ロシアだから悪いという二重基準 岸田内閣の支持率が上がることの懸念

　昨今の世論調査では岸田内閣の支持率が上がりました。
「内閣支持48%、5ポイント上昇　7カ月ぶり不支持を上回る」（日経新聞2023年3月26日）
「本社世論調査　ウクライナ訪問「評価」71%」

　支持率が上がる要素のなかった岸田内閣の支持率が上がったのはウクライナ・キーウへの訪問がその要因でしょうか。
「過去最大、１１４兆円予算成立　防衛費、破格の１．４兆円増」（朝日新聞2023年3月29日）
　国民生活は置き去りです。将来につけを残すだけの酷い内容です。

たった今、参院本会議が散会しました。来年度予算が成立。物価高対策の不足、こども予算も倍増せず、一方で防衛費の膨張、原発回帰、まさに未来に禍根を残すであろう予算の成立は極めて遺憾。 https://t.co/Cp2Dmm5scX

— 福山哲郎・立憲民主党 (@fuku_tetsu) March 28, 2023

　それにも関わらず支持率が上がる、かなり危険な兆候です。簡単に戦時体制を作り上げることができることを意味します。
　そこで発揮するのが「ロシア＝悪」という単純（短絡）的な見方を植え付けることです。
　ロシアの軍事侵攻はあまりにわかりやすい「悪」です。しかし、それだけを取り出してあとは何も考えないという発想では何が善で何が悪かを見失います。

　世界に蔓延るダブルスタンダードについて白井邦彦先生が見事に整理されています。
「ウクライナ問題がからむと対応が異なってしまうことへの疑問」

　相手がロシアであれば「悪」というだけで通用してしまう怖ろしさが伝わってきます。朝日新聞の劣化ウラン弾についての視点が変わってきていることのご指摘は、なるほど怖ろしいということがとてもよく実感できます。
　オリンピック問題でもロシア選手を排除しろ、という暴論に対して反対の声がかき消されてしまうのは怖ろしいことです。一部の国からロシア選手の参加を非難していますが、それが間違っていると正面から日本政府が言えないのは由々しきことです。


2023年3月11日撮影


　戦争を引き起こすことで政権浮揚につなげるというやり方は、ゼレンスキー大統領がその典型です。戦争によって腐敗政権として国民に見放されていたにも関わらず、見事なまで「英雄」にまでのし上がりました。
　恐怖と危機を煽るというやり方ははっきりと危ういものがあります。

　ロシア・ウクライナ戦争で一番、問題なのは核戦争が既に隣り合わせになっているということです。
　いつどのような状況下で核戦争が始まらないともかぎりません。本当にこれで良いのですか。


　日本政府の立ち位置を考える上ではとても参考になります。

1⃣辻元清美議員
日本はですね、ウクライナに殺傷能力のある兵器を唯一供与していないG7の国なんですね。私はこの武器供与をしているほかのG7の諸国と違い、戦争終結に向けて時が来たらロシアともある意味、対話しやすい貴重なポジションに立つこともできると思うんですよ。 pic.twitter.com/rSxtfDbAb4

— 立憲民主党 国会情報+災害対策 (@cdp_kokkai) March 28, 2023

　岸田総理の見解はともかく、国会での正面から主張（反論）しない姿勢というのは相変わらずというか、これでは国会は形骸化するんだろうなという見本です。
　どこの組織でも良いでうが、会議の中でこんな議論のされ方をしたら、普通は怒りを買います。
　それがまかり通っているのが自民党が多数派の日本の国会です。





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