなか来ないので難儀します。
　非常用階段は使用はダメ。家裁という性質上、死角になる場所があることは危うさがあるためと思われます。2階に上がる階段はオープンな作りです。
　5階から4階に移動（5階に待合、調停室が4階）のときもエレベーターに利用になります。セキュリティ問題がある以上、やむを得ないのでしょうが、設計自体に見通しの甘さがありました。
　要因は、家裁・簡裁の利用者増で3階に法廷を設置したり、調停室が不足で4階も利用するようになったためですが、設計時にはここまで利用が多くなるとは想定しいなかったのでしょう。
　階段を使える施設としたいものです。



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