北海道（北海道教育委員会、札幌聾学校）に対する訴訟 裁判報告

　２０２３年３月１７日、札幌地方裁判所で弁論準備手続が行われました。
　１月に提訴した事件も昨年７月の事件に併合されました。
　北海道側の主張が出てきましたが、その内容はほとんど空疎なものです。
　担任の教員が日本手話ができるかどうかは関係がないと主張していたにも関わらず、今回は問題がないと主張してきましたが、具体的な主張はありません。
　要は、自分でできると述べているだけのものです。

　裁判所からは、どの程度の日本手話の水準があれば良いのかそれぞれが主張するよう指示がありました。
　この点はとても大事なところで、本訴訟では教員の日本手話に関する水準が問題になるということです。おおよそ水準が問題にならないということはあり得ません。
　北海道側はこの一番重要な点を避けて通ろうとしたのですが、そうは行かないということです。
　適切な裁判所の訴訟指揮といえます。

　当然のことですが、特殊技能ですから、高水準の人はそう多くはありません。道教委は水準の高い２名の退職教員の再雇用は拒否していますが、その人材に見合うほどでないとしても見劣りするようではダメです。授業が成り立たないからです。


　本訴訟では多くの研究者、教員の方々から意見書を作成して頂き、裁判所に提出しました。御礼申し上げます。

　今回の北海道側の主張では、この間、道教委側は児童に対して誠実に対応してきたとも述べています。
　そうでしょうか。
　昨年７月に提訴しましたが、報道によると道教委は適切に対応するとコメントしていました。
　そのため道教委に協議を申し入れましたが、道教委は拒否。
　１２月に入ってから道側太田三夫代理人が協議を申し入れてきましたが、それまでの間は全く協議を拒否してきました。
　１２月の協議は道側代理人が「児童のために協議をした方がいいよね」という感じで協議を申し入れてきたのですが、裁判対策のためのものと露骨にわかるもので極めて不愉快なものでした。
　当方としては協議自体を拒否するという選択肢はありませんので、当方は誠実に対応しました。あくまで児童のためによりよい授業が受けられることが目的だからで、金銭賠償それ自体が目的ではないからです。
　但し、結果は見えていましたが、予想通りであり、その協議は実質ゼロ回答。
　私は、この協議に関しては、「あくまで児童のためのものであり、私から裁判に利用されるということになると思ったことが言えなくなるので、それは止めましょう」と述べました。道側代理人、四木校長、宇野教頭が参加していましたが、道側太田三夫代理人が慌てて、これを事実としては利用できますよね、と確認してきました。
　もちろん協議があったという事実まで否定するものではありませんが、裁判対策だよねということがよくわかりました。
　裁判目的のためのものだったということが明確になった以上、信頼関係ははっきりとぶち壊されました。
　実際、形ばかりの協議が２度ほどおこなわれましたが、その後は全く協議にも応じません。これ以上の不誠実な対応があるでしょうか。

次回期日　５月１８日（木）午前１１時
次々回期日　７月２０日（木）　午前１１時
　いずれも非公開の弁論準備期日になります。裁判が終わりましたら内容を報告します。



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