即時停戦を主張すると「お前はロシアの味方か」という危うい潮流

　今さらですが、ロシア・ウクライナ戦争で即時停戦論を主張すると、必ずと言ってよいほど「お前はロシアの味方だ」とかいうレッテル貼りをされます。
　米国寄りの国策に反対する人たちが邪魔なんでしょうね。

　今般、ポーランドではロシア寄りの人たちを公職から追放する法律ができたそうです。
「ポーランドで大規模デモ　「野党排除」新法に反対」（時事通信2023年6月5日）

　今、ポーランド国内にロシア寄りの勢力があるとも思えないのですが、これはあからさまな政敵排除が目的です。
　白井邦彦先生がまとめられています。
「「親ロ派」「ロシア寄り」のレッテル張りの危険性－ポーランドで「ロシアの影響を受けた人物」を排除する新法成立-」

　ポーランドでは政権があからさまな反民主主義政策をやってしまおうというのだからひどいものですが、これでロシア・ウクライナ戦争を民主主義のためと言ってきた米国・NATOはどうするんでしょうね。ポーランドもウクライナも同レベルなのですが。
　考えてみれば、エルドアン大統領率いるトルコも宗教的色彩を強め、世俗派の代表である軍を粛正しての長期政権ですから、民主主義と言えるのかどうかも問われるべきでしょう。もともとは世俗的な国家としてNATOに加盟したのにエルドアン政権の誕生で不協和音が生じてしまっています。
　NATOは、米国にとっての対ロシア軍事同盟ですから、その利益になるのであれば民主主義でなくてもＯＫ、但し、トルコは除くということですね。トルコはロシア寄りですから。
　トルコを排除してポーランドを残留させるなんていう選択肢はないでしょうけれど。トルコを排除したらますますロシア寄りになるだろうし。


2023年3月10日撮影

　白井先生は即時停戦論を主張されていますが、ロシア寄りと誹謗されています。
　徳岡宏一朗弁護士のブログにも投稿されていますが、そこでも徳岡氏からロシア寄りなどと言われているのですから酷いものです。
　特に白井先生は、必ずロシアの行為は国際法違反と強調されています。しかし、それがロシア寄りの姿勢を誤魔化すためのものだと言われてしまうのですから、思考停止してしまった人たちには何を言っても無駄なのかもしれません。
　私もロシアの軍事侵攻は当然に国際法違反だと考えていますが、それは大前提のものであって、その都度、何か発言するたびに「私はロシアの軍事侵攻は国際法違反であり、ロシアの行為は許されないと考えるが」とすべてにおいて前置きをするなんていうのは、ばかばかしくてやりません。
　それを言ったか言わないかで私の意見の意味が変わるわけではありませんし、思考停止してしまった人たちにとっては全く何も響かないからです。
　それを言うんだったら武器供与によって死の商人が大儲けしていることや大量の武器供与がなされていることついて、徳岡氏は苦渋見たいなことを言っていますが、それこそ何が「苦渋」なんですか。ウクライナ国民を守るための正義の武器ではありませんか。

　結局、お前はロシアの味方か、というレッテル貼りは国策に反対する人たちに対するバッシングです。
　私のブログにも性懲りもなくお前はロシアの味方をしたいだけなんだろちうコメントが日々、来ています。
　即時停戦論が拡がっていくことを恐れている、だから「ロシアの味方か」と糾弾するやりかたをする、こういうことなんです。
　ロシアが国際法違反の軍事侵攻を始めたんだからそれがダメというのは共通認識なので、しかも日本国内でいえばロシア嫌いの人たちは数多くいますから、そうした反露感情に便乗しているわけです。
　そういうことをリベラルを自称する人たちまでやっているんですから戦争が始まるって怖いものだと思います。

　即時停戦論は、現実の中で考えるべきと言っているだけです。ロシアの味方をしたいからではありません。核戦争の危機も含め、結局、核超大国が我が物顔で振る舞っていたところで、それに対して現状、どうすることもできないというだけの話です。
　世界も分断状態です。一枚岩でロシアを包囲しているわけではないのが現状です。
　例えば、この即時停戦論に変わるという対案がいかに滑稽なものであるかは誰でもわかることです。

ではどうするか？
→あくまで非暴力ということなら、「国連憲章を守れ」というド正論で、中国等に「中立国」対し、「ロシアをかばうのはやめろ」と批判を続けること。ロシアの継戦能力を奪うには、対ロ制裁に参加していない中国やインドにも厳しい姿勢で臨むことが必要。

— ジャーナリスト志葉玲　#入管法改悪反対 (@reishiva) April 5, 2023

　気合で敵をやっつけろと言っていた旧日本軍と同じくらいのお粗末さがあります。
　そんな発想で戦争を継続ですか。これからも死んでいく人たちのこと考えてみたらいかがですか。



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