プーチン大統領を暗殺すればウクライナは勝利できる？ 世界に向けたとんでもない挑発

　今度は、ウクライナ情報当局によるプーチン大統領暗殺に対する言及です。
「ウクライナ情報当局幹部、プーチン氏暗殺に言及＝独ウェルト紙」（ロイター2023年5月26日）

　先日は、クレムリンに対する無人機による攻撃がウクライナ側によるものではないかという米国政府筋の分析が報じられました。このときはウクライナ政府側は関与を否定していました。
　今回はウクライナ情報当局の者の発言ですからウクライナ政府が知らないでは済まないものです。

　ウクライナ側が実際にもプーチン大統領を直接のターゲットにするのは何故でしょうか。
　先日も述べましたが、ウクライナによるクレムリンへの攻撃は私はロシアのみならず、米国への挑発です。
　このウクライナ情報当局の発言の真偽の問題もあるのかもしれませんが、これが本当であればウクライナは世界に向けてなりふり構わぬ挑発的になっていると言わざるを得なくなります。


2023年3月10日撮影


　プーチン大統領を暗殺すればロシアが撤退するなどと考えているのであればそれこそ妄想です。
　プーチン陰謀論（プーチンが個人的に大ロシアの復活を目指している）の立場に立つ人たちはプーチンさえいなくなれば問題は解決するなどと思っているかもしれません。現代社会において戦争を個人の資質の問題にしてしまうこと自体がセンスゼロなのですが、それをさしおいてもプーチン暗殺でロシア軍が撤退？　どう考えてもそれは甘いというか何というか。
　戦国時代に敵の武将を倒したら勝ち、みたいな発想でしかなく、より危険な方向に行くということ、現実には強烈な報復があると考えるべきでしょう。
　それが絶対にないなどということにはなり得ないのは当然です。
　それがまた核戦争への導火線になりかねない、それを誰もが危惧しているのです。即時停戦に反対する人たちは何の根拠もなく核戦争は起こりえないと思い込んでいるようですが、現実を見るべきでしょう。
　ウクライナ側が世界に向けて挑発している、というよりせざるを得ない、これがロシア・ウクライナ戦争の現実の状況でもあります。

　白井邦彦先生の論考です。
「クレムリン攻撃、ウクライナか?－膠着から世界大戦・核戦争の恐れ-」

　核戦争を現実のもとして考えられないことは問題です。それは戦場で今なお多くの人たちが死んでいくということさえ、想像できないというのと全く同じレベルなのです。

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