札幌市長ご乱心！ 札幌にオリンピック招致!?

　上田文雄札幌市長が、札幌に冬季オリンピックの招致を言い出しました。
　もともと上田市長は、冬季オリンピックの招致をしたかったが、東京オリンピック招致の足を引っ張るからと「自重」していたとか。
　思えば、札幌は1972年に冬季オリンピックが開催されています。私はまだ4歳、しかも当時は鎌倉に住んでいましたから、そのときの状況は全くわかりません。
　札幌市南区の真駒内にいろいろな競技施設が作られ、地下鉄が整備されというようにしか聞いていませんが、当時では札幌の発展の原動力ということもできたのでしょう。札幌市は、まだまだ発展すると思われていたし、北海道も同様に発展していくだろうと思われていた頃だからです。

　しかし、その後、炭坑の閉山で北海道内の地方の炭鉱都市は軒並み人口減少で破綻、その一番の象徴は夕張市の財政再建団体への転落です。
「夕張市　藤倉肇市長不出馬へ」

　このような中で札幌オリンピック招致など現実的な経済政策と言えるのでしょうか。
　東京オリンピック招致が決まると高揚感だけに包まれていますが、東京都の試算では今後7年間の経済効果が3兆円だとか、とある試算では150兆円だとか。
　一体、何を根拠にこのような数字が出てくるのか胡散臭いだけでなく、この経済効果という発想自体、破綻したものです。オリンピックなどというお祭りは所詮は、そのすべてが浪費です。巨大イベントを実行するために巨額のお金が使われます。それは基本的には、私たちの生産を産み出す労働によってのみ支えることができるものです。
　決してカネを転がすだけで支えられるはずもないもののだからです。
　要は、カネがかかるということは私たちの生産労働によってこれを支える、しかし、その支えた結果、私たちに残るものは何もない、これが「経済効果」の正体です。
　町内のイベントでも同様でしょう。一時、楽しむためにみんなでお金を出し合ってお祭りを開催する、終われば後片付けをしておしまい、ただ年に1回のお祭りをみんなだ楽しむというに自分たちの生産労働の成果をお祭りに振り向けたということです。誰かが負担してくれたわけではありません。

　ところが、この東京オリンピックの高揚感といいますか、胡散臭いバブル景気をみて舞い上がってしまったのが、札幌の商工会などです。
　上田市長が冬季オリンピックの招致を言い出すや、札幌の商工会はここぞとばかりに札幌招致に賛同し、これに活路を見出そうとしたのです。
　これぞ東京オリンピックの地方への波及効果？
　東京の人たちが浮かれているのをみて羨ましくなってしまったという姿が見て取れます。

　しかし、札幌市には莫大な誘致のための費用は捻出できません。施設を作るための費用も同様です。
　箱物ばかりを作り、それが財政負担を招き、その維持費ともなれば財政破綻するのは必然の流れなのですが、そんな無駄遣いをすれば夕張の二の舞であることがどうしてわからないのでしょうか。
　上田市長は、他の政策では素晴らしいのに、ことオリンピックに関してはご乱心としか言いようがありません。

「夕張市の人口ついに１万人を割る　夕張は明日の日本の姿」


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