中国がロシアに武器供与か 米国・NATOと同じように許されない 即時停戦以外の選択肢はない

　米国は、ロシア・ウクライナ戦争で中国製の弾薬が使われたと公表しています。
　それが中国から供与されたものなのか、経路はグレーにされています。

「露、中国製弾薬使用か　米、供与なら対抗措置」（産経新聞2023年3月18日）

　対抗処置を取るならどうぞということになるのか、そうなると世界は別の段階に突入することになります。武器供与が招く怖ろしい状況です。
　武器供与は、米国・NATOなら良くて中国がダメという話ではありません。
　中国が武器供与ということになればロシア・ウクライナ戦争のバランスも崩れます。そうなると米国・NATOはさらに武器供与ということになり、負の連鎖が激しくなります。

　結論ははっきりしています。どちらもダメなのです。対立をより一層、大きくし、被害を拡大させるだけです。
　米国は既に多くの対抗処置を取っていますが、中国側はさらなる亀裂は避けたいという思惑があるのははっきりしていますが、実際にさらなる対抗処置が行われたら中国のロシアに対する武器供与を加速しかねません。
　現実にさらなる対抗処置がとれるのかどうかもよくわかりませんが、そうした米中対立も世界にとっては迷惑な話で米ソ冷戦構造よりも酷い状態です。


2023年1月2日撮影


　イラク戦争が始まってから20年が立ちました。
　米国による違法な侵略戦争は未だに総括がなされていません。
　安保理の決議が得られるはずもなく、米国は英国とともに侵略戦争を始めました。
水島朝穂先生の論考です。
「わが歴史グッズの話（51）イラク戦争から20年――もう一つの侵略戦争」

　今のロシアのプーチン大統領と全く同じことをしていたのが米国です。米国という安保理常任理事国によるイラク侵略戦争こそがプーチン大統領によるウクライナ侵攻のハードルを下げさせたものです。
　クリミア併合の際に国際社会が何もしなかったからではありません。多くの世界の国々が、そして多くの世界の人々が今のロシアを20年前のイラクに対する米国の侵略戦争に重ね合わせています。
　イラクの悲惨な状況は誰もが知るところです。こうなってしまうとフセイン政権の方がましだったという状況やイラクの人たちが数十万人も命を落としたということについては未だに総括がなされていません。



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