共産党が圧力団体？ 政党であろうとマスコミ報道に申し入れがあるのは当たり前

　コメント欄で情報を頂きました。
　日本共産党長崎県委員会が長崎新聞に対し、同党を除名になった松竹氏の除名に関する記事に是正の申し入れをしたというものです
　フェイスブックのものです。
「【元党員の記事に関して、長崎新聞に申し入れました】」

　これに対し、佐賀の弁護士がクレームを付けているのを目にしました。あまりの言い掛かりの酷さに一言、述べておきます。

　政党が圧力団体だから、申し入れ自体が表現の自由を萎縮させるというのですが、どうみてもずれています。
　自民党であろうと共産党であろうと自党に対し、誤った見解が掲載されたとすればそれに対して是正の申し入れをするのは当たり前のことです。その申し入れに対し、どのように対応するのかは新聞社側に委ねられています。今回の長崎県委員会のこの程度の申し入れで萎縮しました、というのであればマスコミ（ジャーナリズム）の姿勢としてどうなのかと思います。

　もとよりこれは安倍政権のような報道に圧力を加えるというのとは違います。
　自民党右翼議員たちが、特定の新聞社を潰してしまえと発言しているのも論外。こうした体質の自民党が「申し入れ」などしたら圧力と感じるかもしれませんが。それは政権与党だからということもあります。高市氏のように放送免許にまで言及してしまうのですから。
　報道内容に対する反論などというものではなく、あからさまな脅しだからです。

　それに申し入れがダメというのであれば、赤旗紙上で反論することも同じようにダメということになりかねません。


2023年1月1日撮影

　長崎県委員会の方は適確に反論されています。
　この問題で想起されるのは産経新聞社に対する共産党の反論権に関する訴訟です。最高裁まで争われましたが、無料で反論を掲載させよという主張は棄却されました。
　その判決の当否はさておき、訴訟に至るまでには共産党側から産経新聞社に反論分の無料掲載について申し入れが行われましたが、産経新聞社側は自民党と同じく有料掲載であれば受け入れるという姿勢でした。
　ここでは少なくとも産経新聞社に対する申し入れが圧力団体だから云々ということは問題にはなっていません。

　さらに上記弁護士はあからさまにずらした主張をしています。
「共産党がすべきことは報道機関に批判されないような民主主義的党運営を行うことではないですか?」

　どのようなあり方がその政党にとって民主的なのかは違います。自民党の運営方法が民主的とは全く思えません。
　要はそこは論争すべき部分であって申し入れが何故、ダメなのかの問いに答えるものにはなっていないということです。
　批判されないようにすればいいという主張は、捨て台詞にしか聞こえません。

追伸
　この件に関して、次の情報を頂きました。ありがとうございました。
「共産が長崎新聞社に謝罪　除名党員の記事掲載への抗議撤回」（産経新聞2023年3月13日）

　抗議という位置付けなんですね。しかし、これがダメで、志位委員長がインタビューで顔を真っ赤にして他社の社説を批判していたこととどのように整合性がとれるのでしょうか。
　私は、記事に関して抗議であれ、マスコミに意見を述べることは言論に関しては当然のことだと思います。批判が他からも強かったのか、これで撤回ということになれば、ますます言論界が狭くなっていくことの方を危惧します。
　なお、元の記事が削除されたことに伴い、お名前と画像は削除しておきます。



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