自民党政権が今国会に提出した秘密保護法。
秘密と指定したものが秘密という究極の悪法、かつての軍機保護法などを彷彿させるものです。
大げさ?
今の時代に軍国主義復活はない?
こんな言葉が漏れ聞こえてきますが、真に受けてはいけません。このようなことを言っている人自身が軍国主義者だったり、御用学者であることが多いのですから。
北海道新聞2013年10月26日付では識者の見方として国際アナリスト菅原出氏が賛成の立場から意見を述べていますが、そこで述べられていることは日本はスパイ天国というおなじみのキャッチフレーズから始まります。
外国のスパイが~という論調は、いかにも日本の防衛・外交が諸外国から狙われているんだといわんばかりのものですが、
他に言うことがないという裏返しでもあります。
菅原氏の論調は、従来のものでは刑罰が低い、だから厳罰が必要だというものですが、その論調でいくといずれ懲役10年という重罰でも足りなくなってくるんですね。
最終的には軍機保護法のように死刑まで刑罰が引き上げられていくことでしょう。
しかも、菅原氏の論調で決定的に欠けているのは、この秘密保護法が目を向けているのが日本国民だということ。決して、外国のスパイなどではありません。
外国のスパイだなんていうのは典型的なすり替えの議論です。
本当に胡散臭いのです。
先般、ドイツのメルケル首相の携帯電話が米国から盗聴されていたことが暴露されていましたが、「スパイ天国論」を声高に叫ぶ人たちは米国を糾弾するのでしょうか。米国の盗聴実行者、その指示者をドイツに引き渡すべきだというのでしょうか。
私は引き渡すべきとは思いますけれど。しかし、それは秘密保護法とは全く関連性はありません。菅原氏の論調でいえば世界の常識だそうですから、さて、ドイツではいかなる対応を取るべきということになるのでしょうか。
ところで、ドイツやフランスが盗聴の対象になっているのに日本は対象になっていない?
あり得ないことではないですよ、日本国政府は米国の忠実なポチですから、盗聴されるまでもなく、すべて米国に情報提供していることでしょう。
秘密保護法が取締の対象にしているのはあくまで日本国民なのです。
2013年9月23日付の北海道新聞では東大教授長谷部恭男氏が賛成の立場から意見を述べています。
2011年に秘密保全法制の必要性を提言した政府の有識者会議のメンバーです。
この長谷部氏の論調がすごい。
秘密保護法がない、だから外国に相手にされない!
というものです。今まで日本は外国に相手にされて来なかったのですか?
ここで言われているのは、基本的には軍事同盟の強化の視点ばかりです。
貿易などについて相手にされなくなるなどということは全くありませんし、これまでもありません。秘密事項ばかりのTPP交渉というものがありますが、このようなものはそもそも参加すること自体が誤りであり、まさに国民に秘匿する中で押しし進めている典型でしょう。それは決して国民の利益ではありません。
そして最後は「
政府による乱用の懸念がないとは言えませ。しかし、乱用のない制度はありません。結局はメディアの気概の問題」という締めくくり。
精神論に矮小化しています。憲法学者の発想とは思えない暴論です。
この秘密保護法の問題点は当該公務員のみならず、その公務員とどのような接触の仕方が犯罪になるのかが全く不明確なこと。
そしてそれが独立して処罰の対象とされていること。
「知る権利」への配慮が明文化されたと言ってみたところで、このような字句に何の意味もないことは常識です。ないよりあった方がいいというレベルの議論であれば議論するだけ無駄だということです。「知る権利」を侵害しないという制度的担保ではないのです。
安倍政権による秘密保護法とはまさにぴったりではないですか。
「
秘密保全法と集団的自衛権 暗黒時代に突入か」
日弁連ホームページ
「
秘密保全法制に反対(秘密保全法制対策本部)」
札幌弁護士会
「
11月9日「「秘密保護法」制定に反対する札幌市民集会PartⅡ」のご案内」
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