米軍無人機が墜落というだけでは米ロ開戦にはならないが 米ソ冷戦状態よりも酷い状況

　米軍無人機がロシアの戦闘機の妨害行為により墜落した、こういった事態は、いつどのような状況下で戦闘は始まってしまうのか、とても緊張感を強いられるものです。
　ただ米ロ両国はそれぞれが開戦の意思はないので、こういった事態だけで本格的な核戦争になるという可能性は極めて低いものです。仮にロシア戦闘機がミサイルで撃墜したとしてもそれだけで直ちに開戦にはなりません。
「“米軍無人機にロシア軍機衝突” 米ロ双方で主張食い違う」（NHK2023年3月16日）

　かつて日中戦争が盧溝橋事件をきっかけに始まりましたが、盧溝橋事件自体は偶発的なものですが、それが日中戦争に突入したのは日本の支配層が中国に対する戦争を欲していたからです。現地で停戦ができたにも関わらず、中央が派兵を決めてしまいました。

　今般、核戦争につながりかねない米ロ開戦はどちらの指導者も望んでいません。
　だからニアミス程度では開戦にならないし、これは米中関係も同様です。


2023年1月2日撮影

　しかし、だからといって全く安全安心というわけではありません。
　西側が武器供与を続ける限り、それはどこかの時点でレッドラインを超えることになります。
「「ウクライナに武器を送るのはもうやめよ」ドイツの左派政治家の主張が右翼からも支持されている理由」（プレジデントオンライン2023年3月13日）

もう一度書きます　外国から供与された武器・兵器は　”必ず”　戦争を再生産します

— 伊勢崎賢治 (@isezakikenji) March 15, 2023

　米国から核兵器が使われるよりはロシアから使用する可能性の方が高く、その基準はロシアにとってレッドラインを超えたかどうかだけです。
　米ロ両国の対立が世界を巻き込むのは止めて欲しい。米ロ冷戦時代よりもひどい状況になっています。

　米国内の保守派からこのような見方が示されています。
（情報、ありがとうございました。）
「デサンティス氏、侵略は「領土紛争」　共和知事、ウクライナ巡り波紋」（産経新聞2023年3月15日）
　こうした見方は、見ようによっては全く違ったものに見えてくるということです。
　米国の国益に合わないものになっているという発想が背景にありますが、米国・NATOがロシア包囲網に価値を見出さなければそもそもウクライナを舞台にした米ロ代理戦争は起きませんでした。

　一度、始まってしまったものを元に戻すのは簡単ではありません。このまま代理戦争が継続されることは許されません。




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