国際刑事裁判所がプーチン大統領に逮捕状 ますます遠のく即時停戦

　国際刑事裁判所がロシアのプーチン大統領に対し、逮捕状を出しました。
　ウクライナから子どもたちを連れ去った罪とされています。
　これはロシア・プーチン大統領が行った行為であり、犯罪行為なのだから逮捕状が出されたのは当然のこと？
　この逮捕状発布が直ちにプーチン大統領の身柄拘束だとかに結びつくものではありません。
　しかし、明確にプーチン大統領が犯罪行為をした疑いがあるとした点で即時停戦は遠のきました。
　何故、この時期になのかよくわかりませんが、私には即時停戦を望まない、あるいはそれ以上に戦争継続というメッセージにしか聞こえませんでした。

　もともとロシア・ウクライナ戦争が始まったときから、米国・NATO諸国はロシアのプーチン体制の崩壊を望むものではないと繰り返し表明してきました。
　それは明らかに全面戦争を望まないという意思表示だったわけです。
　口を滑らしたバイデン大統領の発言も後刻、米政府によって軌道修正されています。
　それなのに？

　バイデン大統領はまたまた当然、発言をしています。
「国際刑事裁判所　プーチン大統領らに逮捕状、露は反発　バイデン大統領「逮捕状は正当だ」」（日テレ2023年3月18日）

　ロシアが締約国でないというのはともかく、米国も同様に締約国でない立場で何が「正当」なのかは意味不明ですが、それはともかくとして、ロシア側は宣戦布告と同じに受け止めるとしているのも当然として、バイデン大統領はどのような立ち位置で「正当」と言っているのでしょうか。

　今回の逮捕状の発布は、より一層、緊張関係が高まるだけで「正義」という観点だけで論ずるのは全くもって論外です。


2023年1月2日撮影


　ウクライナでのこのスパイ摘発を報じる報道です。
「ウクライナで進む「対ロ協力者」摘発──1年で数千人が拘束、深く根付くロシアの影響」（Newsweek2023年1月23日）
「ロシアの工作員はあらゆる場所にいる。議員や裁判官、聖職者、もちろん一般市民の中にも紛れ込んでいる」と、首都キーウ（キエフ）に拠点を置く非営利団体チェスノのイリーナ・フェドリフは言う。同団体は侵攻開始後、協力者1000人以上の正体を暴露してきた。そのうち47％は政治家で27％が裁判官だ。「警察、裁判所、政府。全てに協力者が入り込んでいる。多くは拘束されたが、裁判になるケースは少ない」

　ウクライナには多くの工作員がいるということで、この拘束を正義のためのように報じていることに怖いものを感じます。裁判になるケースは少ないということですが、「えん罪」も多そうです。
　ゼレンスキー大統領の政敵を拘束したという以上の意味があるのでしょうか。戦争勃発を機に最後の政敵追い落としです。
　ウクライナでは、反対する人たちは身柄を拘束する、男子は徴用によって戦時体制を作り上げていますが、それ以前から共産党などの反体制政党を非合法化し、戦時体制に移行していました。
　こうしてみてくるとゼレンスキー大統領はロシアとの戦争を想定していたということだったのでしょう。
　敢えて戦争になる道を突き進む、こんな指導者は迷惑です。


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