今年8月3日に新千歳空港インターが開通しました。
同インターが開通することによって、4分の時間短縮が見込まれるということで鳴り物入りでの開通でした。
でも4分って一体、何なのでしょう。
しかも、実際には、開通して2ヶ月、渋滞だそうです。
「
新千歳空港IC開通2カ月 渋滞に募る不満 信号待ち所要時間増」(北海道新聞2013年9月30日)
私も9月23日、初めて新千歳インターを利用してみました。
スムーズに行かず引っ掛かったのは、新聞記事で紹介されているところと全く同じでした。
駐車場に入るために信号で右折待ちをしていたのですが、その信号の待ち時間がやたらと長いこと。しかも空港内だけで2回の信号待ちです。
早朝だったので「渋滞」は全くありませんでしたが、あれだけ信号で待たされていては右折車両ですから、中々、右折ができずに渋滞になるのも必然です。
(逆に帰りはスムーズだったように感じましたが、ただ既に22時を過ぎた時間でしたから、スムーズなのも当然のような気もします。)
これでは空港までに短縮された「4分」などあっという間に帳消しにされてしまいます。
そのために使われた総事業費が
36億円。元々、予定されていたのは27億円、そのうち北海道が19億7000万円、東日本高速道路が7億円の負担だったようですが、実際には大幅に費用を超過したようです。
「
中・短縮4分 新千歳空港ICは必要?」(北海道新聞2007年12月21日)
「
札幌から4分短縮 新千歳空港ICが8月3日開通」(苫小牧民報2013年7月19日)
事業費が膨らむこともさることながら、2007年当時から4分の短縮が無駄であることが上記北海道新聞記事でも指摘されていました。
4分も条件次第ではご破算になること
そのための事業費が27億円(見込み)にもなること
実際に開通してみると、当時指摘されていたことがそのまま現実化してしまったといういうことは、いかに北海道や東日本高速道路がいい加減な試算を行い、予算を使うためだけの事業を自己目的化していたことがわかります。
これは空港内の信号の待ち時間を調整すれば足りる(例えば右折信号を設置するとか。)という問題でもありません。
わずか4分のために掛ける費用の問題だからです。
それにしてもこの4分というか数分のためにどれだけ多くの無駄をしてきたのかということは、実はJR北海道も同じでした。
速度アップによる時間短縮ですが、これまでの最高130キロから110~120キロに速度を落とすそうです。
それによって、平均所要時間は、札幌~釧路間で約20分、札幌~函館間で約10分、その他の区間でも数分から5分程度長くなるそうです。
確かに鉄道の場合には安全と速さが求められており、数分はともかく20分も時間が短縮されたということになると利用者としても歓迎していたことでしょう。
ただ安全を犠牲にしてでも追い求められるものとは違います。あくまで安全は絶対の前提条件です。
(余談ですが、今年2月にJR北海道を利用して帯広に行きました。早いとは思いましたが、揺れがあまりにひどく、ノート型パソコンが立ち上がらないままで非常に困りました。航空機と異なり、インターネット通信が使えるということが売りだったはずなのですが。)
札幌から千歳空港間でおおよそ45キロほど。それが4分の短縮という皮算用。
札幌から函館までおおよそ300キロほど。JR北海道の場合、無理をして10分の短縮。
前者が全くの無駄であることは誰の目から見ても自明のことでしょう。未だにこのよう無駄なことをやっているのが北海道なのです。
それと比較してJR北海道の場合はどうでしょう。利用者としてJR北海道に過大な期待をしていたのでしょうか。
それとも集客のための戦略に乗せられてしまっていたということでしょうか。
仮に函館までの時間が10分余計にかかったとしても誰もが安全を選ぶでしょうし、それだけのために航空機の利用までには至らないでしょう。
時間短縮ということの前に安全がどのようになっているのか、そのコストがどうなのかについて、きちんと考えることが必要です。
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